力及ばず鄴を開城されたものの、兵糧がない秦軍の弱点をついて徹底的に外部からの兵糧の輸入を阻止する策を打ち続けた李牧。昌平君が考えた列尾の囮と黄河を軍船で兵糧を運ぶ計略も李牧に読まれていて全て失敗に終わりました。
しかし、その途中、李牧は邯鄲を守備する王都軍により逮捕されてしまいます。もしや李牧は、このまま処刑されてしまうのでしょうか?
この記事の目次
キングダム638話ネタバレ予想vol2「なんで李牧と悼襄王の仲は悪い?」
李牧が邯鄲に連行されたのは、もちろん鄴を桓騎軍に落とされてしまったからです。それ以前から、もし鄴が落ちれば李牧を斬り刻むと悼襄王は言っている事から、順当に行くと李牧は残酷な方法で処刑される事になります。
でも、そもそも、どうして悼襄王と李牧はこんなに険悪なのでしょうか?
キングダムでは言及されていないので、郭開が悪口を吹き込んでいたと考えてしまいますが、実は史実では、キングダムには出て来ていない極悪な趙悼倡后という悼襄王の后が関係しているようです。
キングダム638話ネタバレ予想vol2「李牧を殺させた趙悼倡后」
趙悼倡后は、司馬遷の史記には出て来ませんが、前漢の劉向が書いた列女伝の中の孽嬖伝に登場する悪女で、元々は邯鄲の遊女だったものを悼襄王が美貌を見初めて后にしたのですが、この時に李牧が禍を招くと猛反対したそうです。
この事で趙悼倡后は、自分が后になる事に反対した李牧を恨み、息子の公子遷が生まれると悼襄王に公子嘉と、その生母を讒言して公子嘉を廃嫡に追い込み、息子を王太子にします。
そして、悼襄王が死ぬと息子を幽繆王として即位させ、その後、王翦が趙を攻めると、秦から賄賂を受け取り李牧を誅殺するように幽繆王に示唆して殺害させています。
つまり、列女伝が正しいとすると李牧を殺した直接の下手人は趙悼倡后という事になりますが、キングダムでは秦の太后とキャラかぶりするので、この説は取らないと思います。
キングダム638話ネタバレ予想vol2「李牧が助命される理由」
列女伝はともかく、キングダムに戻りますと李牧はピンチです。万が一、鄴が奪還できれば助命も叶いましょうが鄴が落ちるのは史実なので変更はありません。そうなると、一体何が理由で李牧が助命されるのでしょうか?
ここからは、李牧が処刑を免れそうな理由を色々考えます。
キングダム638話ネタバレ予想vol2「李牧が邯鄲に着く前にオフ王が死ぬ」
一番簡単な理由は、李牧が邯鄲に護送される間に、元々病弱な悼襄王が死ぬという事です。王が死ねば、直ちに王太子が即位しますが、通常、この時は大赦と言い、国内の罪人の罪が減刑され刑が軽くなったり出獄が許されたりします。李牧の場合、極刑だったのが罪一等を減じて終身刑や、足やら腕やを切り落とす肉刑に減刑されるかも知れません。それに、通常、国王が死ぬと周辺の国からの軍事侵攻の確率が高くなります。
鄴攻めの初期には、燕のオルドが趙に攻め込み、それに対して司馬尚が出撃して追い払い、その後、趙が燕の二城を奪っている事から、悼襄王の死に乗じて燕が報復に出るというのも現実にアリだと思います。
秦でも、紀元前247年、秦王政の父の荘襄王が即位した隙をついて魏の信陵君が五カ国合従軍で函谷関に攻め寄せています。それを考えると、李牧を殺して雁門の司令官を失い、匈奴の侵入を許すより、ここは罪を許して死ぬまで雁門に閉じ込めるという措置を、幽繆王や郭開は採用するかも知れません。
【次のページに続きます】