左慈(さじ)の秒速デリバリー!三国志も鮮度が命

2017年5月19日


 

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三国志の中で一番エピソードに富んでいる人物・曹操(そうそう)

謀略面や軍事面、政治面、文学面など多彩な顔を持っており、

色々なエピソードを後世に伝えている彼ですが、

今回は曹操のエピソードの中でミステリーとされる

宴会に関するエピソードをご紹介したいと思います。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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許都で大宴会じゃ!!

 

曹操は後漢王朝の皇帝である献帝(けんてい)を許都に迎えることに成功し、

勢力を四方へ拡大していきます。

曹操はまだまだ勢力として二流でしたが、ある日諸将を集めて大宴会を開くことにします。

私財を使ってあらゆるご馳走をかき集めて、長年苦労を共にした諸将を慰労するべく、

張り切って宴会の準備をします。

 



鱸魚だけがない・・・・

 

曹操は宴会の準備を終えると諸将を呼びに使者を走らせることにします。

こうして諸将が許都へ集合し終えると、曹操は「松江(しょうこう)にある鱸魚以外はこの宴会の

テーブルの上に準備してある。皆長年の疲れをこの宴会で癒してもらいたいと思う」と

開会の言葉を述べます。

さて松江とは現在の上海地方で、そこで取れる鱸魚以外の酒のおつまみは全部揃ってるぞと

諸将を前に自慢する言葉を開会の言葉としている曹操らしい逸話です。

だがこの開会の言葉を述べた後に一人の人物が「殿。松江の鱸魚を私が釣ってきましょう」と

名乗りをあげます。

この人物こそ遁甲天書(とんこうてんしょ)を手に入れて方術を自在に操ることになった左慈(さじ)です。

彼は釣竿を一本もって許都近辺に流れている河へ行き、釣竿を垂らすこと数十分。

なんと鱸魚をバシっと釣ってしまいます。

すると曹操は「左慈。一匹では皆に行き渡らないため、もう一匹とってくれないか」とお願いします。

左慈は「お安い御用です」と述べて釣竿を垂らすとすぐにもう一匹ゲットしてしまいます。

こうして曹操が開いた宴会に鱸魚が備わることになります。

 

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蜀の生姜も欲しいな~

 

曹操は鱸魚を釣り上げた左慈を褒めたたえます。

だが彼は左慈へ「鱸魚が手に入ると思っていなかったから蜀の生姜を買っておらなんだ。

左慈よ。取ってくることはできるか」と聞いてみます。

すると左慈は「任せてください。しかし少し時間を貰うことになりますが、よろしいですか。」と

質問します。

曹操は「応。それまで宴会は開催しないでおく。

ところで蜀へ行くのであれば彼の地に役人を一人派遣しているから、

そやつへ蜀の反物を余分に買ってくるように伝えてくれ」と伝えてから

左慈を出発させます。

上記の曹操の言葉は左慈がズルして近辺で蜀の生姜を買ってくることをしないようにするための

策略でした。

 

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本当に蜀で買ってきた??

 

左慈は数時間後に帰ってきて曹操へ蜀の生姜を献上。

曹操は大喜びで左慈を褒めたたえてから皆に鱸魚と蜀の生姜を分け与えて、

宴会を開始します。

諸将は珍しい珍味を食べて酒を飲みながら思い出話に華を咲かせて、

大いに宴会は盛り上がっていったそうです。

曹操は数ヵ月後、蜀へ派遣していた使者が帰還すると

「殿に言われて蜀の反物を多めに購入してきました。」と報告を受けます。

曹操は使者に「そう言えばお前に会いに来た者がいたと思うが、どのような風体であった」と

尋ねると、宴会に参加していた左慈の風体そのままを伝えてくることになります。

曹操は驚きますが、表情に表すことなく使者を労って帰します。

 

三国志ライター黒田レンのひとりごと

 

さてこの話は正史である後漢書に記載されている話なのですが、

果たして本当なのでしょうか。

三国志時代に生きていた人物がいれば、その人に聞くのが早いのですが、

そんな人物は現代に生き残っているわけがないので、真相は全て闇の中です。

まさに三国志ミステリーの一つとしてあげられる逸話ではないのでしょうか。

 

参考文献 講談社 乱世の英雄 尾崎秀樹著など

 

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黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

三國志が大好きです。オススメのマンガは曹操を描いた蒼天航路がオススメです。三國志の小説のオススメは宮城谷昌光氏が書いた三國志です。好きな食べ物はマグロ、ぶり、アジが大好きな猫です。

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