【はじめての君主論】第1話:君主論ってなに?曹操とkawausoが解説するよ

2017年7月20日


 

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地球上で唯一、時空を超える事が出来るライターkawauso、そんな彼が、相棒のマスコット、モータン(曹操孟徳☆50歳)を連れて、世界中の偉人に突撃インタビューをしていくよ。栄えある第一回は、君主論を書いて政治のリアリズムを説いた16世紀のイタリア人、ニッコロ・マキャヴェッリに会いに来たよ。さあさあ、どんな話が聞ける事やら、楽しみだね!

 

※え?世界○○物語かって?なにそれ美味しいの(汗)

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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舞台は1513年のイタリア、フィレンツェ

 

ミュイイイーーーーーーーン・・石畳の上に、kawausoとモータンが姿を現す。モータンは定番のkawausoの肩に乗っているスタイル

 

モータン「ここはどこじゃ?」

 

kawauso「ここは、1513年後半のイタリア、フィレンツェだよこの時代のイタリアは、フランスのシャルル8世の軍事侵攻、サボナローラの宗教支配を経て、それから色々ありー・・共和制が復活した不安定な時期だよ」

 

モータン「ガイドブックの棒読みか、やる気ないのぅ」

 

 

 

kawauso、マキャヴェッリの自宅を過激に訪問

 

kawauso「えーっと、マキャヴェッリ、マキャヴェッリ、、この家だな・・すいませーん、、あれ、鍵が掛ってるや」

 

モータン「当たり前じゃ、、アポもないんじゃから」

 

kawausoは、持参したリュックから大ハンマーを取りだす。

 

モータン「おい、、何をする気じゃ!」

 

kawauso「そーれーーーーー!」

 

鈍い音を立てて、家のドアの鍵は壊れた。kawausoは何事もないかのようにドアを開けて中に入る。

 

モータン「おい!わし、無関係じゃからな!(焦)」

 

 

マキャヴェッリ「なんだ!なんだ!強盗か!!」

 

kawauso「はっはっは、御心配なく、怪しい者ではありません。私は21世紀から来た、kawauso、こちらの変な生き物はモータンです」

 

kawausoは、大ハンマーを肩に背負ったまま自己紹介した。

 

マキャヴェッリ「こ、、殺される・・ガクブル」

 

 

マキャヴェッリって何者?

 

マキャヴェッリ「いやーそうですか、、玄関のドアを破壊されたので、私はてっきり強盗だとばかり・・」

 

kawauso「まさか、私はそんな野蛮人ではありませんよ(笑)」

 

笑い合う、変な二人にモータンは微妙な表情を見せる

 

モータン「こりゃ、kawauso、笑っておらんで、何しにきたか説明せんか」

 

kawauso「そうだった、、マキャヴェッリさん、実は、我々は21世紀の歴史サイト、はじめての三国志を代表してやってきたのです。あなたが書いた君主論とは、どういうものか分りやすく説明して下さい」

 

マキャヴェッリ「なんと、、まだ上書していない、私の書斎にある本のタイトルを知っているとは、これは、私の本が広く世界で読まれるという証拠分りました、しかし、その前に、君主論を書いた私、ニッコロ・マキャヴェッリについて説明しましょう」

 

kawauso「わーい、面倒くさーい」

 

 

外交官、軍事顧問としてフィレンツェで活躍したマキャヴェッリ

 

マキャヴェッリ「私は、1469年、フィレンツェ共和国で、弁護士の家に産まれました、貧しくはありませんが、あまり裕福だったわけでもありません。私が青年期を送った頃には、メディチ家がフィレンツェを支配していましたが1494年にフランス、シャルル8世がイタリアに侵攻した事で、イタリアは激動し、修道士、サボナローラの神権政治を経ても混乱は、静まりませんでした。

 

1498年、28歳の私は、ピエロ・ソデリーニ政権下で第二書記局長になり軍事と内政を担当し、さらに十人委員会に所属し統領の秘書官にもなりました。自分で言うのもなんですが、私は外交官、そして軍事専門家として有能で海のないフィレンツェが雄飛するには港町、ピサを手放してはいけないと論文で訴えて認められ、軍事顧問になった程なのです」

 

 

 

モータン「統領の秘書、、わしで言えば尚書令の荀彧(じゅんいく)みたいな地位か?」

 

kawauso「ふーん、それからどーなったの?」

 

 

傭兵に頼り失敗したフィレンツェ

 

マキャヴェッリ「フィレンツェは、傭兵隊長、パオロ・ヴィテッリを総司令官として、私も十人委員会代表としてピサ攻略にあたりましたが、パオロは城壁を砲撃で破壊し砦を一つ落とすと、退却を考え始めました。市街戦では、ピサ人の猛反撃が予想され兵の大損害を恐れたからです。こうして、傭兵に頼ったピサ攻略は無残な失敗に終わってしまいます・・」

 

モータン「そうじゃろな、、部曲(私兵)を頼りにしたんじゃろ?あいつらは、自分の兵が減少するのを好まん、わしらの時代も同じじゃ反董卓(とうたく)連合軍の大半の軍閥共は、本気で董卓と戦う気が無かった」

 

 

フランスに頼り、さらに失敗するフィレンツェ

 

マキャヴェッリ「はい、愚かな事でした、傭兵は自分の利益が第一で、フィレンツェの為に命を賭けるつもりは無かったのです。困ったフィレンツェは、フランス王、ルイ12世と交換条件でナポリ攻略に資金と騎兵を出す代わりに、共にピサを攻めるように盟約を取りつけます。しかし、ルイ12世はパオロ以下でした、フランス兵と傭兵の混成軍はこちらの指示には従わず、好き勝手に振る舞った挙げ句、フィレンツェの軍事顧問を拉致し身代金を要求する有様でした。

 

ピサの周辺では、フランス軍と傭兵の混成軍は掠奪に熱心なだけで、城内には突入せず、我が軍のピサ攻略は、また失敗に終わったのですおまけにルイ12世は、一方的にフィレンツェとの同盟を破棄したので、ピサや周辺の親フィレンツェの都市まで敵になったフィレンツェ共和国は、弁明と同盟継続の為にフランス本国まで使者を派遣するザマで、、その使者というのが、何を隠そう私でして、内心はらわたが煮えました・・」

 

kawauso「劉備(りゅうび)に漢中の張魯(ちょうろ)を討ってもらおうと国内に招き入れて結局、国を奪われた劉璋(りゅうしょう)みたいなもんだな」

 

マキャヴェッリ「私は、傭兵と外国軍に頼った事がピサ攻略の敗因と考え国防軍を編成する事を上申して認められますが、その軍隊が威力を発揮する前に1512年、ソデリーニ政権は、アルゴン王フェルナンド1世の後ろ盾を受けた、メディチ家によりフィレンツェを追われ、私もクビになったのです」

 

 

君主論はイタリアを統一する王が出現する事を願って書かれた!

 

マキャヴェッリ「私は、在野で執筆活動に入る事を余儀なくされました。そこで、私はイタリア半島を統一するような覇者の出現を願い、私が長い外交官生活の中で培った経験を、実践的な帝王学の書として新しい覇者に上程しようと考えたのです」

 

kawauso「ふーん、なんか苦労した結果、書いた本なんだ」

 

モータン「惜しいのう、わしの時代に産まれていれば、中華統一に大いに使ってやったのに」

 

【1話完】

 

キリスト教的倫理観を排し物議を醸した『君主論』

ルネサンス期のフィレンツェで手腕を振るったニッコロ・マキャヴェッリによる

乱世を生き抜くための哲学を第2話でも紹介します!

 

次回記事:【はじめての君主論】第2話:愛されるより恐れられよ!董卓の恐怖政治とマキャヴェリズムの違い

 

リアリズムと悪の教科書『君主論

 

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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