三国志平話
三顧の礼




はじめての三国志

menu

三国志の雑学

【火鼠の皮衣】曹丕、とんだ赤っ恥!燃えない布などあり得ない(キリッ!

この記事の所要時間: 256




曹丕

 

魏の初代皇帝・曹丕(そうひ)は3世紀の人間としては、とんでもない博識な人物でした。

そんな彼は合理主義者の曹操(そうそう)の息子らしく、別に頼まれてもいないのに、

世にはびこる様々な迷信を攻撃して打破しようと自著、典論で色々書いています。

しかし、その中には、思わず赤面するような大失敗も混ざっていたのです。




竹取物語にも登場する火鼠の皮衣

竹取物語 f

 

さて、昔話でもお馴染みの、かぐや姫が登場する竹取物語には、

かぐや姫に求婚する五人の貴族を退ける為に、かぐや姫が、

あり得ない宝物を要求して、五人を諦めさせようというシーンがあります。

 

それは、仏の御石の鉢、蓬莱(ほうらい)の玉の枝、龍の首の玉、

燕の子安貝、そして、決して燃えない火鼠(ひねずみ)の皮衣でした。

五人の貴族は、ずるをしたり、本気で探したりしますが、

いずれも手に入れる事は出来ず悉く求婚は失敗します。

 

この中の火鼠の皮衣が、曹丕が胡散臭いと考えたアイテムでした。




周の時代から献上された記録がある火鼠の皮衣

火浣之布

 

この火鼠の皮衣は、中国では火浣之布(かかんのふ)と呼ばれ、

周の穆王(ぼくおう)の時代に、大いに遠征で領土を広げた時代に、

周辺部族から献上されたものの中に入っていた珍宝でした。

 

それは真っ白な布ですが、火に投げ込んでも焼けるどころか

焦げる事すらなく、汚れだけが落ちると言われていて、

火で汚れを落とす布とも言われていました。

 

漢の時代にも、火浣之布が献上されていますが、

曹丕の時代までは伝わらず、それゆえに伝説の類だと思われていたのです。

(写真引用元:傳唱千年的怪談:歷史中的火布

 

曹丕、大いに語る 火浣之布なんか存在しねーよ!

曹丕

 

そこで曹丕は、火浣之布を存在しないものとして典略で断定します。

 

曹丕「大体、火というものは全てを焼き尽くす性質のものではないか?

それを、たかだか布であるのに燃えないなどとは胡散臭い話だ。

きっと、これは作り話で存在しないに違いない」

 

曹丕は、このようにばっさりと火浣之布を否定しています。

合理主義者の曹丕の本領全開という所ですが、しかし、

その後、とんでもない事が起きてしまいます。

 

曹丕、赤面! 火浣之布が献上されちゃった!!

仙人を演じる少年

 

ところが、道教の経典である抱朴子(ほうばくし)の「論仙」には、

この後に曹丕の宮廷に、周辺国から火浣之布が献上された事が記されています。

曹丕は否定した手前、容易には火浣之布を信じず実際に火をつけて

燃やしてみた事でしょう。

 

しかし、布は焼ける事も焦げる事さえなく、

しっかり白いままで残っていました。

 

は・は・は、はずかちーーーー!!

 

曹丕が自信満々に無いと断じた火浣之布は、存在していたのです。

 

事実を知った曹丕はどうした?

曹丕

 

火浣之布が実在する事を知った曹丕は、

恥ずかしいやら情けないやら溜息をついてしまいます。

そして大急ぎで、太学の庭に打ち立てた石碑から、

「火浣之布は無い」と断言した部分を削ってしまったそうです。

 

典論は、現在では、その内容が殆ど失われていますが、

版を重ねる段階では、問題部分も削除したかも知れません。

曹丕としては、自信満々で書いた典論に早々にケチがついてしまった形です。

 

まあ、石碑から削ってしまったという事は、

曹丕は自説の誤りを認めたという事ですね。

 

関連記事:曹丕の残忍さがよく分かる曹丕の妻、甄氏の悲劇

関連記事:実は冷血を演じたツンデレ曹丕、その理由とは?

関連記事:そうだったのか!?曹丕はスイーツ男子。詩にスイーツの想いを込めちゃったよ!

 

三国志ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

この火浣之布は、現在では、石綿(いしわた)の事であると言われています。

これはアスベストの事で、見た目は布に見えても鉱物なので

一定の温度までは形が変わる事がありません。

 

しかし当時の中国では、産出しない物質だったので、

さすがの曹丕にも、その存在が信じられなかったという事でしょう。

この話は、世界は広く、自分が常識だと思い込んでいる事でも、

時には通用しない事があるんだよという教訓が込められています。

 

曹丕に限らず、頭でっかちになりがちな現代人にも、

しっかり通用する話なのではないでしょうか?

 

本日も三国志の話題をご馳走様・・

 

関連記事:魏の初代皇帝・曹丕はいったいどんな仕事をしていたの?

関連記事:曹丕はどうやって後継者争いに勝ち残って魏の初代皇帝になれたの?

関連記事:意外!実は剣術家だった曹丕の自叙伝が凄い

 




よく読まれている記事

曹操01

 

よく読まれている記事:曹操を好きになってはいけない6つの理由

 

朝まで三国志

 

よく読まれている記事:朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ(笑) 第1部

kawauso 投壺

 

関連記事:三国時代の娯楽にはどのようなものがあったの?タイムスリップして当時の人に取材してみた

 

袁紹 曹操

 

よく読まれてる記事:【三国志if】もし袁紹が官渡の戦いで曹操に勝ってたらどうなってたの?

 

この記事を書いた人:kawauso

kawauso

■自己紹介:

どうも、kawausoでーす、好きな食べ物はサーモンです。
歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。

もちろん、食べるのはサーモンです。

関連記事

  1. 【三顧の礼】諸葛亮の天下三分の計「隆中対」を読む
  2. 経営者こそ『論語』を学ぶべき!その理由とは…?
  3. 朝まで三国志2017 三国志の最強軍師は誰だ! 第16部
  4. 【シミルボン】1800年前の三国志時代はご馳走が現代居酒屋風だっ…
  5. 西郷隆盛像が上野恩賜公園に設置されている理由とアクセス(行き方)…
  6. 知っていたら自慢できる!正史三国志に足りない部分とは?
  7. 【後漢のゴーマニスト】実証主義を貫いた王充(おうじゅう
  8. 曹操、思い出したくないあの場面を知育パズルにされる(華容道)

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 盧毓(ろいく)とはどんな人?魏の逃亡兵を規制する法律に「待った」をかけた政治家
  2. 公孫瓚の易京城はどんな城?
  3. 【新サービス】はじめての三国志メモリーズを始めました
  4. 【大三国志 攻略4】Lv6の土地の頑強な反撃に遭い、2度も壊滅!攻略なるのか!?
  5. 郝萌(かくぼう)と曹性(そうせい)はどんな人?呂布の配下で猛威を振るった八健将
  6. キングダム 533話 ネタバレ予想:李牧が雁門で編み出した戦法

三國志雑学

“はじめての三国志150万PV" はじめての三国志コミュニティ総合トピック
“広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

kawauso編集長のぼやきVol.24「楽天」 【転職で悩んだら】転職の不安は呂布マインドで吹き飛ばせ! 【第1話】戦え!于禁文則ん「鮑信との出会い」 同じくらいの力量の武将や軍師を三国間でトレードしたらどうなる? 刎頚の交わりを結んだのに・・・張耳と陳余の数奇な運命 能力か血統か?司馬炎VS賈充VS杜預、三つ巴お家騒動 伏皇后問題が荀彧の死の原因か!我が子房・荀彧の死因に迫る! 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース18記事【5/30〜6/5】

おすすめ記事

  1. 左慈(さじ)の秒速デリバリー!三国志も鮮度が命
  2. 唐周(とうしゅう)とはどんな人?張角の野望を砕いた元信者
  3. 献帝(けんてい)とはどんな人?後漢のラストエンペラーの青年期
  4. 孫静(そんせい)とはどんな人?兄貴、孫堅とはゼッコーモン!ひたすら故郷を守った孫一族
  5. 【ドラゴンブレイド番外】古代ローマ版曹操?カエサルの生涯が凄すぎる
  6. 漢の飛将軍・李広の逸話「信念をもって行えばやれないことはない」
  7. もう誰も信じられない?実は袁術と絶交していなかった孫策!
  8. 【第2回 幻想少女】我が陣営のエース・関羽雲長を紹介します!

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“水滸伝"
PAGE TOP