趙娥(ちょうが)とはどんな人?復讐者兼暗殺者であった烈女・龐蛾親(ほうがしん)

2017年6月27日


 

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中国の歴史には必ず暗殺者が出現しております。

始皇帝を殺害しようとした荊軻(けいか)張良(ちょうりょう)

孔明の跡を継いで蜀を引っ張っていた費禕(ひい)の暗殺に成功した

郭循(かくじゅん)など数えればキリがないほどいるでしょう。

今回は三国志に登場した復讐者兼暗殺者である烈女・龐蛾親(ほうがしん)

という女性をご紹介したいと思います。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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父を殺され、弟達も疫病で亡くなる

 

龐蛾親は涼州出身の女性で父は趙安(ちょうあん)という人でした。

父親とは良好な関係で仲のいい親子であったそうですが突然の別れがやってきます。

龐蛾親の父は病に倒れてなくなったのではなく殺害されてしまうのです。

彼を殺害した人物は李寿(りじゅ)という人物で、

龐蛾親の父である趙安とは同じ出身の人物でした。

李寿は趙安を殺害すると復讐されることを恐れて護衛を何人も雇って自らの身を守り、

家の周りもしっかりと防御を固めて復讐されないように備えておりました。

趙安には三人の息子がおり 龐蛾親は彼らと共に李寿へ復讐するために、

計画を立てておりました。

しかしこの趙安の息子達は疫病にやられて亡くなってしまい、

彼女は大いに悲しんだそうです。

 

李寿殺害を誓う

 

龐蛾親は息子である龐淯(ほういく)からとんでもないことを聞いて激怒。

それは龐淯が外で遊んで家に帰る途中たまたま李寿の家の前を通ります。

すると中から大声で「趙安の息子たちがくたばったと聞いた。

趙家には女しかおらずこれで俺は復讐に怯えることはなく、生活できるぞ」と

高笑いをしながら話している声を聞きます。

この事を母親に告げると龐蛾親は泣きながら「おのれ李寿!!

貴様を殺すことが出来るのは兄だけでなく私がいることを忘れるな。

必ず貴様を血祭りにあげてやる」と息子に向かって述べたそうです。

龐淯は小さいながらこのような物騒な事を行った母に

どのような気持ちを持ったのでしょうか。

 

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忠告を受けようとも

 

龐蛾親は李寿を殺害するために毎夜刀を研ぎ澄まして機会を狙っていたましたが、

中々隙を見せることをしませんでした。

近所の人たちは龐蛾親の気持ちを分かっていたので彼女へ

「李寿には護衛も多くおり、彼は男の人です。

もう復讐なんてやめてしっかりと子供を育てるべきです」と忠告。

しかし龐蛾親は「父を殺害されたことは時間によって風化するわけではありません。

もし李寿を殺害しなければ私が生きている意味がありません。」と

言って忠告を聞ききませんでした。

さらに彼女は育児のために続けていた仕事をやめ、

李寿の暗殺のみに注力していくことになります。

そしてついに龐蛾親は李寿を暗殺するチャンスがやってくるのです。

 

李寿殺害を決行・・・・結末は・・・・

 

龐蛾親は車に乗っている時にもいつ李寿と出会うかわからないので、

刀を持って街へ出ておりました。

そんなある日仇である李寿の車を街中で発見。

彼女は車を飛び降りて李寿の車の前に飛び出ると大声で

「出てこい李寿!!」と叫びます。

李寿は車の中から顔を出すと殺害した趙安の娘が鬼の形相で睨みつけていました。

彼は龐蛾親にビビってしまいすぐに車を発進。

龐蛾親は李寿の車が発進すると刀を奮って馬へ傷をつけたため、

馬は暴れまわってしまいます。

李寿はそのせいで外に放り出されてしまいます。

龐蛾親は彼が車の外に放り出される姿を確認するとすぐに彼の元へ行き、

彼の首めがけて幾度も刀を奮って殺害すると首を斬り落として雄叫びをあげ、

ついに父の仇を打ち取ることに成功するのです。

 

三国志ライター黒田レンの独り言

 

龐蛾親は李寿を殺害した後どうしたのでしょうか。

彼女は彼の首を持って役所へ行きしっかりと復讐を行った動機を述べて自首します。

三国時代の警察の長の役職である守尉(しゅい)は彼女へ「身をかくしていなさい」と

言って逃亡するように勧めますが、

彼女は彼の言葉を聞かずに死刑にしてほしいと述べます。

守尉はその後何度も彼女を説得しますが彼女は一切聞き入れなかったため、

彼女を強制的に車へ乗せて家に帰します。

その後守尉は役所のお偉方へ彼女の行いを進言しますが、

役所ではどうしていいかわからなかったため太守へ相談。

太守と涼州の刺史は朝廷に彼女の義によって動いた行動を褒め称えるべきであると

上奏します。

この結果、彼女の行動が朝廷に認められて

彼女が住んでいた村には彼女を称える石碑が建てられたそうです。

 

参考文献 ちくま文芸文庫 正史三国志魏書3 今鷹真・井波律子著など

 

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黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

三國志が大好きです。オススメのマンガは曹操を描いた蒼天航路がオススメです。三國志の小説のオススメは宮城谷昌光氏が書いた三國志です。好きな食べ物はマグロ、ぶり、アジが大好きな猫です。

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