よかミカンの三国志入門




はじめての三国志

menu

執筆者:黒田廉

新制度導入はこんなに大変!胡服騎射を導入するために苦労を重ねた武霊王

この記事の所要時間: 326




 

古代中国は春秋時代を終えてから戦国時代に突入することなります。

戦国時代で「胡服騎射」を列国の軍隊よりも強い軍隊を作ることに成功した武霊王。

しかしこの胡服騎射の制度を導入するために彼は、

非常に苦労をしていたことを知っていたでしょうか。

今回は新制度「胡服騎射」を導入するために、武霊王はどのような苦労を重ねたのでしょうか。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:無敵の騎馬軍団を初めて軍に取り入れた趙の武霊王




胡服騎射導入を決意

 

武霊王は趙の国の王様で、この国の北方には強力な騎馬隊を有している異民族がおりました。

彼ら異民族の強さを真似して中国国内の列国よりも強い軍隊を有するために、

異民族が馬に乗って弓を放つ騎射を導入しようと考えます。

また馬に乗って弓を射る際に、従来の裾の長い服を着ていては弓をいるのに邪魔になる為、

異民族が来ている胡服(ズボンみたいなもの)を着用することを決意。

武霊王は胡服と騎射の術を自ら学んで、部下達にも同じことをさせようとします。

しかし武霊王の側近である肥義(ひぎ)と楼緩(ろうかん)は武霊王の意見に賛成してくれますが、

そのほかの部下や公族達は皆武霊王が胡服騎射を導入することに大反対します。

武霊王は自分ひとりで胡服騎射を行ってもなんの意味もないため、

公族の筆頭で自分の叔父である公子成を説得しようと試みます。




公子成は胡服騎射に大反対

 

武霊王の叔父である公子成は、胡服騎射に反対している勢力の筆頭でした。

武霊王は彼を説得するため、側近を送り込みますが反対されてしまい説得に失敗。

そこで彼は自ら公子成の自宅へ行き、膝を突き合わせて説得にかかります。

 

武霊王の弁論

 

武霊王は公子成に「制度というのはその場の環境などに、

適応した制度を導入していかなければなりません。趙は東に黄河などの川が流れており、

斉と中山国二つ国と境を接しております。彼らが攻め込んできた時に迎撃するための船が

趙には現在備わっていません。

また北は燕・異民族と境を接していながら騎馬隊を持っていないため敵軍に備えなければ、

敵軍が攻め込んでまいりましょう。

さらに西には秦・韓の両国と境を接しており、これらの国々に対して我が国は弓矢を大量に

有していないため、防備に不備があることでしょう。

これらを鑑みて、斉・中山国の攻撃を防ぐには船を備えなければならず、秦・韓の攻撃を

防ぐためには城壁から矢を射って防戦しなければならないため、弓矢の備えが必要です。

同じく燕や異民族の攻撃から趙を守るためには彼らと同じく騎馬隊を編成しなかれば、

彼らの軍勢に勝利することは難しいでしょう。

そのためにも胡服騎射を趙軍の中に導入して行かなければならないのです。」と

説得を行います・

 

反対していた公子成が武霊王の言葉に納得

 

公子成は武霊王の言葉を聞いて、反論しようとしましたが彼の言葉は理にかなっており、

反論しようと試みますが、行うことはできませんでした。

そして彼は武霊王に頭を下げて「王がそこまでかんがえて胡服騎射を導入しようとしているとは

知りませんでした。

私も王とともに胡服を着て王宮に参内したいと思います。」と自らの非を認めて、

胡服を切ることに賛同することにします。

こうして武霊王は公子成を説得することに成功します。

そして彼の胡服騎射政策に反対する重臣達を次に説得するため、

彼らを王宮に呼びつけます。

 

重臣達を説得

 

武霊王は胡服着用に反対している重臣達を集めます。

彼らは武霊王と会見すると「王よ。どうして胡服などを着るのですか。

従来通りの方法で行っていけば間違えなどを起こすことはないでしょう。」と反対意見を述べます。

この意見を聞いた武霊王は「お前らは先例というがどの時代の先例を指して言っているのだ。

先例に従っていては諸侯と熾烈な戦いには生き抜いていくことなど出来はしない。

新しいことをやって諸侯を出し抜いて行かなければ、

趙国は燕や秦、異民族の攻撃を受けて滅びてしまうであろう。

我の考えを公子成に説明したら彼は自らの非を認めて、胡服を着用することに賛成したぞ。

お前らもこれから胡服を着て生活するように」と自らの意見と命令を伝えます。

この言葉を聞いた重臣達は胡服騎射の反対勢力筆頭であった公子成が

胡服を着ることに賛成したことを知って驚きます。

彼が胡服を着るのであればこれ以上反対して、

王の逆鱗に触れることよりも胡服を着ることのほうがいいであろうと判断し、

武霊王の意見に賛成の意を表して、胡服着用をしていくことになります。

 

春秋戦国ライター黒田レンの独り言

 

武霊王は胡服騎射導入の為に反対勢力に対して、

自らの意見をしっかりと聞かせてからこの新しい制度を導入します。

この結果趙国は戦国七雄の中でも屈指の強国へ成長することなり、

他国を圧倒していきます。

しかし彼は自らの後継者問題が原因で亡くなってしまいます。

その後この制度は中華全土に広まっていくことになるのです。

「本日の春秋戦国時代のお話はこれでおしまいにゃ。

次回もまたはじめての三国志でお会いしましょう。

それじゃあまたにゃ~」

 

 

■記事の内容に関するお問い合わせ(誤植等のご報告など)はこちら

キングダムファン向け:キングダムに関する全記事一覧

関連記事:【春秋戦国時代の偉人】武霊王はなぜ胡服騎射を導入したの?

関連記事:赤兎馬(せきとば)が活躍できたのは武霊王のおかげ

 

 

—熱き『キングダム』の原点がココに—

春秋戦国時代バナー




黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

投稿者の記事一覧

横山三国志を読んだことがきっかけで三国志が好きになりました。
その後の日本史・中国史を学びました。
またいろいろな歴史小説を読んでおります。
現在はまっている歴史小説は宮城谷昌光氏の劉邦です。

歴史人物:

張遼、孟嘗君、張作霖など

何か一言:

今年も頑張ってはじさん盛り上げていくにゃー!!

関連記事

  1. 王基(おうき)ってどんな人?軍事・政治で非凡な能力を見せた魏の武…
  2. 孫呉の二代目丞相・顧雍に迫る!正史三国志・呉書からみた丞相の実績…
  3. 李広(りこう)とはどんな人?「飛将軍」と呼ばれた男は李信の子孫で…
  4. 曹操孟徳と織田信長の共通点!あなたはいくつ当てはまる?
  5. 朱桓(しゅかん)ってどんな人?貴族出身なのに下の者には優しく記憶…
  6. 董和(とうか)とはどんな人?孔明に認められた蜀の貴重な人材
  7. 顧雍(こよう)とはどんな人?孫権から絶大な信頼を得ていた呉の二代…
  8. 【キングダム ネタバレ予想 529話】遼陽城に巣くう連中の正体と…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 藺相如(りんしょうじょ)とはどんな人?三大天の一人!趙の名宰相であり廉頗のかけがえのない親友(1/3)
  2. これはキツイ!健康が回復するかで刑罰が決まる保辜(ほこ)
  3. 西郷どんのチェストの意味は?西郷隆盛と示現流のチェスト関係性を分かりやすく解説
  4. 曹操が呟いた「鶏肋(けいろく)」って何?楊修とばっちり
  5. 蜀と孔明を最大限称えよ!三国志演義
  6. 淳于瓊(じゅんうけい)はどんな人?実は無能ではなかった袁紹軍の都督

三國志雑学

“はじめての三国志150万PV" “広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

「篤姫」経済効果はどの位?町おこしのヒントが満載 村上義清(むらかみよしきよ)とはどんな人?武田家キラーとしてその名を馳せた戦国武将 朝まで三国志2017 三国志の最強軍師は誰だ! 第8部 袁術が天下を獲るためにみんなで考えよう【第3回】 袁術が天下を統一するためにみんなで考えよう【第2回】 三国志をテーマとした美少女簡単ストラテジーRPG『三国志炎舞~王様の物語~』8月25日より配信をスタート 三国時代の黄夫人(黄月英)とは、実際にいた人? 戦術マニア必見!兵馬俑の戦車で2200年前の戦略がわかる!

おすすめ記事

  1. 107話:関羽の死|桃園三兄弟の悲しい別れ
  2. 若い頃の劉備はチャラすぎ!劉備略年譜
  3. 【センゴク】想定外!織田信長を討った明智光秀の誤算ってなに?
  4. 【第1回 幻想少女】衝撃の三国志が誕生!これぞ三国志革命だ!!
  5. 近藤勇の刀「長曽弥虎徹」は実在する? 新選組局長の愛した名刀とは?
  6. 興収10億円突破!映画『関ヶ原』岡田准一の見どころと辛口批評するよ!
  7. 上杉謙信と関羽はどちらが強いの?日中の軍神対決【if三国志】
  8. 三国志の結婚事情、不公平?女は早く嫁がないと罰金があった

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“邪馬台国"
PAGE TOP