キングダム
姜維特集




はじめての三国志

menu

三国志の雑学

やる気ゼロ!三国志の軍隊が弱すぎた理由

兵士と禰衡





 

三国志の魏(ぎ)の軍事マニュアル「歩戦令(ほせんれい)」によれば、

兵隊さんの背後には抜き身を持った士官がおっかない顔をしながら

兵士がちゃあんと戦ってるか見張っていたんですと。

三国時代の軍隊は、刀で脅かしとかなきゃ言うこと聞かない烏合の衆でした。

兵隊さんたちがどうしてやる気ゼロだったか。

その原因は、ズバリ「儒教(じゅきょう)」です!

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:孔子・孟子・筍子?儒教(儒家)ってどんな思想?

関連記事:儒教が引き金?外戚と宦官の対立はなぜ起こったのか

 




 

儒教(じゅきょう)ってどんなもの?

 

儒教の始祖は孔子(こうし)とされていますが、孔子は儒教を整理発展

させた人で、儒教的な考え方は有史以前からず~っとありました。

儒教の根本は、いわゆる「ご先祖様教」です。

日本人にも当たり前にある感覚なんじゃないでしょうかね。

例えば、お金が落っこちてるぞ、誰も見てないからネコババしちゃえ、と思った時に、

「ハッ、ご先祖様が草場の影で泣いているかもしれん」なんていう感覚。

自分の命はご先祖様から連綿と受け継がれてきたもの。

命を伝えて下さったご先祖様のご恩は裏切れない。

ご先祖様に恥じないように自分も毎日ちゃあんとがんばらなくちゃ!

っていう、宗教関係なく当たり前な感覚です。

 




 

儒教で一番大切にされてきたのは、「孝」

 

「ご先祖様教」が発祥である古来の儒教では、当然ながら

一番大切にされるのは「孝」でした。

おとっつぁん、おっかさんを決してないがしろにはできないという感覚です。

この感覚、水や空気と同じくらい当たり前なものだったと思いますよ。

生まれた時から、家にはお仏壇ならぬ家廟(かびょう)があって、様々な行事を通して

自分の生命とご先祖様の生命は同じもの、という身体感覚をすり込まれて育つんです。

ご先祖様から子孫まで連綿と続く生命の中の一部として自分が存るわけで、

生きること=孝でした。

【奇想天外な夢の共演が実現 はじめての架空戦記

 

だから堂々と逃げちゃう!命が一番大事だもの。

 

「孝」が一番大事だったら、戦場で危ないことになったらスタコラサッサと逃げて

自分の命を守ろうとするのは当たり前です。そうしたって誰も卑怯者だとは

言わないです。孝を大事にする立派なやつだという評価になるでしょう。

法家思想の本である『韓非子(かんぴし)』には、こんな逸話が紹介されていますよ。

むかし魯(ろ)の人が、戦争に三回行って三回とも逃亡した。

孔子がそのわけを問うと、その人は、家には年老いた父がおり、

自分が死ねば世話をする者がいなくなるため逃亡したと答えた。

孔子はその人を孝行者だと評価して、上位に取り立てた。

(『韓非子』ではこのあと、父にとっての孝子は主君にとっての逆臣、と斬っていますが)

 

関連記事:キングダムの秦王・政がドハマリした韓非子(かんぴし)ってなに?

関連記事:劉禅が読んだ韓非子ってどんな本?

 

三国志の軍隊が弱すぎた理由

 

三国時代の兵士には、お上への忠誠というのは自分の行動を決める際の

優勢順位としてはかなり低いものでした。とにかく我が身が大事、

次には一族が大事、次には地元が大事、天下国家はあとまわしです。

そういう価値観が天下あまねく浸透していたので、お上の命令をシカトして

自分勝手に動くことなんか平気でした。だから、命懸けの戦場でまともに

戦わせようと思ったら、刀を抜いて脅かして、まともにやらんと斬っちまうぞと

見張っておくしかなかったんですね。で、兵士は脅かされればしぶしぶ

戦うけれど、隙あらば逃げだそうと考えていたはずです。

古代中国の合戦で、戦況が不利になるとすぐに兵士が雪崩をうって

潰走しはじめるのは、こういうわけなのでした。

 

やる気スイッチがONになると、無敵!

 

しかし、本気になった時の中国人のパワーはすさまじいです。

彼らは、ひとたび身内になれば命でも差し出します。これも儒教です。

儒教では、身内のことは自分の命と同等に大切にしますから。

キングダムで、信(しん)の親友の漂(ひょう)が死ぬ時に(これ一番最初の

部分なんでネタバレにならないですよね?)、信が大将軍になれれば

自分も大将軍になれるって言っていたのは、気休めじゃなくて

本気でそう思っていただろうと思います。

俺とおまえは一心同体、っていうのは、儒教における身内に対する考え方そのものです。

三国志の呉(ご)の甘寧(かんねい)の切り込み部隊は無敵でしたが、

彼はギャング出身ですから、ギャング時代からの一心同体の兄弟たちと

戦っていたためにあんなに強かったんでしょう。

 

三国志ライター よかミカンの独り言

 

もし中国人から身内同然の恩をこうむったら、自分も相手を決して裏切れなくなったと

覚悟しなくちゃいけないみたいです。それができなければ人でなしだと思われます。

中国人のことを団体行動が苦手で利己的と思っている日本人が多いと思いますが、

その裏返しで、中国人は日本人のことを平気で身内を裏切る信頼のおけぬ人々と

思っていることでしょう(日本人は公益のために個人的な交誼を犠牲にできるので)。

日本では「ご先祖様教」より「世間様教」のほうが強く、集団の中に自分の存在価値を

見いだしているから骨肉の身内よりも集団のほうを優先できるんですね。

そういう価値観は中国人には理解不能だと思います。

Why, Japanese people! って、思われてるんじゃないかな~。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:あなたが実際に兵士として戦場に行軍してみたらどれだけ大変なの?

関連記事:三国志の時代に活躍した兵士の逸話

■古代中国の暮らしぶりがよくわかる■

 




 

よかミカン

よかミカン

投稿者の記事一覧

三国志好きが高じて会社を辞めて中国に留学したことのある夢見がちな成人です。

個人のサイトで三国志のおバカ小説を書いております。

三国志小説『ショッケンひにほゆ』

【劉備も関羽も張飛も出てこない! 三国志 蜀の北伐最前線おバカ日記】

何か一言:
皆様にたくさん三国志を読んで頂きたいという思いから わざとうさんくさい記事ばかりを書いています。

妄想は妄想、偏見は偏見、とはっきり分かるように書くことが私の良心です。

読んで下さった方が こんなわけないだろうと思ってつい三国志を読み返してしまうような記事を書きたいです!

関連記事

  1. 【シミルボン】こいつを捕まえたら1万銭!三国志の時代にもあったW…
  2. 諸葛孔明が10万本の矢を調達・生産したことに魯粛は驚いたのか?
  3. 「十万本の矢」孫権・周瑜・張巡の変遷とパクリ歴史を紹介
  4. 曹操に命乞いをする呂布と反対する劉備 劉備と呂布の関係って現代でも通用する?裏切られたら容赦はしない、…
  5. 五胡十六国の火種は曹操が撒いた?各時代の異民族を紹介
  6. 【どっちの皇帝show】曹丕と曹叡はどっちが名君?
  7. 呂布と劉備 【呂布の心に響いた名言】その肉を飽かしむべし。飽かざれば人を咬ま…
  8. 法正が亡くなり悲しむ劉備 蜀建国以前に劉備に仕えた歴代の軍師・参謀役を徹底紹介!

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. 赤穂浪士の吉良邸討ち入り
  2. キングダム53巻
  3. 夏侯淵
  4. 孔融

おすすめ記事

  1. 陶淵明はどんな人?働きたくないでござる酒を愛したニート系詩人
  2. ドリフターズの主人公・島津豊久ってマイナーだけど何をした人なの?
  3. 関羽千里行って有名だけど何なの? 関羽千里行 ゆるキャラ
  4. 呂不韋の成功哲学!自ら立てた計画とは? 呂不韋
  5. 【李傕・郭汜祭り 1日目】凶悪!董卓を上回る暴君李傕の履歴書 李カク、献帝
  6. 澶淵の盟の背景は?燕雲十六州を巡る争いの歴史について解説 「宋」の国旗をバックとした兵士

三國志雑学

  1. 太平道の祖・張角(黄巾賊)
  2. 三国志時代の牢獄
  3. 孟獲キャッチコピー
  4. 陳蘭
“はじめての三国志150万PV" “はじめての三国志Youtubeチャンネル" “広告募集" “誤字・脱字・誤植などの報告フォーム"

はじめての三国志 書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

  1. 親友に裏切られた曹操
  2. はじめての三国志 画像準備中
  3. 兀突骨
  4. 嬴政(始皇帝)
  5. 陸遜
  6. おんな城主 直虎
  7. スピリチュアルにハマる光武帝

おすすめ記事

3月レキシズルバーSP「はじめての三国志」をやってきたよ 曹操は褒め上手 三国一のヨイショ男、曹操の部下の褒め方が半端ない 項燕(こうえん)とはどんな人?信と蒙恬を撃破する王騎レベルの名将! 【お知らせ】新企画第2弾「はじめての三国志ストア」をリリースします。 于禁を虐める曹丕 于禁と共に関羽に降伏した浩周と東里袞のその後とは? 三国志演義が詳細に描く諸葛孔明の病状とはどんなモノ? 徳川慶喜とナポレオン三世の知られざる日仏交流史 はじめての三国志 画像準備中 袁盎(えんおう)とはどんな人?国家の為にあえて諫言を発し続けた政治家 Part.2

はじさん企画

“if三国志" 英雄の死因 “三国志とお金" “はじめての漢王朝" “はじめての列子" “はじめての諸子百家" “龍の少年" “読者の声" 袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
英雄の武器 編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志" 英雄の墓特集 誤字・脱字・誤植などの報告フォーム
“西遊記"

“三国志人物事典"

PAGE TOP