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執筆者:黒田廉

【曹操が慕った偉大な王様】天下の三分の二を所有するも王へ登らなかった周の文王ってどんな人?




曹操

 

三国志の英雄である曹操(そうそう)

彼は中華の半分以上を領有しますが、

漢王朝を滅ぼして自ら帝の位に就任することはありませんでした。

彼が皇帝にならなかった理由は古代中国に存在した一人の王を慕っていたからです。

曹操が慕っていた王の名を西伯昌(せいはくしょう)といいます。

後に周王朝が成立すると文王と呼ばれることになる人物です。

今回はこの周の文王である西伯昌についてご紹介したいと思います。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:よくわかる!周の成立から滅亡をざっくり分かりやすく紐解く




父の跡を継いだ人望溢れる人物

文王 (周) wiki

(文王 (周) wikipedia

 

姫昌(きしょう)は父・季歴(きれき)の跡を継いで部族を統率していきます。

孔子(こうし)は彼を聖王として讃えておりますが、

その聖王ぶりを見せて多くの人々から好かれて行きます。

姫昌は幼少の者たちを慈しみ老人を敬いっていました。

また賢者と言われた人達と会う時は食事をする時間を削ってまで会って多くの人と会い、

色々な話を聞きます。

彼のこのような行いを知った人々が多く集まってきます。

しかし彼の人気ぶりにヤキモチを焼いていた人がおりました。




恐ろしい話を耳にしため息をつく

紂王 wiki

(紂王 wikipedia

 

 

姫昌が生きていた時代は殷の時代です。

この時の殷王朝のトップは後世「酒池肉林」の四文字熟語を成立するきっかけとなった

紂王(ちゅうおう)でした。

彼はある日殷王朝の会議が開かれると聞き、

この会議に出席するため紂王がいる宮殿へ向かいます。

姫昌が到着したときはまだ会議が始まっておらず、

諸侯がだべって盛り上がっておりました。

彼はこの話が気になり耳をそばだてていると恐ろしい話が姫昌の耳に入っていきます。

諸侯が話していた内容は「この間九侯と卾侯(がくこう)が紂王様の命令によって、

切り刻まれて処刑されたそうな。我らもいつ紂王様に目をつけられるかわからないから、

気をつけないといけないな」と話しておりました。

この話を聞いて姫昌は大きくため息を付きます。

すると一人の男が諸侯がだべっている部屋から抜け出していきます。

 

紂王に幽閉されてしまう

 

諸侯が九侯と卾侯の惨殺事件の話をしているとき姫昌がため息をついた場面にいた

崇侯虎(すうこうこ)と呼ばれる人物は急いで、紂王の元へ向かいます。

彼は以前から姫昌の以上に高い人気ぶりにヤキモチを焼いており、

チャンスがあれば彼を陥れてやろうと考えておりました。

その機会を掴んだ彼は紂王がいる部屋へ到着するとすぐに会見を申込みます。

紂王は気だるげに応じ「なんのようだ」と大声で訪ねます。

すると崇侯虎は「先ほど姫昌が紂王様の政策に反対するようにため息をついている様子を

伺いました。

また彼は非常に人気を民衆や部族から集めており、

いつ殷王朝に反旗を翻すかわかりません。

早急に彼を罰したほうがいいのではないのでしょうか」と悪口を紂王に吹き込みます。

紂王はこの話を聞いておおいに怒り姫昌を呼び

「貴様。わしのやることに反対しているそうだな。

ならば殷の政権に参加できないように貴様を羑里(ゆうり)へ閉じ込めてやる」と命じます。

姫昌は何がなんだかわからないまま紂王の命令を受けて殷王朝の南にあるへ羑里に

向かいます。

この地で幽閉されることになった姫昌ですが、

やることもなくものすごく暇であったので周易と言われる書物を書いて時間を潰しておりました。

 

民衆や諸侯に助けてもらう

photo credit: Sky Fire via photopin (license)

photo credit: Sky Fire via photopin (license)

 

姫昌(きしょう)は幽閉されている間に外では彼を慕っている民衆や諸侯らが紂王(ちゅうおう)に

貢ぎ物を送り続けます。

そして貢ぎ物を送る際に必ず「姫昌は役に立つ人物です。

ここで殺してしまってはもったいないでしょう」と一言付け加えるのを忘れませんでした、

こうして貢物作戦が効を奏し紂王は彼の幽閉生活を終わりにさせます。

さらに彼を西方にある領地を与えて、「西伯」と名乗らせます。

こうしてこうして彼は西伯昌と呼ばれる事が多くなっていきます。

 

妲己の大好きな炮烙の刑をやめさせる

炎 s

 

姫昌は西方の領主として出世するとまず紂王の側室である妲己(だっき)が好んで行っていた

炮烙の刑(ほうらくのけい)をやめさせるために動き始めます。

炮烙の刑はまず焚き火を盛大に焚かせた炎の上に銅製の丸太をかけます。

この銅製の丸太の上に油をまんべんなく塗りたくって囚人が、

この銅製丸太を渡りきることができたら釈放。

もし渡りきることができずに滑り落ちればそのまま炎に焼かれて死ぬという残忍な刑罰でした。

妲己は囚人達の緊張に満ち溢れた表情を見るのが好きでよくこの刑を施行していたそうですが、

姫昌はこの刑罰が残忍極まりない刑罰であることから、

自らの領地を与えてこの刑罰を廃止させます。

ついでにこの銅製丸太を渡りきっても、

再度戻ってこないといけないのでほとんどの人が焼け死ぬというとんでもない刑罰でした。

 

調停者としても活躍

photo credit: DSCF1368 via photopin (license)

photo credit: DSCF1368 via photopin (license)

 

姫昌の人徳の高さによって多くの人々が彼を慕い彼の領地へ押しかけてきます。

また彼の徳の高さを頼みにしていた諸侯も多く、

揉め事が近隣の国と起きるとすぐに姫昌にお願いして調停にしてもらっていました。

そんな中、虞国(ぐこく)の君主と芮国(ぜいこく)の君主が揃って彼の元へやってきます。

彼ら二人は姫昌が統治している周国を通って来たのですが、

この国では民衆が争っている姿を見かけることがなくしっかりと統治されており、

民衆達は道を譲り合っている有様を目にします。

この光景を見た虞国の君主と芮国の君主は姫昌の元へたどり着くと

「今回我らふたりの争いごとを調停してもらおうとやってきたのですが、

周国の民衆を拝見させてもらい我ら二人が争っているの事柄がなんて小さいことなんだと

気づかされました。

民衆がお互いに譲り合うことにしました。」と述べて二人は帰っていきます。

姫昌は唖然としておりましたが、互いが譲り合うことの大切さを二国の君主にわかってもらえた事を

大いに喜び、宴会を催して彼らを帰します。

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