キングダム588話 休載スペシャル「キングダムの時代に祭りはあったの?」

2019年1月26日


 

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合併号の関係で2週間ぶりの掲載になったキングダム

しかし、ここで残念なお知らせ1月31日発売のYJはキングダムがまたお休みです。

ですので、キングダムが休載の時にはこちらで楽しみましょう。

お馴染みキングダム休載スペシャル、今回はキングダムの時代のお祭りです。

今回は、キングダム五百年の戦乱の時代にも祭りはあったのか?

もちろんあります!しかもそれは、少し前の日本の縁日のような雰囲気でした。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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キングダム588話休載スペシャル 秦の時代の豊年祭「臘」

 

むーらの鎮守のかーみさまのー今日はめでたいおーまつりびー

ドンドンヒャララ、ドンヒャララー、ドンドンヒャララ、ドンヒャララ

朝から聞こえる笛太鼓ー

 

 

こちらは、日本の民謡、唱歌、村祭の一節です。

実は、キングダムの時代の祭りは、この少し昔の日本の村祭りに似ていました。

秦では、陰暦の十月と正月元旦に万物の霊を社に索めてもてなす(ろう)という儀式があったそうです。

 

陰暦の十月は古代中国のマナーブックとして知られる礼記の記述によると、天子が日月星辰を祭って来年の豊作を祈り雄牛を裂いて社神に祈るとあり

まさしく、日本の豊年祭りと同じニュアンスである事が分かります。

当時の秦の宗教は儒教のベースになった儒というシャーマニズムであり神霊から助けてもらう為には、何らかの生贄を捧げる習慣だったようです。

その為、社ではこの時の為に大事に育てた牛を殺してその肉を捧げ、同時に万物の神霊を呼び寄せる為に酒を沢山造って備えました。

 

もちろん、生贄を捧げて神霊をもてなした後は、牛の肉を煮て村人に振る舞い酒も全員に配って、村人全体で歌い踊り狂っていました。

秦の時代、村人が大っぴらに酒を飲んで楽しめるのはこの春秋の臘だけでした。

だからこそ村人は、一年間の苦労をこの両日に爆発させて歌い踊ったのです。

 
 

 

キングダム588話休載スペシャル 鎮守の森にそっくりな社

 

この臘を行う場所を(しゃ)と言いました、つまりやしろ・もりです。

社には土地の神様を祀りますが、古代中国の観念では神霊は空中を漂っていてそれらは、呼び出すと樹木に降りると考えられていたようです。

そこで、社は土を踏み固めて壇を築きその上に沢山の樹木を植えていました。

なにかに似てますよね?そうです、日本の鎮守の(もり)とそっくり同じです。

 

社は、王が天下の為に建てた太社、王個人の為に建てた王社、諸侯が民の為に建てた国社、諸侯自身の為に建てた侯社、

大夫以下が合同で建てた置社のような種類がありましたが、やる事は基本的に変わっていないようです。

 

—熱き『キングダム』の原点がココに—

春秋戦国時代

 

 

キングダム588話休載スペシャル 城戸村にもあった里社

 

春秋左氏伝哀公の十五年に、社は二十五家に一社存在していたとあります。

キングダムの時代には、二十五家をまとめて里と呼んでいたので社も里社と呼びます。

里社はちゃんとした建物で、中には二十五家に所属する人間全員の戸籍が供えられていたそうです。

 

二十五件に一つなら、どんな小さな村でも社は存在していたという事になります。

当然、信の居たとされる城戸村にも社は存在していたでしょう。

 

下僕だった信や(ひょう)も村の一員に違いはないので城戸村の臘では大いに牛肉を食べて歌い、踊り飲んだと思います。

漫画には描かれませんが、今だって年に二度の臘では、河了貂(かりょうてん)尾平(びへい)羌瘣(きょうかい)のようなメンツと共に、飲んで食べて大いに盛り上がっているに
違いありません。

今は大都会の咸陽に在住している筈なので、臘もかなり盛大でしょう。

元旦の祭りは寒くて軽装にはなれませんが、旧暦の十月なら現在の10月下旬から12月の頭なので軽装で出歩くことも出来たと思われます。

当時は出店はありませんが、村人が一年の労苦をお互いに労い、歌い踊る様子は日本の縁日に近いものであったのでしょうね。

   

 

キングダム588話休載スペシャル 社は行政の場でもあった

 

里社は、神様が下りる場所なので、建物なども装飾して立派だったようです。

ここには、簡単な役所の機能や集会場、それに紛争の調停なども行い特に夫婦喧嘩のような人に知られる事が憚れることは里社の中で

密かに調停が行われていたと言われます。

また、里社は村人を集めて集会を行い、大事な決定を行う場所でもあり、村の長老を中心に、村の問題が話し合われる政治の場でもありました。

そして、戦争の時には牛を生贄にしてその血を(すす)り、あるいは生贄の血を武器に塗り付けて必勝を誓う場所でもあったのです。

 

そんな社ですが、普段は誰も使う人がない上に周辺は樹木で覆われているので鼠やキツネ、タヌキの巣になっていたそうで、時々は、ネズミを追い出す

為に煙を焚いて燻したりして火事になった事も文献には見られます。

 

キングダム588話休載スペシャル 陳平も臘で名を挙げた

 

キングダムより、少しだけ後の楚漢戦争で登場する智謀の士である陳平(ちんぺい)

農民身分に生まれた貧しい青年でしたが、臘での生贄の牛の肉の分配が上手だったので、村の長老に一目置かれて名前が知られました。

 

この時に無名の陳平は、ため息をついて

「私に天下を任せてくれたら、この牛肉のように上手に捌くのに」と

言ったのだそうです。

彼は若い頃から、中々の野心家だった事が分かります。

 

さて、国政を切り盛りする行政の長の事を、俗に宰相(さいしょう)と言いますが、宰とは肉切り包丁の事で、かつては生贄の肉を皆に均等に切り分ける仕事をする人
を家宰と言ったことから始まっています。

現在でも、富の不均衡と格差の拡大が日本の社会問題になっているわけですからいかに富を公平に分配するかという意味での宰相は死語にはなっていな
いのです。

 

※参考文献:中国社会風俗史 東洋文庫 尚秉和

 

キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言

 

今回はキングダムの時代の祭りについて書いてみました。

祭りの場所は明らかに日本でいう所の鎮守の森であり、そこで、秋と春の二回、来年の豊作を願い、神々をもてなしたのですから、

日本の豊年祭りと同じものであると言えます。

こうしてみると、キングダムと日本、2200年の時の隔てが存在しても身近な感じがしてきませんか?

 

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kawauso編集長です。 はじ三の中の人です。 様々なトピックを立てますが 盛り上がらない時には ごめんね。 大体、咬まないので 気軽にからんでもらえると 嬉しいです。

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