卑しい身分から、曹操の正妃へ卞夫人 Part.2

2015年5月27日


 

最愛の息子、曹昂(そうこう)が戦死したと聞いた、

丁夫人は深い悲しみに襲われます。

しかも、息子の死が夫、曹操(そうそう)の不倫の不始末で起きた事に

彼女は、抑えがたい憎悪の念を抱いたのです。

 

こうして、丁夫人は、曹操の屋敷を出てゆき、戻ってこなくなりました。

今風に言えば、別居という事になります。

 

曹操は、負い目を感じ、丁夫人の自宅に行って謝罪しますが、

機織りをしていた夫人は、遂に一度も曹操と会おうとしませんでした。

 

 

曹操は、遂に丁夫人との離婚を決意し、正妃として卞夫人を迎えたのです。

ここに、『卞』夫人は、献帝を擁して事実上、天下一の英傑となった曹操の正妻になったのです。

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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曹操の正妃になった卞夫人はどうなった?

卞夫人 曹操

 

正妃になっても、卞夫人の控えめで質素な性格は変わりませんでした。

曹操と別居した丁夫人の所にも季節の挨拶を欠かさず行い、

先妻である事の敬意を忘れなかった為に、最後には丁夫人も感激し

彼女を深く信頼するようになったと言います。

 

また、質素なばかりでもなく、卞夫人には才知もありました。

ある時、曹操が戦利品の幾つかの耳飾りを卞夫人に選ばせた事がありました。

 

すると、卞夫人は、安くも高くもない中位の耳飾りを選びます。

 



中位の耳飾りを選んだ理由は?

 

それを不思議に思った曹操が理由を尋ねると、

卞夫人は、以下のように答えました。

 

「上等の耳飾りを選べば、貪欲だと思われ、下等の耳飾りを選ぶと

普段の倹約は偽りであると思われるからで御座います」

 

曹操は、この解答に満足したと伝えられています。

 

 

卞夫人と曹操の間で生まれた息子は誰?

曹丕 曹植

卞夫人は、曹丕(そうひ)・曹彰(そうしょう)・曹植(そうしょく)・

曹熊(そうゆう)という曹操の息子達を産みますが

その中で曹丕は、曹操の跡を継いで初代皇帝魏の文帝に即位します。

 

ここに、卞夫人は皇帝の母という皇太后の地位に昇る事になります。

 

 

卞夫人は実の息子の曹丕に対して良い評価をしていない

正妃 卞夫人

 

しかし、実子である曹丕を卞夫人は、あまり評価していなかったようです。

 

それというのも、曹丕は曹操と違い、余りにも、女性に対する寵愛が

冷めるのが早く、そればかりか邪魔になった妃を讒言を信じて

殺してしまったりしたからでした。

 

 

曹丕が病で倒れた時の出来事

 

ある時、曹丕が重い病に罹った事を知った卞皇太后は、

宮殿にお見舞いにいきますが、そこで曹丕が父曹操の

側室達を全て、自分の側室として宮殿に置いている事を知ります。

 

「なんという恥知らずな事を、、あなたが食べ残したモノは、

鼠や狗でさえ見向きもしないでしょう」

 

間もなく曹丕は死去しますが、卞皇太后は墓に出向いても、

哭礼(こくれい)(嘆き悲しんで死を悼む儀式)をしなかったそうです。

 

自分の息子であっても、特別扱いはしなかった卞皇太后は、

曹丕の死後も生き続け、二代皇帝、曹叡の時代の西暦230年、

70年の人生の幕を閉じました。

 

 

 

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よりぶりんでした。

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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