キングダム




はじめての三国志

menu

三国志の雑学

黄巾賊の組織体制はどうなっていたの?太平道を布教させた宗教団体をミエルカしてみるよ

この記事の所要時間: 235




 

蒼天すでに死す黄天正に立つべし、三国志のハイライトは

こちらのスローガンと共に黄巾の乱から開始します。

それは、誰でも知っていますが、挙兵半年程で張角(ちょうかく)が病死。

黄巾賊は、求心力を失い尻すぼみに鎮圧されましたから、

その軍隊としての内情などは、ほとんど記録に残りませんでした。

 

例えるなら、ダッダーン、ボヨヨン、ボヨヨンのCМが強烈すぎて、

どんな商品を紹介したものだったのか記憶にないようなものです。

そもそも、黄巾賊の首領である張角には列伝もなく、その記述は後漢書の

皇甫嵩(こうほすう)伝、霊帝(れいてい)紀、そして、陳寿(ちんじゅ)

正史三国志孫堅(そんけん)伝にある記述を纏めたものです。

 

そこで、今回のはじめての三国志では、三国志への道を開いた黄巾賊が、

どんな軍団だったかを解説してみたいと思います。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:黄巾賊はいったいどの辺を支配していたの?【素朴な疑問】




黄巾党を分かりやすくミエル化してみた

 

では、早速、張角の苦心の力作である黄巾軍をミエル化してみましょう。

それは上図のような組織になります。

 

※この図は後漢書の皇甫嵩伝の記述を参考に作成してあります。

 

まず、組織の首脳は、張角、張梁(ちょうりょう)、張宝(ちょうほう)の

3人であったようです。

それぞれ、張角が天公将軍、張宝が地公将軍、張梁が人公将軍と名乗りましたが

TOPである張角は、乱のときには、すでに死の病に冒されており、

実質的な指揮は張宝が行っていたようです。




三十六に分かれた渠師と呼ばれる将軍達

 

そして、三人の首脳の下には、三十六人の渠師(きょし)と呼ばれる将軍がいました。

この渠師は、方(或いは坊)と呼ばれる7000~1万人の信徒を率いています。

黄巾賊に関しては、馬元義(ばげんき)や唐州(とうしゅう)、張曼成(ちょうまんせい)

波才(はさい)のような関連人物が出ますが、或いは、このような渠師という

ランクにあった黄巾賊の武将かも知れません。

 

実際の反乱では、三十六人の渠師以外にも、部外者の山賊も乱に盟約で

或いは火事場泥棒的に参戦しているので、実際の総数は三十六万以上に

なったであろうと考えられます。

 

もちろん、これは黄巾賊の総数ではなく戦闘員ではない

女子ども、老人は別であったと思われます。

曹操は青州黄巾賊を吸収した時に、百万人という非戦闘員も得ていますが、

この人たちが黄巾賊の非戦闘員だったのでしょう。

 

まだ漢王朝で消耗してるの?

 

共同生活を営んだ黄巾賊の鉄の兵士

 

三十六人の渠師の下には「方」に属している、七千人から一万人の信徒がいます。

黄巾賊の教義は、当時の一般的な人々の生活からかけ離れていたので、

同居する事は出来ず、迫害された黄巾賊の信徒は自分達だけで共同生活を行い、

閉鎖的なコミュニティを築いていきました。

その中で、自然に組織が生まれ、方の原型が成立していったと考えられます。

 

 

やがて、黄巾賊の中で結婚する男女が現れ、生まれた子どもは、

黄巾賊の教義だけを教え込まれて、コミュニティを守る兵士と化していきます。

曹操(そうそう)は、魏武註孫子の中で、黄巾賊を野良犬のようなものと形容し、

ただ、乱暴なだけで何も考えがなく、幾らでも湧いてくると書いています。

 

固体では、大して強くはないのでしょうが、味方だけを庇い、

命令通りに何でもやるという態度は、宗教に起因する兵士の特性を持っています。

実際に、青州黄巾賊は曹操軍に併合されても、しばしば軍律を破り、

負けた自軍からも略奪をしている事が于禁(うきん)の伝に出ているのです。

 

関連記事:【匡亭の戦い】曹操が黄巾百万を降した奇跡が袁術の関東統一のチャンスを失ってしまう

関連記事:太平道の教祖、張角死後の黄巾軍はどうなったの?青州黄巾軍って何?

 

 

三国志ライターkawausoの独り言

 

有名だけど、イマイチ、内情が分からない黄巾賊についてミエル化しました。

黄巾賊の野望は、直ぐに頓挫しますが、それを受け継いで暴れる、

黒山賊や白波賊が頻発し、後漢王朝の権威は失墜していきます。

そして、官軍の質の低下を補う為に、後漢が呼び寄せた義勇軍が、

やがては、自前の勢力を持つようになり、群雄割拠の時代が始まるのです。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:張角(ちょうかく)ってどんな人?太平道を創始した男の悲しい人生

関連記事:太平道の教祖、張角死後の黄巾軍はどうなったの?青州黄巾軍って何?

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

kawauso

kawauso

投稿者の記事一覧

三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

関連記事

  1. 曹操と劉備ではどっちの武力が上?究極の個人対決
  2. 【はじさん編集部】第2話 三国志なんか読むな!(泣)新橋の夜に吠…
  3. 蜀漢(季漢)後期の歴史をザックリと解説!蜀漢を支えた蒋琬、費禕、…
  4. 秦の始皇帝ってどんな人だったの?青年期編
  5. 【芸は身を助く】曹植が邯鄲淳に一発芸を披露、王位継承者に近づく
  6. 【三国志の食事】劉備・曹操・孫権も食べていた!?三国時代の食事風…
  7. 三国志の生みの親であり歴史家の矜持を悩ます歴史書編纂の裏事情
  8. 【袁術特集】孫家に吸収された袁術の子孫たちはどうなったの?

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 劉備と呂布を仲たがいさせよ!駆虎呑狼の計
  2. 117話:司馬懿仲達、三国志の表舞台に出現!劉禅は劉備の後継者に。
  3. 毛玠(もうかい)とはどんな人?魏の人事担当者として辣腕を振るった政治家
  4. 祝融と孟獲三国志最強仲良し夫婦の面白エピソードとは
  5. 楊貴妃と玄宗が愛を育んだ温泉地華清池によかミカンが行ってみた
  6. 孤高の天才参謀・竹中半兵衛重治は知略で君主を追い出した!?

三國志雑学

“はじめての三国志150万PV" はじめての三国志コミュニティ総合トピック
“広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

「高平陵の乱」を蜀の丞相の費禕はどう評価したの?蜀から見る魏のクーデター 董襲(とうしゅう)とはどんな人?孫家の仇敵・黄祖討伐戦で活躍した武勇の士 三国志の主人公の劉備の魅力について、これでもかというほど語るよ 【はじめての孫子】第8回:夫れ兵の形は水に象(かたど)る。 曹丕のグルメエピソードがまたひとつ鍾繇が送った五熟鍋とは? ゴールデンカムイネタバレ予想 125話『実りの季節』 武経七書(ぶけいしちしょ)って何? 兵家を代表する七つの書物 漢の時代の人が考えるあの世は、どんなイメージ?

おすすめ記事

  1. 邪馬台国最期の戦い(前編)神武東征と生駒の死闘
  2. 朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ(笑) 第8部
  3. 趙奢(ちょうしゃ)とはどんな人?趙の三大天最後の一人で政治・軍事両方に秀でた名将【後半】
  4. 徳川慶喜とナポレオン三世の知られざる日仏交流史
  5. 【おんな城主・井伊直虎を見逃した方へ】第27話「気賀を我が手に」の見どころ紹介
  6. 【キングダム ネタバレ注意】秦・中華統一後、王賁(おうほん)は今後どうなる?
  7. 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース30記事【11/20〜11/26】
  8. 孫策(そんさく)とはどんな人?たった26年の生涯を駆け抜けた小覇王

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“水滸伝"
PAGE TOP