はじめての三国志

menu

デザイン担当:よりぶりん

兵法三十六計(借屍還魂)の古今東西

この記事の所要時間: 226




太陽 三国志 写真

 

中国の清の時代の初期に纏(まと)められた兵法三十六計は、

兵法における戦術を六段階、36に分類したものです。

 

その中の14番目に、借屍還魂(しゃくち・かんこん)という計略があります。




借屍還魂(しゃくち・かんこん)ってどういう意味?

借屍還魂 名前をかたる

 

おおまかな意味は、すでに亡くなった権威や、いなくなった他人の名声を

利用して、自分の利益を上げるという方法です。

 

これは、中国史ばかりでなく、他国でも似たような方法が、

取られているので、少し紹介してみましょう。




① 有名人の名前を借りて、利益を得るタイプ

劉備 黒歴史

 

一番ポピュラーで簡単なのは、すでにいない有名人の名前を騙り

自分の野望を達成するというタイプの、借屍還魂です。

 

有名なのは、秦末の叛乱を起した陳勝(ちんしょう)と呉広(ごこう)でしょう。

平民に過ぎない彼等は、農民軍に権威を付ける名目で、

始皇帝の長男で、名声の高い扶蘇(ふそ)の名前を使ったり

秦の天下統一に最後まで抵抗した楚の項燕(こうえん)大将軍の名前を

騙ったりしています。

 

新聞もテレビもない時代ですから、それを信じる人は多く

陳勝・呉広は、大勢の人間を集める事に成功しました。

 

 

② 先祖の名前を使い利益を得るタイプ

劉備

 

先祖に有名人がいた場合には、その名前を出す事で、

自分の力を大きく見せる事が可能になります。

 

三国志劉備(りゅうび)は、前漢の景帝の子孫、

中山靖王劉勝(りゅうしょう)の末裔という400年も遡る、

うっすい血縁を最大限利用し、乱世を渡るテクニックにしました。

 

 

日本史でも、鎌倉幕府を起した源頼朝は、父が源氏の大将、

源義朝だった事を最大限に利用しています。

義朝は、頼朝が挙兵した頃にはすでに殺されているので、

これも借屍還魂の一種でしょう。

 

 

また、中央アジアの覇者、チムールは、チンギス・ハーンの末裔を

名乗り敵に威圧感を与えていましたし、

インドのムガル王朝を開いたバーブルは、このチムールの末裔を

自認して、戦いインドを統一しています。

 

 

強くて残忍無比なチンギスハーンの勇名は中央アジアや、

インドに轟いていて、多くの相手は戦う前に怯んでしまったのです。

 

 

③過去の故事を利用して利益を得るタイプ

古代琉球 三国時代

 

 

借屍還魂には、過去の故事を利用して、自分の利益にするタイプもあります。

最初に琉球を統一した覇王、尚巴志(しょうはし)は、

西暦1416年に北山(ほくざん)王、攀安知(はんあんち)を攻めるのですが、

この時に北山の他の豪族を仲間に引き込んで攀安知を孤立させています。

 

実は、攀安知は、祖父の代に北山の前の王を追い出して今帰仁城を乗っ取った

下剋上の人物で、北山の他の豪族は、この追放された王の末裔でした。

 

そこで尚巴志は、北山の豪族に先祖の仇討ちをさせる事を大義名分とし

自分はそれに手を貸すとしたのです。

 

※もちろん、尚巴志は、北山の前の城主とは縁もゆかりもありません。

 

 

こうして、今帰仁城を攻め落とした尚巴志は、前の北山王の末裔の

護佐丸(ごさまる)という武将を今帰仁城主に任命させて、

形上、仇を討たせたという体裁を取り繕ったのです。

 

 

いかがでしょう? こうして見ると、時代と社会は違っても、

借屍還魂が広く計略として使われているのが分かりますね。




よく読まれている記事

袁術

 

よく読まれている記事:【これは悲しすぎる】今や忘れさられた袁術の墓

 

朝まで三国志

 

よく読まれている記事:朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ(笑) 第1部

kawauso 投壺

 

関連記事:三国時代の娯楽にはどのようなものがあったの?タイムスリップして当時の人に取材してみた

 

袁紹 曹操

 

よく読まれてる記事:【三国志if】もし袁紹が官渡の戦いで曹操に勝ってたらどうなってたの?

 

この記事を書いた人:kawauso

kawauso

■自己紹介:

どうも、kawausoでーす、好きな食べ物はサーモンです。
歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。

もちろん、食べるのはサーモンです。

関連記事

  1. 何で劉備と司馬懿は無能な人間のふりをしたの?分かりやすく解説して…
  2. 三国志の英雄たちの詩を調べたら司馬懿ヒドすぎワロタwww
  3. 今更聞けない!水魚の交わりとは何?三国志に由来する故事成語
  4. 【諸葛亮のノアの方舟計画】長坂での別行動は劉備軍温存?
  5. 【李傕・郭汜祭り 5日目】董卓の仇も討てず、気弱な李傕郭汜の上司…
  6. 呉起(ごき)とはどんな人?各国を渡り鳥のように移った天才兵法家
  7. 【ネオ三国志】第1話:蒼天航路の主人公・曹操立つ
  8. 【孔明の戦術】戦いには旗が決め手!諸葛亮のフラッグフォーメーショ…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 【祝】月間150万PV達成!はじめての三国志より感謝の言葉
  2. 【孔門十哲】宰我(さいが)とはどんな人?孔子に一番叱られた弟子
  3. 73話:孔明、大論陣を張り呉の降伏派を叩き潰す
  4. 中原での戦いは苦手だけど異民族討伐戦なら強い董卓
  5. 遼来遼来!! 泣く子も黙る張遼の合肥伝説
  6. 井伊直弼は井伊直虎の子孫なのか?大河をまたいで続く井伊家

三國志雑学

“はじめての三国志150万PV" “広告募集"

はじめての三国志 書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

法正は名軍師だったの?性格が最悪な徳性なき蜀の天才参謀 【キングダム555話】「個別撃破」ネタバレ&レビュー 季布(きふ)とはどんな人?一度承諾した約束は絶対に破らない事で天下に名を轟かせた名将【前半】 11話:パンドラの箱を開けた漢王朝 三国最強であった魏はなぜ滅びることになったの?【曹操編】 19話:超豪華!反董卓軍の英雄達 三国志ロワイヤルDeNAにおとぼけが突撃じゃ! 【8月の見どころ】8/16公開予定:孔明vs曹植の言論バトル

おすすめ記事

  1. 【シミルボン】戦だけが能じゃない?三国志の英雄達を詩で比較してみたよ!
  2. 陳羣(ちんぐん)ってどんな人?画期的な人材採用法を確立させた魏の政治家
  3. 棗祇(そうし)とはどんな人?新しい兵糧収入法を考え曹操の覇業を支えた功臣
  4. 【徹底追及】劉備はどうしてあんないい加減な性格なのか?
  5. これは意外!最初は漢王朝を庇っていた袁術
  6. 臥龍は起つ気まんまんだった!?三顧の礼のやらせ劇を詩から読み解くよ
  7. 【北伐】幻の「長安挟撃作戦」魏延はすでに演習済みだった?
  8. スーパーマンも驚き!三国志時代の仙人はびゅんびゅん空を飛んでいた!【古代中国の仙人事情】

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“西遊記"
PAGE TOP