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執筆者:黒田廉

身内以外の意見は聞かない暴れ者・項羽が少年の意見だけは聞いた?

この記事の所要時間: 252




 

西楚覇王・項羽(こうう)

漢の劉邦と天下の覇権を賭けて戦った英雄で、

彼が兵士を率いて負けた戦は数える程しかないでしょう。

戦の天才であった項羽の強さにあやかって孫策も「小覇王」と名乗っております。

戦の天才出会った彼ですが、身内以外の人間の意見をほとんど聞かない人でしたが、

かろうじて軍師であった范増(はんぞう)の意見は聞いていました。

しかし彼がいなくなった後は配下の将軍の意見を聞くことはほとんどなく、

自らの考えで戦や外交を行っておりました。

そんな彼がある少年の言葉を聞いて従ったことがあるですが、

この少年は項羽の身内の者ではありませんでした。

 

関連記事:【項羽との恋愛で起こった悲しい運命】虞美人と虞美人草の悲しいお話

関連記事:漢の400年は、たった8年の激しい戦いから生まれた?三国志の前哨戦、楚漢戦争!




盗賊討伐へ向かう項羽

 

項羽は劉邦がこもっていた成皋城(せいこうじょう)を攻略してこの城に守兵をおいて、

劉邦軍の残りの拠点へ攻撃を行うべく準備を行っておりました。

しかし彼を取り巻く状況は非常に厳しくなっており、

劉邦軍の将軍であった韓信が斉を討伐して平定し、

東側から項羽の勢力にプレッシャーをかけていました。

項羽軍は項羽の本拠地である彭城(ほうじょう)から補給を受けておりましたが、

途中で劉邦軍の遊撃部隊である彭越(ほうえつ)の軍勢が項羽の補給部隊へ攻撃を仕掛け、

補給物資を強奪したり、焼き払ったりして補給物資が滞り始めます。

項羽はこの状況を打開するために猛将である竜且(りゅうしょ)を斉討伐へ出陣させます。

そして項羽は自ら兵を率いて成皋城を出陣して彭越討伐へ向かうことにします。

ついでに彭越は昔、昼は漁業・夜は盗賊として働いておりました。

そのため項羽は彭越のことを盗賊団のかしら程度にしか思っておりませんでした。




盗賊の拠点を次々と落とす

 

項羽は自ら軍勢を率いて彭越の拠点となっている城を次々と陥落させていきます。

だが外黄(がいこう)という拠点を攻撃した時に守備軍から猛烈な反撃を受けてしまいます。

そのためこの拠点を落とすのに数ヶ月かかってしまい、

やっとのことで外黄を陥落することに成功します。

 

自分に逆らったものは生き埋め

 

項羽は自らの拠点が敵に降伏した場合、例外なく場内に住む住民を皆殺しにするか、

もしくは生き埋めにして二度と逆らわないように恐怖をもって治めていました。

そのくせ身内には非常に優しく接している人物でした。

外黄を攻略した項羽はこの城の住民を生き埋めにしようと考えており、

住民を全て生き埋めにするべく穴を兵士達に掘らせます。

 

少年の決死の説得

 

こうして住民を埋める穴を掘り終えた項羽は住民を穴に落とすべく号令をかけようとします。

すると一人の少年が項羽の前へ進み出て意見を述べます。

少年は項羽に対して「大王。私達は彭越軍の攻撃に抵抗できなかったから降伏したのです。

他の土地も外黄と同じような状況でやむを得ず彭越軍に降伏した街がほとんどでしょう。

そのためこの地の住民を全て生き埋めにしてしまえば、

他の街の住民達は大王に降伏することなく必死に抵抗するでしょう。

すると大王の軍勢はひとつの城を陥落させるのに数ヶ月かかってしまいます。

こうして全ての城を攻略し終えた時には漢の大王が勢力を取り戻し、

大王の領土へ攻撃を仕掛けてくると考えます。

そこで私はここの住民を生き埋めにするよりは生き残して、

他の城へこの城の状況を広めさせれば、

彼らは大王と戦う前に城を開けてくれるのではないかと思います。」と

必死に自分の考えを述べます。

項羽はこの少年の言葉を聞いて「もっともだ」と述べ、住民達を全員解放します。

この噂を広めさせた項羽は彭越の領土へ攻撃を仕掛けるべく出陣すると

次々と項羽へ降伏する城が増えていき、

あっという間に彭越の拠点をすべて陥落させることに成功します。

 

戦国史ライター黒田レンの独り言

 

項羽は少年の意見を聞いたおかげで、

外黄の住民を生き埋めにすることなく解放。

この結果スムーズに拠点を攻略することができますが、これはあることを表しています。

それは項羽軍の人材がいないということです。

少年が気づくことができるようなことを項羽の周りにいる人材は進言することができなかったのです。

これでは張良や陳平等の謀略や計略にするぐれていた劉邦軍に勝つことはできないでしょう。

もし范増が項羽の元を去らなければ劉邦軍との戦の行方はわからなかったかもしれませんが・・・・。

 

参考文献 史記 司馬遷著 訳 和田武司・山谷弘之など

 

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:項羽はあれだけ最強だったのに何故、天下を取れなかったのか?

関連記事:【架空戦記】時空を超えた最強対決!人中の鬼人・呂布VS楚の覇王・項羽

 



黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

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横山三国志を読んだことがきっかけで三国志が好きになりました。
その後の日本史・中国史を学びました。
またいろいろな歴史小説を読んでおります。
現在はまっている歴史小説は宮城谷昌光氏の劉邦です。

歴史人物:

張遼、孟嘗君、張作霖など

何か一言:

今年も頑張ってはじさん盛り上げていくにゃー!!

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