キングダム644話ネタバレ予想vol2「悼襄王はどうして風呂に入っている?」

2020年6月15日

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kawauso編集長(石原 昌光)

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「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務めるほか、紙媒体やWebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者・おとぼけ(田畑 雄貴)

コンテンツ制作責任者

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月に「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感していただけることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。

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kawauso

 

kawausoの世代は、毎回風呂に入っているキャラといえば、ドラえもんの登場人物しずかちゃんであり、さらにはかなりの高確率でのび太とドラえもんにのぞかれていました。しかし、キングダムで毎回風呂に入っているキャラといえば、趙の悼襄王(とうじょうおう)でしょう。

 

邯鄲の守護神扈輒(こちょう)にもフランクに「クソ」と呼ばれている安定のバカ王ですが、一体、どうしてオフ王は毎回入浴しているのでしょうか?おふゥ・・

 

キングダム644話ネタバレ予想vol2「悼襄王は治療の為に薬湯に入っている」

華佗(華陀)

 

中国では、殷(いん)の時代の甲骨文にすでに「浴(よく)」という漢字が登場しているそうです。元々、浴とは沐浴で廟(びょう)で祈りを捧げる前に禊のために水浴するという意味でした。それが、やがて湯に入り体を温めつつ、汚れを洗い落とすという意味に変化しました。

 

時代は下って紀元前2世紀、「五十二病方」という医学書が書かれます。これは1973年に出土した馬王堆(まおうたい)の古墳から出土したものですが、この中に薬浴が出てきます。

 

つまり、この当時には風呂に薬草を入れて入浴するという習慣があった事が分るのです。キングダムの時代は馬王堆古墳の時代の100年程前ですが、文化や習慣の変化の速度を考えると時代的に同時代と言ってもよいでしょう。

 

そこで思い当たるのは、悼襄王が病弱であるという事実です。

 

オフ王は生来のひねくれではなく体が弱く将来を悲観して捨て鉢になった設定なので、実はあの大きな大浴場には各種の薬草が投じられていてお湯には色がついているかも知れません。

 

キングダム644話ネタバレ予想vol2「薬湯治療の方法は?」

呂布と劉備

 

では、薬湯ではどんな治療が行われたのでしょうか?五十二病方には、以下のようにあります。

 

①脛(すね)の傷が膿(う)んで潰れて膿が流れだしている時には、水に薬用植物を3種入れて、これを煮て湯に足をつけると治る

②疥癬(かいせん)(皮膚病)の場合には、桃の葉を水に入れて3回煮て湯にする。

 

五十二病方には、247種類の薬用植物が出てくるようで、外用としての使用法は薬浴以外にも、貼り薬、燻(いぶ)して吸引、蒸気にして体に浴びる、薬物を粉末にして炒(い)って患部に当てるという熨法やマッサージがあるようです。

 

しかし中には、陳棄薬(ちんきやく)のように、古くなったむしろや動物の糞尿を用いるという明らかに病気が悪くなりそうな処方もあるのでアレなんですが、、

 

また、周の時代には、端午の節句の5月5日にヨモギ湯に入る事が広く民間にも普及し、1年の特定月に沐浴し、5月に香りのいい植物を煎じて沐浴する事が行われ宮廷においては、香り豊かな植物を袋に入れて池につけ、冬でも一定の温度に池を温めて入浴を楽しんだそうで、温水浴とも言っていました。

 

このように見ていくと、薬湯はキングダムの時代にはポピュラーであり、オフ王が病気治療の一環として、年中お風呂に入っている可能性も出てくるのです。

 

キングダムネタバレ考察

 

キングダム644話ネタバレ予想vol2「あんなに豪華な風呂があったの?」

お風呂に入る曹操

 

さて、キングダムの時代に薬湯に入る習慣があったという事は分かりましたが、今から2300年も前に、オフ王が入浴しているような豪華な風呂があったのでしょうか?

 

古代のローマは日本同様の火山国で公衆浴場が発展していましたが、中国はどうだったのか?

曹操のお墓(曹操高陵)

 

その疑問については、2017年の11月6日に中国の考古学者が、西安付近の秦漢時代の櫟陽(れきよう)遺跡から戦国時代の秦国王・后妃の浴室を発見していて、そこから分かります。この浴室は王と妃用なのか2つに分かれており、バスタブも壁も立派な磚(せん)(煉瓦(れんが))で覆われていた事が分かっています。

 

浴槽の底には穴が開いていて、そこから陶器製のパイプが外に伸び、排水も万全になっています。浴室には暖炉もついていて、恐らくはサウナ、さらには浴槽に注ぐ湯を沸かしていたのかも知れません。

 

規模としては、国王や妃のプライベートな浴室だけありそれほど大きくはありませんが、排水施設の万全さを考えると、大衆浴場のような大きさの浴室も出来たかも知れません。そうだとすれば、悼襄王の豪華な風呂も絵空事とは言えないのです。

キングダム644話ネタバレ予想vol2「悼襄王にとり風呂は病院」

内容に納得がいかないkawauso様

 

このような事を総合して考えてみると、悼襄王にとって風呂は、もちろん美少年にウヒョさせる為の自分の性癖を満たす場所ではあるのですが、同時に病弱な自分を何とか延命させる為の病院のような存在なのかも知れません。

 

自暴自棄なくせに、薬湯に浸かって養生に努めているのだとしたら8年間在位出来たのは、毎日のように風呂に浸かる生活習慣が良かったのでしょうか?

 

でも、キングダムの悼襄王は、かなり細マッチョで自然死しそうにはないんですよね。やはり、溺死に見せかけて殺害される路線は濃いように思えてなりません。陳棄薬飲んで死んじゃったりしてね、、

 

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キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

今回は悼襄王がどうして毎日のように風呂に入っているのかを真面目に考えてみました。

 

華北に位置する趙は年間降水量も少なく、水は貴重品なので、そんなに毎日風呂に入る習慣はありません。儒教のバイブルの礼記(らいき)でも、入浴は5日に1回と決められている位です。だとすれば、贅沢にお湯を使えるオフ王は大変な浪費家という事なんですね。

 

文:kawauso

参考PDF:馬王堆出土『五十二病方』にみられる薬の作り方の意義

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。「はじめての三国志」編集長。三国志・中国史を中心に、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を執筆・編集し、当サイトでは4,000本以上の記事を担当。三国志は正史から入ったため、演義を書くときのほうが神経を使うという天邪鬼。故郷・沖縄の歴史に関する勉強会の開催や、ラジオパーソナリティとしての活動も行う。

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