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こっそりお教えします!NHK大河ドラマの通な見方。歴代大河ドラマも徹底紹介!

2016年1月2日


 

真田丸

 

NHK総合日曜日の20:00~20:45分に何が放映されているか、ご存じな方は、現在、どれくらい、いらっしゃるでしょうか?この時間帯は、もう何十年も続く楽しいNHK大河ドラマの放映枠です。2016年の大河は「真田丸」と決定しましたが、はじさんでは、筋金入りの大河ドラマウォッチャーであるkawausoが大河ドラマの「通」な見方を解説していこうと思いますよ、ウヒョ♪

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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そもそも大河ドラマって何?美味しいの?

 

では、そもそも大河ドラマとはどういう意味なのでしょう、普通のドラマとはどのように違うのでしょうか?大河ドラマとは、小川のせせらぎが次第に大きくなって大河になり、最後には海にそそぎ込むというダイナミックな営みを人間群像に例えたものです。普通のドラマは、登場人物の或る時期を切り取って見せますが、大河ドラマは基本、登場人物の誕生から死ぬまでを通しで、しかも、その時代の歴史や関係人物を踏まえて追っていくというスケールの大きいドラマを意味しています。実際、NHKの大河ドラマは1回45分を全50回前後放送するので丸々、1年掛かってしまいます。なので、大河ドラマを1年通しで見ると、その主人公と周辺人物は、大半分かってしまう程に理解が進むのです。

 

 

NHK大河ドラマでは、何が放送されたの?

 

NHK大河ドラマは1963年の「花の生涯」という作品を第一話として、以来、休む事なく55作品が造られています。途中、琉球の風という半年間の作品があるのと、9カ月の作品が2本ある以外は、全部1年間の通しです。大河ドラマの時代ジャンルとしては戦国時代が22本と40%を占めてダントツ、次が幕末モノで11本と多く後は、元禄時代(忠臣蔵)鎌倉時代、南北朝時代、太平洋戦争前後があります。

 

大河ドラマで一番古い時代を扱ったのは?

 

NHK大河ドラマで一番古い時代を扱ったのは、10世紀前半の平将門(たいらのまさかど)の乱と藤原純友(ふじわらのすみとも)の乱を描いた1976年の「風と雲と虹と」です。逆に一番新しいのは、1986年の「いのち」で戦後から現代までを扱っています。もっとも、この2本は以後、似た時代が造られないので、視聴者に人気がある時代とは言えず、NHK大河ドラマとしてはそぐわないという事かも知れません。

 

トレンディを意識して残念な結果に・・信長 KING OF ZIPANGU

 

NHK大河というと、お堅いイメージで世の中の流れとは無縁と思うかも知れませんが、それはとんでもない誤解です。例えば、1992年に放送された第30作は鉄板ネタの戦国時代を扱った、「信長 KING OF ZIPANGU」でしたが、当時民放で大流行だったトレンディドラマを意識している事がハッキリと分かる配役でした。何しろ織田信長に緒形直人、池田恒輿(つねおき)に的場浩司、明智光秀にマイケル富岡、羽柴秀吉に仲村トオル、秀吉の夫人ねねに中山美穂、信長の正室の帰蝶(きちょう)に、菊地桃子というトレンディドラマを、そのまま戦国時代に移行した感じでした。このトレンディ優先は、かなり強引で主役の緒形直人は丸顔で信長っぽくなく、逆に側近の池田恒輿の的場浩司がウマ顔で信長っぽかった位です。

 

稲川淳二の宣教師ロレンソが、黒服で怪談を語りそう・・

 

また、この作品では稲川淳二が、日本人初の宣教師ロレンソを演じていたのですが、その黒い服の雰囲気が、いかにも怪談という雰囲気で、「あたしね、この間、とある古びた旅館に泊まったんですけどね・・」といつか言いだすんじゃ・・と思っていました。結果としては、信長 KING OF ZIPANGUは、そこまで記録に残る作品にはなりませんでした。

 

 

 

もう一度、トレンディ路線 利家とまつ~加賀百万石物語~

 

ただ、その時代に人気を集める若手を起用するという手法は無くならず2002年の「利家とまつ~加賀百万石物語~」では、唐沢寿明、松島奈々子、反町隆史、香川照之、天海祐希、酒井法子等を起用し、ここでは22%と、2000年代では、まあまあな成績を残しています。

 

NHK大河ドラマ、大当たりは、どんなドラマ?

 

逆に製作サイドの思惑が当った大河ドラマには、どのようなものがあるのでしょうか?歴代の大河ドラマで一番、視聴率が高かったのは、1987年の「独眼竜政宗」で39・7%という驚異的な視聴率を叩きだします。この独眼竜政宗の主演は、今やハリウッド俳優の渡辺謙でした。さらに翌年の、中井貴一主演「風林火山」も視聴率39・2%と40%に迫っています。おまけに次の1989年の大原麗子主演の「春日局」も視聴率33・1%を記録しました。この3年間は、ずっと戦国時代モノで、これが戦国物は当たるという、NHK大河ドラマのジンクスを造っていきます。この後、しばらくはNHK大河ドラマは20%代から10%台と低迷しますが1996年、怪優、竹中直人が豊臣秀吉を演じた「秀吉」が視聴率30・5%をマーク竹中直人の秀吉への入れ込みも凄まじく、熱演のあまり褌(ふんどし)からお稲荷さんがポロリという禰衡(でいこう)なハプニングや、劇中の「心・配・御・無・用」という秀吉のポーズとセリフが話題になるなどしました。

 

残念、視聴率が悪かった大河ドラマは?

 

逆に視聴率が振るわなかった大河ドラマはなんでしょうか?

 

それは割合に最近で、2012年の「平清盛」そして2015年の「花燃ゆ」が平均視聴率12%と断トツの低数値を出しています。「平清盛」は、普通は悪役としか描かれないつるっぱげの老人、平清盛が、若い時代、まだ貴族政治が全盛で武士が貴族の番犬に過ぎない時代を描いた作品でスターウォーズで言う所のダースベイダーの話でした。とても勉強になる物語でしたが、マイナーな平安末期を描いた為か、主演の松山ケンイチの奮闘も空しく視聴率は上がりませんでした。もう一本の「花燃ゆ」は、吉田松陰(しょういん)の・・妹である杉文(すぎ・あや)が主人公。何故、松陰ではなく妹なのか?そもそも文って誰なのか?という疑問を最後まで払拭できず、明治維新に入り松陰と松下村塾の弟子である久坂玄端(げんずい)や、高杉晋作が死んでしまうと親近感が持てるキャラクターがいなくなり視聴率も低迷してしまいました。

 

NHK大河ドラマ、人形劇三国志

 

人形劇三国志は、1982年から1984年まで、全68回放送されました。人形劇と言うと頭がデカくて手足が細い人形をイメージするかも知れませんが、この人形劇三国志は、人形師の川本喜八郎によって、一体、一体造られたリアルな人形です。特に、それぞれの登場人物が着ている鎧や衣服が精巧で素晴らしく、その人形は、現在も博物館で展示される美術品のような価値を持ちます。三国志の登場人物では主要な200名を全て手仕事で作成していて、人形操師による緻密で繊細な演技により生命が宿ったようでした。

 

 

声を当てた森本レオ、せんだみつお、岡本信人、石橋蓮司が渋い

 

人形の緻密で繊細な動きもさることながら人形に声を当てた声優陣もいい味を出していました。従来なら声優を当てる所を、現役の俳優やコメディアンを抜擢して、例えば森本レオの諸葛亮孔明や、曹操の岡本信人、関羽の石橋蓮司は、今でもキャラクターと声が一体化して記憶されています。え?人形劇三国志は大河ドラマじゃない?

 

いえいえ、三国志演義自体が100年の間の英傑の人間ドラマを追った大河ドラマなんですから、劉備から孔明へ主人公が移り、黄巾の乱から五丈原までを収録した人形劇三国志は立派な大河ドラマなのです。

 

 

三国志ライターkawasuoの独り言

kawauso 三国志

 

大河ドラマと言えば、1980年の第18作の「獅子の時代」に面白いシーンがあります。これは大河ドラマ初のフランスロケだったのですが、序盤に現代のパリの駅に、ちょん髷姿の日本人の一行がぞろぞろ歩いているシーンがあるのです。そのシュールさが何とも言えず「何でこんなシーンを入れたのだろう?」と考え込んでしまいました。以上、NHK大河ドラマ初心者向けの通な見方ですが、お役に立てたでしょうか?

 

 

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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