三国時代のお酒は発泡酒レベルだった?

2015年2月18日


 

龐統

三国志演義に限った事ではありませんが、歴史小説では、

豪傑達が、大きな甕から酒を注ぎ、何百杯も酒を飲んで全く酔わない

というような酒豪伝説があります。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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三国志とお酒と言えば

張飛にお酒 だめだよ

一番有名なのは、酒を飲んでは暴れて失敗を繰り返し、最期も、部下に

「関羽の仇討ち用に3日で数万着の白衣を用意しろ!」と

 

無理難題を押し付け「出来なきゃ死刑」と断言して、

寝首を掻かれてしまう張飛(ちょうひ)でしょう。

 

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関羽もお酒を飲み手術を受けた

 

関羽(かんう)も、肘の手術をしながら、酒を飲んで

囲碁を指すというような、豪傑然とした武勇伝があります。

 

これだけ見ると、三国時代には酒豪が多かったように思えますが、

では、三国時代のお酒とは、どういうものだったのでしょうか?

 

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三国時代のお酒はどんなの?

 

ものの本によると、三国時代のお酒には、事酒(じしゅ)、

昔酒(せきしゅ)、清酒(せいしゅ)があったと書かれています。

 

ここで言う、事酒とは、半濁のドブロク、昔酒とは事酒を

少し発酵させてアルコール度数を上げたもの、

 

最期の清酒とは、昔酒をさらに発酵させて、

上に浮いた上澄みだけを甕に詰めたものだそうです。

 

ただ、当時の醸造技術では、度数の高い、蒸留酒を造る技術は無かったようで

そのアルコール度数も低く、事酒はアルコール度数1%以下で、

現在のホッピーのようなものでした。

 

保存期限も短かった

 

それ程、日持ちもしなかったようなので、早めに飲まないと

直ぐに化学変化で酸っぱくなったようです。

 

昔酒や清酒は、それよりもアルコール度数は高かったようですが、

現在程ではなく、ビールとか発泡酒のレベルです。

 

そんな低いアルコール度数なら、そりゃあ、水と同じで、多少

アルコールに強い人なら何百杯と飲めたかも知れません。

 

 

九醞春酒法という製造方法もある

 

ただ、九醞春酒法(きゅうおんしゅんしゅほう)という酒を

9回に渡って付け足す方法も知られていて、

この方法だと日本酒レベルの度数14~20度までは実現できたとか、、

 

もっとも、手間ヒマが掛かる、このような酒は、

普段、飲まれたとは考えにくく、通常の宴会では、事酒や昔酒が

一番多く飲まれたかも知れません。

 

当時の人も酒が大好物だったので曹操はある命令を

お酒 三国志 曹操

 

それでも、当時の人も、やはり酒は大好物だったようで、

穀物の大半を酒に変えてしまったらしく、、

 

戦争時の兵糧が不足するのを恐れた曹操は、酒の醸造を禁止する

法令を何度か出しています。

 

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—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 

 

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この記事を書いた人:kawauso

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自己紹介:

三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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