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執筆者:黒田廉

蘇秦(そしん)とはどんな人?秦の圧力を跳ね返す為、六国を結び付けた合従論者 Part.1

この記事の所要時間: 1224




 

蘇秦は斉で遊説家としての勉強をし、各国を巡って、弁舌をふるいますが、

受け入れてもらえませんでした。

その後家で勉学を再度行い、再び各国を巡る旅に出ます。

燕の文侯に自らの意見を採用してもらいます。

彼は弁舌をもって、次なる目標である趙へと向かいます。




二度目の趙国訪問

photo credit: A dreamy pair via photopin (license)

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蘇秦(そしん)は燕の文侯から趙との同盟を締結するように依頼されます。

ただのニートであった彼は、今や正式な燕の使者として出世し、

再び趙の国へ赴きます。

趙では粛侯の弟で、彼の意見を聞き入れなかった奉陽君が亡くなっておりました。

蘇秦はこの知らせを聞き、チャンスが巡って来たと副使に言い、

趙の粛侯(しゅくこう)に会見を申し込みます。

するとすぐに粛侯から会見に応じる旨の返事がきます。

彼はすぐに宮殿へ赴き、粛侯と会見。




趙に今必要な事とは

 

蘇秦は「無礼ながら粛侯様の立場に立って、意見を述べさせていただきます。

今、趙国に一番必要な事は民を安堵させることです。

その為には、まず外交政策を成功させ、外敵からの侵略を防ぎ、

国民の安定を図るのが先決だと思われます。

ではどのような外交政策を行えばいいのか。

それは秦に対抗する同盟を構築する事です。

その第一歩として、燕と同盟を締結するのが良いでしょう。

そうすれば燕は趙に感謝し、様々な献上物を進呈する事でしょう。

燕との同盟が締結した後、斉と同盟を結び、楚・魏・韓・中山などの各国と同盟すれば、

四方の国から侵略されず秦に対抗する事もでき、国の安定も図る事が出来ます。

まずはこの外交政策を取るのが先決であると思われます。」と

述べ、粛侯の反応を見ます。

粛侯は彼の意見をしっかりと飲み込み考え込んだ表情をして、

続きを促すよう伝えます。

蘇秦は手ごたえを感じながら、続きを話し始めます。

 

秦に対抗し、各国と協力関係を築く意義とは

photo credit: B&W Maroon 1 via photopin (license)

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蘇秦は再び口を開き粛侯に「さて次になぜ秦と同盟してはいけないかを教えましょう。

もし趙が秦と同盟すれば、秦は隣国にある韓と魏に兵を向けましょう。

韓と魏は衰えれば、秦に近い領土を割譲して、和平を求めます。

さて秦に和平を求めた二国は秦に協力して、斉や楚の国々を侵略する事になります。

斉と楚を攻略もしくは服従させた秦は、燕へ大軍を送る事でしょう。

燕一国では秦に対抗できず、滅亡する事になります。

こうして六国が無くなる事で、趙は同盟する国を失い、孤立する事になります。

さて孤立した趙を秦が攻めない事がありましょうか。

答えは否です。

秦は趙が孤立したとなれば同盟を破棄した後、すぐに兵を向け、

首都邯鄲を包囲する事は自明の理です。

ですから秦との同盟を私はお勧めしないのです。」と説明。

ここで粛侯は休憩を取ります。

蘇秦は手ごたえを感じ、休憩時間に次に説明する事柄を頭で整理します。

 

ついに趙の利益を考えた進言

photo credit: Red world via photopin (license)

photo credit: Red world via photopin (license)

 

蘇秦は休憩を終えると粛侯を口説き落とす最後の弁舌を始めます。

彼は「私が趙の国の為に進言する策は一つしかありません。

それは秦に対抗して斉・燕・魏・楚・韓と手を結ぶ事です。

五国と手を結ぶだけではなく、一つの条約を約するのです。

その条約とは「各国が連携して秦に対抗する」という条約です。

どのような内容の条約かと申しますと、

秦が楚に攻め込んだ場合、魏と斉が楚に援軍を送り、秦軍を迎撃。

韓は秦の補給線を切断する事で秦が継戦できないようにし、

趙は黄河を渡り、秦の国を脅かし、燕には自国の国境を守ってもらいます。

また秦が趙に攻め込んだ場合、燕と斉は趙に援軍を送り、共に秦軍を迎撃。

楚は秦の玄関口である南の武関(ぶかん)に出兵して秦を脅かしてもらい、

韓と魏は秦の正面玄関口である函谷関へ出陣してもらい、圧力をかけてもらいます。

このように各国が連携して秦の侵攻に臨めば、秦は各国に攻め込む事の愚かさを知り、

攻めてこなくなるでしょう。

そしてこの条約の末文に、『この条約を破った場合、他の五国が連合して、

違約した国へ攻め込む』と付け加えれば、違約する国は無く、秦に圧力を

加え続ける事が出来ます。

このようにすれば趙の国は秦からの攻撃を受けず、民は富んで、国に安定を

もたらすことができます。」と締めくくります。

 

趙の粛侯を口説き落とす

 

趙の粛侯は蘇秦の進言を頷きながら聞き終えると、大いに褒め、

「私は趙の国を継いで日が浅く、長期的国策を立てる事が叶わなかった。

しかしあなたの策を聞き、ぜひ趙の国を挙げてあなたに協力したいと思う。

まず燕との同盟を締結した後、韓に協力を仰ぐ、使者としておもむいてほしい」と

述べます。

こうして彼の弁舌により、趙・燕同盟が成立。

蘇秦は趙の粛侯から大量の黄金・宝玉・綿(めん)を授かり、韓を説得するように

依頼されます。

蘇秦は趙の首都邯鄲を出て、次なる目標である韓王を説得する為、馬車を急がせます。

 

三国志ライター黒田廉の独り言

黒田廉

 

蘇秦の弁舌は冴えわたり、趙の粛侯の説得に成功。

こうして一歩ずつ秦に対抗する国同士を結び付けて、同盟を締結させていきます。

彼の名は燕と趙の君主を動かした事で、天下にその名を少しずつですが

轟かしていきます。

【次のページに続きます】




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