「虎穴に入らずんば虎子を得ず」のことわざを作り出した班超って一体何者?


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21-1_班超

 

前漢の光武帝(こうぶてい)の息子である明帝(めいてい)・章帝(しょうてい)・和帝(わてい)の三代の皇帝に仕えていた軍人・班超(はんちょう)。彼の家系は全て文人を輩出していた家系で彼も青年期までは文の道を志しており、勉学に励んいでいました。しかしあることがきっかけで軍人への道を歩むことになります。また彼は青年期に勉学を学んでいたことがきっかけで、様々な故事を残しており現代人である私達も使ったことがある「虎穴にいらずんば虎子をえず」のことわざを作った人です。


一家全員が文系

筆を握り満足できない班超

 

班超の家は全員文系の家系で、父・班彪(はんひょう)は司馬遷(しばせん)が書いた歴史書である「史記」の注をつけたりした歴史家です。班彪は子供にも恵まれており二男一女を授かります。長男を班固(はんこ)、次男を班超、そして一番下の女の子には班昭(はんしょう)と名をつけて可愛がります。彼らは父が歴史家であることがきっかけで勉学に自主的に励んでいきます。


兄と妹は文学者として歴史に名を残す

陳寿

 

班固は勉強を必死に行い父が病で倒れた後父が編纂していた「史記」の書きかけを完成させ、歴史書として名高い「漢書(かんしょ)」の基本部分を完成させます。その後彼は漢の将軍であった竇憲(とうけん)と共に匈奴と戦い勝利を収め軍人としても優秀な人物でしたが、竇憲が帝位簒奪を企てた事件の巻き添えを受けて処断されてしまいます。そして班超の妹でもある班昭(はんしょう)は、兄が書き残して完成していない漢書の部分を補い完成させております。話が脇道にそれてしまったので元に戻しますね。


兄と共に首都・洛陽へ

洛陽城

 

兄班固は父が亡くなった後、朝廷から招聘されて官職に就くことになります。班超は母、妹と共に兄に従って洛陽へ向かいます。兄班固は就職してまだ間もなくあまり収入がなかった為、一家は貧乏な暮らしをしておりました。そこで弟である班超は家計を助けるために役所で公式文章を写すアルバイトを始め、貧乏な一家の家計を助けていきます。


同僚に志を話す

 

班超はこうして毎日役所へ行って公式文章を写すアルバイトに精を出して、家計を助けておりました。しかしある休憩時間の時に彼は同僚と一緒に昼飯を食べていたのですが、この席でため息交じりに「俺は筆を持って一生を終えたくない。」と同僚達に言います。すると同僚は「じゃ何になりたいんだ。」と聞くと彼は「俺は西域を見聞して武帝にその功績を認められた張騫(ちょうけん)のような人物になりたい」と答えます。同僚達は笑って「今の生活じゃ無理だろうな。まぁ夢は大きく持ったほうがいいけどな」と笑いながら彼の志を聞き流します。すると班超は彼らの笑い声を聞くと「ヘラヘラ笑っているお前らなんかに俺の志が分かってたまるか。」と激怒して仕事に戻るのでした。

 

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占い師の元へ

趙達

 

班超は自分の志が笑われた事に怒りを覚え、仕事が終わった後もその怒りは収まらなかったため、人相見の元へ向かいます。人相見は彼を占うと彼に対して「君はまだただの書生だが、これから列侯になるだろう」と言われます。彼は自分の志と同じことを言った人相見の占いが非常に嬉しく、危うく大声を出しそうになるのですが、一応理由を訪ねます。すると人相見は「君の人相は燕のようなアゴと虎のような頭をしている。この人相は燕のように鋭く万里の彼方に飛んで異国に着地すると、虎が餌に食いつくような鋭さで獲物に食らいつき列侯となるのだ。」と人相見から言われます。人相については自分ではよくわかりませんでしたが、自分の志と同じことを占い師から言われたことで自分に自信が付きます。

 

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匈奴討伐軍に参軍

光武帝劉秀part1 04 劉秀

 

光武帝・劉秀(りゅうしゅう)の息子である明帝は漢の北に割拠している匈奴(きょうど)を討伐するため出陣させます。この匈奴討伐軍の大将は竇固(とうこ)と呼ばれる武将で、彼の部下として班超(はんちょう)は参戦することになります。彼は竇固と共に匈奴が駐屯している土地を攻撃した時に、多数の匈奴軍の兵士を倒した軍功が認められられて西域にある国である鄯善(ぜんぜん=前漢時代は桜蘭(ろうらん)に向かう正使の役職を命じられます。班超は夢にまで見た西域への使者となれたことを非常に喜び、意気揚々と西域へとと向かうことになります。

 

西域の国から大いにもてなしを受ける

 

鄯善国の王は班超達がやってくると彼らを歓待。連日連夜の大宴が催され班超らもすっかりこの国をいい国だと思い込みます。しかし数日が経つとこの国の雰囲気が変わります。以前は連日連夜の大宴会が催されていたのですが、それもすっかりなくなり鄯善王や臣下らの態度もそっけなくなります。このような態度を見ていた班超はある予測を立てます。

 

漢と匈奴どちらに味方したらよいか迷っている

 

彼は「奴らもしかしたら匈奴の使者が入ってきたことで匈奴か漢かどちらに味方しようか迷っているため、あのようなそっけない態度を取っているのではないのか」と自らの予想を立てます。この予想があたっているか確かめるために以前接待をしてくれていた者を呼びつけてかまをかけます。班超は接待役に「そういえば匈奴の使者が来て幾日か経っているが、彼らはその後どうしているのだい。」と訪ねます。すると接待役は今まで宮殿で起きたことを洗いざらい班超に語ります。班超は自らが立てた予想が当たっていた事を知り、この状況を打開するためにすぐに行動に移します。

 

同僚達を鼓舞する

 

まず接待役を部屋に閉じ込めた後部下達を呼んで宴会を始めます。宴もたけなわになった頃突然部下を見渡して、

 

「お前らは西域に何をしに来たのだ。褒美をたんまりともらっていい暮らしをするためであろう。しかし現状我らの待遇が悪くなっている。その原因はこの国に匈奴の使者がやってきているためだ。もしこの国の王が匈奴へ味方すると表明した場合、我らは捕まり匈奴へ送られることになるであろう。こうならないようにするにはどうすればよいと思う」と部下達に意見を求めます。

 

すると部下達は

「我らは皆どのようにすれば良いのかわかりません。そこであなた様の意見に従い行動しようと考えております。」と述べます。この言葉を聞いた班超は大いに頷き、彼らに自らが考えていた策を明示します。

 

作戦名「虎穴に入らずんば虎子を得ず」

火を放つ班超

 

班超は部下達に「この現状を打開するには方法は一つしかない。それは夜中匈奴の使者達に攻撃を仕掛けて、彼らを全員仕留めることだ。そうすれば王は大いに驚きと恐怖とで凍りつくことになり、必然的に我ら漢に味方せざるを得ないであろう。作戦名は名づけて『虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにいらずんばこじをえず)』だ。」と述べます。

 

この作戦を聞いた部下達は大いに頷き「いつ決行するのですか」と訪ねます。すると彼は「今でしょう」と答え全員に装備をつけさせた後、オペレーション「虎穴に入らずんば虎子を得ず」を実行に移します。

 

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