キングダム
濡須口の戦い




はじめての三国志

menu

三国志の雑学

えっ?劉璋は若い頃かなり気性が荒かった?



劉璋

 

三国志においては安定のボンクラぶりを発揮している益州牧、劉璋(りゅうしょう)

そのダサさ加減は、自分より格下の張魯(ちょうろ)を怖れる余りに劉備(りゅうび)を招き入れるという

本末転倒ぶりを演じるレベルでした。

しかし、これは晩年の話で若い頃の劉璋は結構有能で気性の荒い人だったのです。

今回は知られざるヤング劉璋の逸話を紹介しましょう。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:馬超の兜は?馬超の動物のクセがスゴイ

関連記事:関羽は本当に反権威の人だったのか?

 

 

若い頃は兄弟と共に長安にいた劉璋

長安

 

劉璋は字を季玉(きぎょく)と言い、劉焉(りゅうえん)の末っ子として誕生しました。

父の劉焉は、後漢が崩壊する事を見越して自分で志願して益州に向かい、

地盤を広げていきましたが、息子たちは三男の劉瑁(りゅうぼう)以外洛陽に残っていました。

 

その後、董卓(とうたく)が洛陽を支配すると劉焉に頭を下げるように命じますが

劉焉はこれを黙殺してやってきませんでした。

 

これにより、洛陽に置き去りの劉焉の息子たち、

劉範(りゅうはん)劉誕(りゅうたん)劉璋(りゅうしょう)の立場は悪くなります。

ただ、今後の事を考えたのか董卓は3人を殺さずに手元に置いておき

長安遷都後は本拠地の郿塢(びう)に放り込んで獄に繋いでいました。

董卓

 

192年、董卓呂布(りょふ)に殺されると、三兄弟は開放される事になります。

3名は奉車都尉(ほうしゃとい)という献帝を守る地位になりますが、

間もなく呂布王允(おういん)の政権は崩壊し長安李傕(りかく)郭汜(かくし)の支配下に入りました。

しかし、劉誕、劉範、劉璋は殺される事なく、そのまま献帝に仕えます。

 

 

運命の分岐点 父を説得する為に益州に向かい拘留される

劉表

 

益州で劉焉は五斗米道の張魯を傘下に加えて勢力を伸ばしていきます。

こうして、張魯(ちょうろ)に命じて漢中から中央に繋がる橋を焼き落とし官吏を殺しました。

劉焉は奢って、超デラックスな馬車を千乗作成するなど威勢を示し

いよいよ後漢王朝に対して独立志向を強めてきました。

 

これを荊州の劉表(りゅうひょう)献帝(けんてい)に告げ口します。

 

劉君郎(りゅうくんろう)は益州で天子気取りです、放置すれば厄介な事になりましょう」

 

さっすが!同じ漢の王族の末裔(まつえい)同士、安定の仲の悪さですね。

 

そういう事なので事態を重く見た献帝は、

「息子が説得すれば劉焉も言う事を聞くだろう」と

末っ子の劉璋を説得に向かわせる事にしたのです。

劉璋は献帝の要請で馬車に乗り、遥々益州に向かいます。

これが、劉璋と他の兄弟達との命運を分けました。

馬騰

 

194年3月、征西将軍馬騰(ばとう)李傕(りかく)と不仲になり叛き劉誕・劉範は馬騰に組します。

反乱計画は途中で漏れて失敗し、馬騰は西涼に逃げていきますが、

逃げる場所がない劉範と劉誕は報復に燃える李傕に捕えられ処刑されました。

もし、劉璋が長安に残っていれば李傕につかない限り死は免れなかったでしょう。

 

北伐の真実に迫る

北伐  

不幸が続いて病気になった劉焉は死去、劉璋は趙韙に擁立される

 

劉璋は劉焉の病気見舞いを口実に益州に入りますが、

一人でも肉親が欲しい劉焉はこれ幸いと劉璋を拘留して長安に帰しませんでした。

劉璋にとっては、これが馬騰の兵乱を逃れ益州牧になる重大な契機になります。

 

イケイケだった劉焉ですが老いと落雷によって本拠地の綿竹が焼けたり

息子たちが馬騰の反乱に連座して死んだなどで精神的なショックを受けます。

やがて、背中に悪性の腫瘍(しゅよう)が出来た劉焉は非業の最期を遂げました。

 

劉焉は後継者を定めなかったようですが重臣の趙韙(ちょうい)は劉璋がボンクラで

操縦しやすそうに見えた為に、後継者争いで主導権を握り献帝に上奏して

劉璋を後継者にしたのです。

 

劉表を放逐して何とか支配を安定させたい劉璋

 

益州の支配が劉焉から劉璋に代わると隙を突こうとした劉表は、

荊州別駕の劉闔(りゅうがい)を使って、劉璋に不満を持つ諸勢力を叛かせて

益州を手に入れようと画策しました。

 

そして劉璋の将軍の沈彌(ちんや)婁発(ろうはつ)甘寧(かんねい)を反かせ劉璋を撃ったものの

意外に劉璋を支持する勢力が多く、敗れて敗走して荊州に入ります。

なんとか劉表の攻撃を凌いだ劉璋は、李傕に使者を送って接近し、

益州牧の地位を認めてもらい劉表討伐の命令まで手に入れるのです。

 

こうして、劉璋は逆に荊州を併呑しようと趙韙を出兵させます。

趙韙は、荊州領内に侵攻し、朐䏰(くじん)に駐屯し、

西暦200年前後まで劉表と血みどろの抗争を続けます。

 

晩年は遊んでいるだけの劉璋ですが初期はアグレッシブですね。

後年の肥満したおだやかオジサンとはイメージが違います。

 

劉表との抗争と趙韙の粛清で益州が斜陽に・・

劉璋

 

しかし、趙韙は荊州の攻略にてこずり戦果を挙げられませんでした。

これで、劉璋は趙韙に失望して処分する事を考え始めます。

その頃、益州内部では長年続く兵乱に住民が劉璋を恨み不満が高まっていました。

趙韙は、これを利用し民衆の不満を背景にし、無断で劉表と和睦して

成都まで攻め上ってきました、やられる前にやれ、つまりクーデターです。

 

びっくりした劉璋ですが、まだツキは劉璋にありました。

劉焉が益州制圧の為に組織した流れ者の混成部隊の東州兵が劉璋を支持し

趙韙に叛いたのです。

 

こうして趙韙は次第に不利になり部下の龐楽(ほうらく)李異(りい)に叛かれ殺害されました。

かくして、ようやく支配の安定を見た劉璋ですが、東州兵に頼り切った為に

東州兵は増長して略奪行為を繰り返すようになります。

これにより人心はさらに劉璋から離れるようになりました。張魯

 

おまけに、劉表と喧嘩している間に漢中の子分の張魯が急成長して

劉璋の命令を無視するようになったのです。

 

腹を立てた劉璋は成都にいた張魯の母と弟を殺害し

張魯との関係は修復不可能な状態に陥ります。

劉璋は龐羲(ほうぎ)に張魯を攻めさせますが、龐羲の軍事的な才能は趙韙以下で

度々張魯に敗れたので、劉璋は防戦に転じる事になります。

 

三国志ライターkawausoの独り言

kawauso

 

もう、お分かりですね、ここから劉璋は張魯の影に怯え曹操(そうそう)を頼ったり

劉備を頼ったりする優柔不断なボンクラ君主にレベルアップするのです。

つまり、益州は最初から弱かったわけではなく、劉表との抗争、

趙韙との抗争が起こり、随分弱体化していたのです。

元々は、事なかれ主義ではなかった劉璋は、益州を巡る抗争に疲れ、

ああいうボンクラ君主にならざるを得なかったのでした。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:全中が泣いた!益州のボス・劉璋の最後は実に感動的だった!

関連記事:益州の牧・劉璋の配下で最強の武将は誰か?魏延や黄忠を打ち破ったあの武将

 

伝説の企画 朝まで三国志 最強のワルは誰だ

朝まで三国志1  

 

kawauso

kawauso

投稿者の記事一覧

三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

関連記事

  1. 孔子が理想とした王朝・周はどんな王朝だったの?
  2. 献帝(けんてい)とはどんな人?後漢のラストエンペラーの青年期
  3. 兵士 届け!お手紙、三国時代には郵便制度があった!?
  4. 驚愕!実は名築城家でもあった魏延の意外な才能!
  5. 宴会マナーと酒(古代中国) こんなに厳しい!三国志の時代の宴会のマナーが超複雑
  6. 呉の孫堅 【三国志の友情パワー】孫堅四天王の熱き友情を紹介
  7. 関羽千里行 ゆるキャラ 関羽千里行って有名だけど何なの?
  8. 曹操から逃げ回る劉備 長坂の戦いはどんな戦いだったの?史実をもとに地図を使い徹底解説!…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. 騎馬兵にあこがれる歩兵
  2. 孔子と儒教

おすすめ記事

  1. 公孫瓚は朝鮮を支配した公孫度と仲が良かったの?
  2. キングダムでお馴染みの秦の函谷関ってホントに難攻不落だった?函谷関に隠された秘密
  3. 王郎(おうろう)とはどんな人?光武帝を苦しめた自称漢のプリンス
  4. 【能力高すぎワロタ】仕事のできる蜀の三代目トップ費禕(ひい)エピソードも紹介!
  5. 大久保利通と西郷隆盛西南戦争の原因は王道vs覇道の対立だった 対立する西郷隆盛と大久保利通
  6. 【軍師連盟】司馬懿が起こしたクーデターは博打だったの?

三國志雑学

  1. 法正と劉備
  2. ロボ 関羽
“はじめての三国志150万PV" はじめての三国志コミュニティ総合トピック
“広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

  1. 曹操を逃す関羽

おすすめ記事

坂本龍馬の愛刀陸奥守吉行はどんな刀? 劉備の黒歴史がまた発見される!?三国志の主人公の消された過去 袁紹の妃 劉氏 漢民族の衣装といえばチャイナ服?いえいえ、漢服というものがあるのです 大久保利通 幕末 大久保利通は明治維新・幕末時代にどんな業績を残したの? ネズミで人生を変えた李斯 便所のネズミから蔵のネズミに!李斯の華麗なる転身 竹中半兵衛重治と黒田官兵衛はどっちが凄かったの? 孔明の愛弟子であった姜維はなぜ孔明の後継者に選ばれなかったの? モバイル向け新作シミュレーションRPG『三國志曹操伝 ONLINE』の事前登録をスタート

おすすめ記事

  1. 劉備と呂布を仲たがいさせよ!二虎競食の計 劉備 呂布 裏切り
  2. 諸葛孔明が目指した軍師・管仲は、結構性格が悪い
  3. 曹操の曽祖父 曹萌(そうぼう)は元祖、萌えキャラだった?
  4. 月刊はじめての三国志2018年12月号 (桃園出版 三国舎)を出版しました 年越しそばを食べる馬謖
  5. 呂布VS袁術、東西嘘合戦、勝利するのはどっちだ!
  6. 張飛の娘はサラブレッド?夏侯月姫と張飛の恋愛事情 張飛のヨメ
  7. 【三国志裏話】徐晃は関羽から尊敬されていたってホント!?
  8. 皇甫嵩(こうほすう)とはどんな人?後漢最後の名将と言われた将軍

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“邪馬台国"

“三国志人物事典"

PAGE TOP