50話:捨てる神あれば、拾う神、劉備、趙雲と再会

2015年3月24日


 

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劉備 食客

 

日の出の勢いで、勢力を拡大する曹操(そうそう)に対し、一時は曹操にライバルと目された劉備(りゅうび)は踏んだりけったりの毎日を送っていました。

 

方天画戟を持つ呂布

 

折角、手にいれた徐州太守の地位は、呂布(りょふ)を信用した為に奪われ、袁紹(えんしょう)に加担して、曹操の隙を突いて、徐州で反乱を起こすも、袁紹がグズで援軍を出さない為に曹操に敗れて、妻子や、関羽(かんう)そして張飛(ちょうひ)ともはぐれてしまう始末です。

 

劉備の黒歴史

 

「どうして私だけがこんな目に、、」逆境をはねのけて、ドンドン強大になっていく曹操を見つつ人の世話になるしかない劉備には、情けないやら、腹立たしいやらの毎日が続きます。

 

前回記事:49話:許攸の寝返りが曹操を勝利に導く

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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劉備にも幸運が訪れる

趙雲 子龍

 

しかし、捨てる神あれば、拾う神ありで、どん底の劉備に僅かながら、希望の光が差してきます。

 

劉備とはぐれて心配する関羽

 

それが、曹操の元を去って戻ってきた関羽との再会でした。この万人力の勇者との再会は、どれだけ劉備を元気づけたでしょう。

 

お互いに歌を交わす趙雲と劉備

 

そして、袁紹の支配地である鄴で、劉備は、もう一人の豪傑と再会します、趙雲子龍(ちょううん・しりゅう)です。趙雲と言えば、三国志ではお馴染みの有名武将、曹操の大軍の中を赤ん坊を懐にいれて、たった一騎で駆け抜けた勇者です。

 

劉備に褒められる趙雲

 

元々、趙雲と劉備は、今は亡き公孫瓚(こうそん・さん)の下で、出会い意気投合し、お互いに認め合う間柄でした。ところが、趙雲の身内に不幸があり、喪に服す為に趙雲は、公孫瓚の下を離れる事になります。

 

「名残惜しい、ここで別れたら、もう会う事もないかもな、、」

劉備は趙雲の手を握り、涙を流して別れを惜しみます。

 

劉備の下で働くと決めた趙雲

 

「ご心配なく、私は、あなたの好意を忘れる事はありません」

趙雲は、劉備にこう返事をして再会を期して別れたのです。

 

再開を果たす二人

劉備 趙雲 再開

 

それから、数年、趙雲と劉備は再会を果たします。劉備は趙雲と寝食を共にし、袁紹の命令で曹操の支配地で反乱を起こすように言われた時には趙雲に密かに兵を集めさせて、共に袁紹の下を去っていきました。さて、このように、主従の関係を結んだ二人ですが、その絆がいかに深いものであったかを示す話を一つ、、

 

趙雲 三尖刀

 

ある戦で敗北した劉備、その時、配下の武将が、劉備に対して、趙雲が、劉備を捨てて、北に敗走したと伝えました。すると、劉備は顔色を変えて、その者に手槍を投げつけて言います。

 

ブチギレる劉備

 

「無礼な事を言うな!子龍は、私を見捨てて逃げる男ではない!」

 

暫くすると趙雲は、劉備の陣営を探しあてて戻ってきました。

 

趙雲と劉備

 

このように劉備は趙雲を信用し切り、趙雲もその信頼を終生裏切る事はなかったのです。こんなにも深い絆で結ばれた二人、羨ましい限りです。

 

次回記事:51話:武将を惹きつける人間磁石 劉備玄徳

 

全訳三国志演義

 

 

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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