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関羽はどうして神格化されてメジャーになったの?三国志で唯一、神になった武将

この記事の所要時間: 240




 

横浜中華街には関羽を祀った「関帝廟」なるものがあります。

中華街の観光スポットにひとつです。他にも神戸の中華街にある関帝廟も有名です。

基本的には華僑居住地にはこの関帝廟はあるのです。

道教ではそれだけメジャーな神様といえます。「協天大帝関聖帝君」と称されています。

果たして「斉天大聖孫悟空」とどちらが強いのでしょうか。

ちなみに仏教でも神格化されていて「関帝菩薩」と呼ぶそうです。

今回は関羽の神格化にもっと深く迫りたいと思います。

 

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関連記事:民話の中の三国志がカオスな件!関羽が作者羅漢中にブチ切れる




怨霊信仰

 

日本独自の文化だと思っていた怨霊信仰。

有名どころでいくと日本の菅原道真は太宰府に左遷されて、恨みを残して死ぬのですが、

その後に天変地異が起こり、貴族や民衆は畏れて祟り神として祀ったというものです。

力のあるものならば怨霊でも味方につけようとするあたりはなかなかの図々しさですね。

それが今ではすっかり学問の神様になっています。

どうやら中華にもあったようです。

関羽もその死後、呂蒙が怨霊によって呪い殺されたとか、

曹操も同様に死んだとか、かなり畏れられたようです。

関羽の生前の勇猛さ、忠義の姿勢はまさに神ってましたから、神格化されて然るべきです。

おそらくは、生前と死後のどちらの姿も加味されて神格化されたのかもしれません。




関羽の民間伝説

 

関羽には「水」に係わる伝承が多く伝わっています。

ひとつは若い頃、悪代官を誅殺し、逃亡している最中に関所を通らねばならなくなったときの話です。

水中から菩薩が現れ、その助力で関羽の顔が真っ赤になり、

門番に気づかれずに通ることができたというものです。

他にも関羽の誕生日の5月13日(旧歴)には毎年雨が降るそうで、

これは関羽が愛用の青竜偃月刀を磨くためだとされています。

「磨刀雨」と呼ぶそうです。

また、関羽の故郷である解州には中華最大の塩湖「解池」があり、

ここに住む妖怪の蚩尤を関羽が退治したと伝わっています。

こうして関羽は解池の水神として祀られることになります。

ちなみに荊州の益陽には、関羽が渡河して魯粛の陣を攻撃しようとした浅瀬を

「関羽瀬」と呼んでいる場所があります。

 

関連記事:関羽は本当に忠義の士だったの?三国志のタブーに挑む!

関連記事:関羽の死後、その一族はどうなったの?龐会に一族を抹殺される悲運な一族

 

水と関羽の関係

 

確かに関羽は様々な場面で水と係わっています。

曹操が荊州侵攻で南下してきたとき、関羽は荊州の水軍(劉埼の水軍ですが)を率いていました。

劉備の配下で水軍を率いているのは関羽ぐらいなものです。

また曹操の領土である樊城を攻めたときも、援軍である于禁や龐徳らを水攻めで破っています。

水神化される要素はこのときから持っていたのでしょう。

 

現在の信仰

 

では現在は関羽はどのような対象として祀られているのでしょうか。

水難除けや船の守り神、というわけではありません。

「金儲けの神様」です。

え!?って感じですよね。

実はその理由が解州の解湖だそうです。ここは漢の時代から塩を政府の専売にしていました。

政府の委託を受けていた地元の民は経済的に潤い、やがて金融業にも手を広げていきます。

関羽はこの解湖の守り神のような存在として祀られていましたから、

自然とこの山西省の人々に信仰され、

山西省の人々が商売繁盛していくのにつれて「商売の神様」になっていったのでしょう。

ですから現在の華僑の人々は関羽を「商売神」として祀っているのです。

 

関連記事:蜀ファンに衝撃!実は関羽は劉備の部下ではなく群雄(同盟主)だった!?

関連記事:なぜ関羽は神様になったのか?忠義神武霊佑仁勇威顕関聖大帝

 

三国志ライター ろひもと理穂の独り言

 

儒教では関羽は「山西夫子」と呼び、学問の面で崇め、

特に台湾では受験の神様として祀られているそうです。

山西は関羽の故郷の解州のことですね。

後世では関羽の武勇よりも、その故郷の商売の上手さ、賢さに注目が集まったということでしょうか。

果たして関羽はこの扱いを知ったらどう思うのでしょうか。

きっと苦笑いするに違いありません。

 

みなさんはどうお考えですか。

 

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関連記事:これは凄い!巨大な関羽像が荊州に現れる!実は二千年前から巨大像が好きだった中国人

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—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

ろひもと理穂

ろひもと理穂

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三国志は北方謙三先生の作品が一番好きです。

自分でも袁術主役で小説を執筆しています。ぜひこちらも気軽に読んでください!

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