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張良(ちょうりょう)とはどんな人?高祖劉邦の右腕として活躍した天才軍師(1/3)

2016年3月1日


 

曹操と荀彧

 

曹操(そうそう)荀彧(じゅんいく)が自らの家臣となった時、

「わが子房が来た。」と喜んだそうです。

曹操が言ったこの子房こそ、高祖・劉邦(りゅうほう)の天下取りを支えた韓の貴族出身

天才軍師・張良(ちょうりょう)です。

今でこそ天才軍師の名をほしいままにした張良でありましたが、

若い頃は秦に故郷を滅ぼされ、始皇帝をつけ狙う暗殺者でした。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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韓屈指の名門貴族出身

張良 劉邦との出逢い編01

 

張良の故郷は春秋戦国の韓出身の人です。

祖父は韓の丞相として一人の侯と二代の王に仕えます。

また張良の父親もまた祖父と同じく二代の韓王に丞相として仕えます。

張良は韓屈指の名門貴族に生まれる事になります。

 

 

 

秦軍によって故郷が滅ぼされる

張良

 

張良がまだ青年であった頃、秦の軍勢が彼の故郷を侵略。

圧倒的な軍勢で張良の故郷を蹂躙し、彼の故郷は滅ぼされてしまいします。

この時張良の家には三百人もの召使いと父祖代々から蓄えられてきた

貯蓄が相当あったとされています。

 

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始皇帝に復讐を誓う

張良㈮ 暗殺編04

 

張良は秦によって韓が滅ぼされると、秦王政に復讐する事を誓います。

まず召使いをすべて解雇。

さらに弟が秦軍によって殺された時はお金がかかるとの理由から

葬式を行いませんでした。

親が残してくれた財産は、始皇帝暗殺に協力してくれる人物を探す旅に使います。

 

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ついに始皇帝暗殺の協力者を見つける

張良

 

張良は各地を周りますが、中々始皇帝暗殺に協力してくれる人物は

現れませんでした。

しかし張良は諦めず、各国を回って暗殺者探しを続けます。

こうして探す事数年、ついに一人の男が現れます。

その男は大柄の力士で、重さ百二十斤(現在の重さで約30キログラム)の鉄球を

軽々と放り投げる事の出来る人物でした。

 

張良

 

こうして協力者を見つけた張良は彼と共に始皇帝の暗殺計画を練ります。

 

始皇帝暗殺計画発動

張良㈮ 暗殺編08

 

張良と協力者である力士は始皇帝暗殺の場所を相談します。

始皇帝は毎年旅行に出ている事から、旅行中に襲撃しようと決まります。

そして始皇帝が旅行する場所と道順の極秘情報を手に入れた二人は、

暗殺を決行する場所の選定を行います

こうして色々なプランを立てた結果、一つの場所が浮かび上がります。

その場所は博浪沙(はくろうさ)です。

二人はこの場所に赴き、地勢を徹底的に調査し、

始皇帝がここを通過するのを待ちます。

そしてついに暗殺決行の日がやってきます。

 

始皇帝

 

何も知らない始皇帝一行はすらすらと潜伏している

張良達の前を通過していきます。

 

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始皇帝の車を襲撃するも…

張良㈮ 暗殺編09

 

張良は小声で力士に「あれだ」叫び、力士は張良の声に反応すると

無言で目の前を通った始皇帝の車に鉄球を投げつけます。

鉄球は始皇帝の車に一直線に向かい、車を潰します。

張良達は車に直撃した事を確認すると別々に分かられて逃亡します。

こうして始皇帝暗殺は成功した…ように思われましたが、

失敗してしまいます。

力士の鉄球は見事に車に当たり、車を粉々にすることが出来ましたが、

しかしこの車には始皇帝は乗っておりませんでした。

始皇帝は鉄球によって打ち砕かれた車の前の車両に乗っており、

傷一つつかず、無事でした。

 

張良と始皇帝

 

後日この事を知った張良は大いに悔しがります。

 

始皇帝

 

始皇帝は自らの一行を襲撃した犯人を捜すため、中国全域に指名手配を

行い張良と協力者である力士の行方を探させます。

しかし彼らの足取りは分からず、張良達は暗殺には失敗しますが、

逃亡には成功します。

 

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三国志ライター黒田廉の独り言

張良

 

張良は始皇帝暗殺を企てる位だから背が高くて大柄の人物かと思いきや

背は高いのですが、すらッとしており、顔も少女のような顔立ちをしており、

外見から見ると優しそうで暗殺を企てるような人には全然見えません。

こんな優しそうな人物が故郷を滅ぼされた恨みを

晴らすため始皇帝暗殺を企てるとは、

人は見た目では判断できませんね。

張良㈫ 成長編02

 

張良は始皇帝暗殺に失敗しますが、何とか追ってから逃れる事に成功。

張良は逃亡生活の時、不思議な体験をします。

彼はこの体験の後、天才軍師として成長する事になってきます。

 

逃亡生活の始まり

張良

 

張良はしっかりと計画を立て、万全な状況の中始皇帝暗殺計画を実行します。

しかし始皇帝の暗殺は失敗し、逃亡生活を送る事になります。

彼は各地に逃亡し、下邳に流れ着きます。

 

不思議なじいさまとの遭遇その1

張良㈫ 成長編03

 

張良は下邳に落ち着く事数か月がたったある日、橋の上で一人の老人と

出合います。

この老人は張良を見るとわざと橋の上から靴を放り投げ

「そこの小僧。靴を持ってこい」と傲慢な態度で張良に言います。

張良はイラッとしながらも靴を拾ってくると再び老人が

「はかせよ」とまた命令してきます。

彼は老人に靴を履かせてあげると老人は

「小僧。中々見所ある奴じゃ。5日後の早朝ここで待っとるから、

ここに来い。」と命令し、張良の元から去っていきます。

彼は訳が分からないまま、5日後を迎えます。

 

不思議なじいさまとの遭遇その2

張良㈫ 成長編05

 

張良は最初に不思議な老人と出会ってから五日後の早朝再び、

橋の上に行きます。

するとあの老人は橋げたに座って張良を待っていました。

張良が「すいません。」と謝ると、老人は激怒し

「小僧。来るのが遅いぞ。老人を待たせるとは何事か。

再度五日後の早朝ここでわしは待っている。次は遅刻するなよ。」

と言い残し去っていきます。

 

不思議なじいさまとの遭遇その3

張良㈫ 成長編04

 

張良は再び五日後を迎えると、前回怒られ頭に来ていたため、

深夜から橋の上で老人を待っていました。

すると前方からあの老人がやってきます。

老人は張良の姿を認めると満面の笑みを浮かべ

「小僧。分かっているではないか」と彼の肩を叩きます。

そして老人は懐から一冊の書物を出し「お主にこれをやろう。これを読めば

お主は王者の軍を率いる者となれるであろう。

そして13年後、お主は山の麓で黄色い石を見つけるだろう。その石がわしだ」と

張良に言い残し、立ち去っていきます。

そして13年後張良は黄色い石を見つけます。

彼はこの石を大切に祀り、代々祀るように言い残します。

 

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実はこの話、全て伝説

張良㈪ 戦争編04

 

張良とこの老人との話は伝説です。

しかし張良は下邳での潜伏時に誰かに兵法を教えてもらった事は

確かでしょう。

そう出なければ後年、劉邦にあれだけ的確な献策をする事は出来なかったでしょう。

こうして張良は兵法を学びます。

 

項羽の叔父項伯をかくまう。

張良と項伯

 

 

張良は下邳に潜伏する事数か月が過ぎます。

そんなある日彼の元に一人の男が、駆け込んできます。

その男は故郷で殺人を犯し、全国で指名手配されていました。

張良は助けを求めて来たその男を匿います。

この男の名は項伯(こうはく)と言います。

 

項羽 はじめての三国志002

 

項伯は項梁と兄弟で項羽(こうう)の叔父です。

この項伯、後年起きるある事件の時、張良に匿ってもらった恩に報いるため

大胆な行動を取ります。

 

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陳勝・呉広の大反乱勃発

劉邦

 

張良は兵法を学び終わったその頃、秦の天下を覆すきっかけとなる

大反乱が勃発。

農民出身である陳勝と呉広が挙兵。

瞬く間に秦の城をいくつも陥落させ、大きな領地を有します。

張良も自ら軍を集めて挙兵します。

しかし張良の元に集まった兵の数は数百人でした。

また張良は自らが上に立って、軍を指揮する器ではないと思っていたので、

集まった兵と共に、仕えるにふさわしい群雄を探す旅に出ます。

しかし中々張良が気に入る群雄は見つかりませんでした。

彼が群雄を探している間に陳勝と呉広は秦の章邯軍に敗れ、

討ち取られます。

その後、楚の王族の末裔(まつえい)である景駒(けいく)が挙兵。

張良はこの景駒の所へ向かう時、生涯のパートナー

である運命の出会いが待っていました。

 

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三国志ライター黒田廉の独り言

黒田廉

 

張良は始皇帝殺害未遂で中華全国に指名手配されます。

張良は上手く手配から逃げおおせ、下邳で潜伏します。

彼はこの潜伏期間で軍略・政治を学び、

後年天才軍師の名を歴史に刻むことになります。

「今回の楚漢戦争時代のお話はこれでおしまいにゃ。

次回もまたはじめての三国志でお会いしましょう

それじゃまたにゃ~」

 

次回記事:張良(ちょうりょう)とはどんな人?高祖劉邦の右腕として活躍した天才軍師(2/3)

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楚漢戦争

 

 

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