劉備玄徳って、劉備が苗字で、玄徳が名前?
あれ、それなら、諸葛亮孔明は、どこで区切ればいいの?
そんなあなたに、〇三五三(ゼロから三国、五秒で三国)です。
こちら、はじめて三国志に触れる方も、小見出しを読むだけで、
五秒で三国志がわかったような気分になれるという初心者向けのコーナーです。
ゼロからはじめる三国志、五秒でわかる三国志
基本的にみんな姓は一文字
劉備(りゅうび)も、曹操(そうそう)も、孫権(そんけん)も、
姓(苗字)は一文字です。そして名前も一文字です。
それぞれ、劉さんちの備くん、曹さんちの操くん、孫さんちの権くんです。
でもやっぱり「備くん」は言いにくいですね。一文字なので。
「信長」とか「秀吉」なら呼びやすいですけれど。
そんなわけで、姓名を一緒くたにして、「劉備」「曹操」「孫権」と書くのが普通です。
そこで、姓・名で区切るとしたら、
まず、「劉・備・玄徳」と思っておいてください。
ときどき二文字の姓の人がいる
諸葛亮孔明(しょかつりょうこうめい)、司馬懿仲達(しばいちゅうたつ)は、
二文字の姓の人です。これを「複姓(ふくせい)」といいます。
複姓は、たいへん珍しいので、三国志の中でも、数名しか登場しません。
挙げてみると、
諸葛亮、諸葛謹といった「諸葛(しょかつ)さん」
司馬懿、司馬炎といった「司馬(しば)さん」
夏候惇、夏候淵といった「夏候(かこう)さん」
公孫淵といった「公孫(こうそん)さん」
太史慈といった「太史(たいし)さん」
皇甫嵩といった「皇甫(こうほ)さん」
このくらいです。
そんなわけで、こちらの区切るべき場所は、「諸葛・亮・孔明」となります。
姓・名・字の三つがつながっている
「劉・備・玄徳」そして、「諸葛・亮・孔明」
では、最後の「玄徳」と「孔明」はいったいなんでしょうか。
これは、「字」と書いて「あざな」と読みます。
かつての中国では、成人男子は実名以外に、こういうふうに呼んでください、
という別の名前をつけました。
あだな、と言ったらわかりやすいかもしれません。
あざなとあだな。冗談みたいですが……。
ちなみに本名は「諱(いみな)」と言われます。
親や主君など、ごくごく近しい目上の人のみが呼ぶことを許されていました。
つまり、彼らは「玄徳」「孔明」と、字で呼び合うのが通常だったのです。
字が一文字の人があまりいないのは、やはり一文字が呼びにくかったから?
かもしれません。
関連記事:字で考える三国志 「字(あざな)」について詳しく解説