公孫瓚特集:悔しかったら雨を降らせてみろ・その1

2015年2月9日


 

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白馬義従の公孫サン

 

白馬将軍、公孫瓚(こうそんさん)。このあだ名の響き……素敵すぎて、ご飯が三杯くらい進みますね!白馬に乗るのはイケメンに限る!きっと、どこかにそういう法則はあるはずです。……ただし、三国志の場合は白馬<赤兎馬ですが。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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雨を降らせる……?

劉ぐ

 

さて、公孫瓚といえば、気になることがあります。公孫瓚は、ライバルである幽州牧の劉虞(りゅうぐ)を捕らえると、市中引き回しの上、

「おまえは皇帝になれるんだろう?それなら、雨くらい降らせてみろよ」と、無茶なことを言いつけます。

 

公孫瓚と劉虞

 

結局、真夏に雨は降らず、それを理由に斬り殺してしまうのです。

 

劉邦

 

そんなの、ありなのでしょうか。古代の三皇五帝時代ならともかく、漢王朝は、劉邦というヒトが建てた王朝なので、皇帝はヒトです。どうして雨を降らせなくてはならないのでしょう?

 

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瑞兆があちらこちらに現れるのは人為的?

鳳凰

 

中国史を見ていて興味深いと思うのは、「瑞兆」と呼ばれる不思議な現象が、歴史書に堂々と記載されていることです。

 

皇帝になることを決意する孫権

 

たとえば、ドコドコに麒麟が現れた!とか、甘露の雨が降った!とかふたつの太陽を見た!とか。いやそれ、デマですよね……?歴史書に書くことではないのでは?と思わず言いたくなる怪奇現象が、普通に記されています。

 

荒れる黄河

 

黄河が氾濫したとか、ほうき星が現れたとか、地震があったとかそういう自然現象と同系列なのです。そして、その現象は、なにかの前触れであり、特に政治的に大きな変革があるときに使われるのです。

 

公孫サン(公孫瓚)

 

さて、そんなわけで、公孫瓚に話を戻します。公孫瓚は、劉虞に「雨を降らせてみろ」と言いました。

 

漢李カク・郭祭り78 献帝

 

この背景には、董卓(とうたく)がバックについている献帝を廃して、劉虞を皇帝に立てようという動きがあり、そういう人たちが、

 

袁術

 

「星の動きがおかしい」「劉虞が皇帝になると書かれた玉璽を見つけた」「ふたつの太陽を見た」など、瑞兆が現れたと言い出したのです。ものすごく……人為的なにおいがします。

 

民衆に慕われる劉虞

 

しかし、こういう瑞兆を、信じてしまうのが民衆なのです。特に劉虞は民からの人望が高い人でした。そこで公孫瓚は「みんな見てみろよ。あいつ、ただの人間だぜ」と、瑞兆を跳ね返すことで、民に知らしめたかったのです。

 

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公孫瓚特集

 

 

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