7月に入り、連日、30度を超える真夏日が続く日本列島、
そんな日本で飲みたいモノと言えばキンキンに冷えたビールだと思います。
冷たいビールを飲みながら、アツアツの料理を頂くというのが
冷と熱のコラボ、まさに、ビールがあって良かったと思う瞬間ですよね。
ところが、世界には、まるで常識のような夏の冷たい生ビールが、
タブーになっている驚きの国が存在するのです。
この記事の目次
びっくり、中国では冷えたビールにはありつけない?
実は、キンキンに冷えた生ビールというのは、中国には無いそうです。
もちろん、日本人観光客相手のメジャーな飯店では置いてますが、
基本、飲むのは日本人が多く、地元の人は手をつけません。
ちょっと大通りから外れた場所では、もう冷えたビールは出ないようで、
注文しても没有(ない)と言われて終わりなんだとか・・
日本人が「なんで?」と聞くと「だって、冷たいモノは体に悪いから」
という答えが返ってくるようです。
代わりに出てくるのが常温のぬるいビールで、日本人は、
せつない思いをして、ぬるいビールを飲むしかないようです。
実は、曹操のせいで、中国人は冷たいビールを飲まなくなった?
実は、これほどまでに中国人が冷たいモノを嫌うようになったのは、
三国志の英雄、曹操(そうそう)が関係しています。
3世紀の頃、中国では、寒食節(かんしょくせつ)という行事がありました。
それは、日頃、世話になっている火に感謝して冬至から3日間は、
火を使った料理を食べないという習慣です。
しかし、冬至は大体、12月22日前後、寒さのど真ん中の時期です。
その寒い中で、冷たい食事をするので寒さの厳しい北方では、
老人や病人、子供に体調を崩す人が続出しました。
それを聞いた合理主義者の曹操は激怒しました。
「たとえ昔からの習慣でも体の弱い人間を痛めつける習慣は許さん
すぐに止めさせろ、寒食節は禁止だっ!!」
命令を徹底させる為に曹操は厳しい罰を定める
しかし大昔からの習慣はなかなか改まりません。
そこで、曹操は寒食を続ける人間に厳しい罰を与えました。
「家の主人で寒食をしたものは、半年間の重労働に処す!
役人がそれを見て止めないなら百日の重労働、
県令がそれを黙認したら1か月の減俸処分とする!!」
これには、頑固に寒食を守った人々もたまらなくなります。
さすがの古来からの習慣も減俸が怖い県令や役人が率先して
中止させていく事で、次第に治まっていきました。
こうして、人々は寒い冬の間、火を絶やす事がなくなり、
老人や子供、病人が調子を崩す事も減ったという事です。
これは、曹操の成した善行と言っていいでしょう。
この時の反動で、中国人は冷たいモノ嫌いに・・
しかし、羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹くというべきか、
中国人は、今度は反対に、冷たい食べ物を恐れるようになります。
やがて、冷たいモノは体を冷やして万病の元になるという
俗説が広がっていき、冷たいモノはタブーになっていったのです。
それは、現代の中国まで尾を引き、はるか昔に曹操が禁じた、
寒食のせいで、中国人はキンキンに冷えたビールを飲む事が、
心理的に抵抗があるようになったのです。
中国人と言えば、何にでも火を通し、ナマモノは食べないというのが
有名ですが、冷たいモノもダメなのですね。
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三国志ライターkawausoの独り言
所変われば、常識変わるで、夏にはキンキンに冷えた生ビールが、
常識ではない土地もあるのですね。
中国に行く時には、どこでも冷たい生ビールが飲めるわけではないと
頭の片隅に入れておく必要があるかも知れません。
一説では、この寒食節は元々遊牧民の習慣だったものが、
文化が混ざる間に漢民族の間でも浸透していったとされています。
その習慣はゾロアスター教(拝火教)にも繋がるとも言われ、
かなり歴史を遡るものなんだそうです。
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