【武帝の欲望】あの馬が欲しい!汗血馬を手に入れる為に・・・・

2017年1月7日


 

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武帝は前漢の第7代皇帝

 

前漢の武帝は匈奴を滅ぼすために西の国の月氏と同盟しようと考え、

張騫(ちょうけん)を使節団の長に任命して派遣します。

そして13年後、彼の元に張騫が帰国。

彼は張騫から月氏との同盟が失敗に終わったことを聞き、落胆してしまいます。

しかし張騫からもたらされた西の国の情報を聞いて大いに興奮します。

その中でも一番気になった情報は汗血馬と言われる一日千里を走ると言われている馬の

情報でした。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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汗血馬欲しい病が再発

赤兎馬

 

武帝は張騫の死後も西へ頻繁に使者を出しておりました。

頻繁に使者を西へ送り出すことによって西の国がどのような所で、どういった場所にあるのかを

調査するためです。

こうして得た情報を元に武帝は西の国がどのような文化を持ち、

どういった物産を有しているのかを知り得ることになります。

そんな中、ある使者が武帝の元に「大苑の国には汗血馬が何頭も保有されているそうです。

その場所は弐師城(にしじょう)と言われるところで飼育しているそうです。」と

情報をもたらしてきます。

武帝は張騫から汗血馬と言うものがどのような馬であったのかを知っており、

その時にすごく欲しくなりましたが、手に入らないため諦めておりました。

しかし大苑に汗血馬が大量にいることを知ると再び汗血馬欲しい病が発病してしまうのです。

 



大苑に汗血馬を譲ってくれとお願いするが・・・・

赤兎馬と武霊王

 

武帝は汗血馬欲しさのあまり再び大苑へ使者を派遣することを決めます。

そして使者の長へ「大苑の王へ汗血馬を譲ってくれるようにお願いして来い」と命令。

大苑の王へ送る贈り物は大量になり、中には黄金づくりの馬も入っておりました。

こうして使者は大苑に到着すると大苑の大臣に

「この贈り物をお収めください。

そしてお願いがあるのですが、大苑が保有している汗血馬を漢へ譲ってはくれないでしょうか。」と

お願いします。

すると大苑の大臣は「いや。漢からいっぱいもらっているし、欲しいものないから譲れない」と

却下します。

この返答を聞いた使者は激怒し、「ふざけんな。散々宝物をあげたのに馬すら譲ってくれないのか、

このケチめ」と言って黄金の馬を壁へ打ち付け粉々に打ち砕いて、大苑を出ます。

漢の使者の無礼を怒った大苑の大臣は漢の使者が帰り道に伏兵をおいて彼らを攻撃。

そして漢の使者が持っていた宝物をかっぱらってしまいます。

 

汗血馬を奪ってやる

李広利

 

武帝は大苑の国が漢の使者を襲ったことを聞くと激怒。

そして弐師城で飼育されている汗血馬を奪うために軍を出動させることを決めます。

武帝はこの遠征軍の総大将に側室の李氏の一族である李広利(りこうり)を任命します。

李広利は遠征軍の総大将に任命されると張り切って遠征軍を率いて出撃。

この時李広利が率いていた人数は数万人でした。

 

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遠征は大失敗

 

李広利は大苑に向けて進撃していきますが、食料補給がうまくいきませんでした。

その原因は飢饉にあります。

当時西では飢饉によって食料が欠乏している有様で、どの国も漢の軍勢に食料を提供できる

状態ではありませんでした。

そのため、漢の軍勢が来ると城門を閉めて過ぎ去るといった状態の国が数多くありました。

李広利は食料提供を拒んだ城へ猛攻をかけますが、小国の城すら落とせない有様でした。

こうした状況に李広利は焦り始め、食料がなくなる前に大苑の中都市である郁成という都市へ

攻撃を仕掛けます。

だがこの郁成の城は漢の攻撃に耐え抜くだけではなく、大反撃を行い漢軍を打ち払います。

李広利はこうして敗退し率いていた軍勢は飢饉と郁成の敗北によって一割も残らない状態でした。

 

前漢ライター黒田廉の独り言

黒田廉

 

さて李広利はその後どうしたのでしょうか。

彼は残った数千の兵を率いて漢に退却し、

武帝に「大苑の地は飢饉が続いており、我が軍は食料補給が間に合いません。

さらに大苑の国は引きている兵だけではとても勝ち目がない状態です。

そこで我らは相談して、一度兵を引くことにしました。

兵を引いて休憩を兵たちに取らせてからではないと勝ち目がないと思ったからです。

そして陛下に兵の増援してもらい大軍で一気に大苑を攻略したいと考えております。」と

お願いします。

武帝はこのお願いを聞き入れて、李広利に増援軍を派遣することにします。

 

汗血馬を手に入れる李広利

 

さて李広利は増援を受けてから一体どうしたのでしょうか。

この続きをお楽しみに。

「今回の前漢のお話はこれでおしまいにゃ。

次回の武帝の欲望のお話を楽しみにしててにゃ。

それじゃあまたにゃ~」

 

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はじめての漢王朝

 

 

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