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キングダム595話ネタバレ雑学王翦はどこから鄴を攻めた?

2019年3月30日


 

 

3月28日はキングダムは休載でした4月4日までキングダムはお預けです。そこで、今回は王翦(おうせん)(ぎょう)攻め本当はどこから攻めたのかを解説してみます。

 

キングダムでは南から攻めたように見える鄴ですが、史実では趙から見て西の上党郡(じょうとうぐん)から攻めています。

そこから謎に包まれた王翦が落とした九城の名前が分かってきました。

 

自称・皇帝
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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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キングダム595話ネタバレ雑学 王翦が出撃したのは上党郡

 

 

実際に王翦が進軍してきたのは、実は南ではありません。それ以前の紀元前260年、長平の戦いで勝利した秦は元々は韓の領地だった肥沃な上党郡を攻め取りました。

 

実は、この上党郡は韓の飛び地で秦から守れなくなったので趙に与えたのですが、秦も上党を欲しがり趙も引かず、結果として勃発したのが長平の戦いだったのです。

 

春秋戦国時代の白起、デビュー戦から大殺戮

 

その時、秦の将軍は白起(はくき)で趙の総大将だった趙括を破り彼が率いていた趙兵を少年兵を除き40万人も穴埋めにして殺戮、それにより趙は決定的に没落してしまうのです。

 

秦の旗を掲げる兵士

 

この後、上党が趙や韓に奪還された記述はありませんので上党は秦の領地であり続けています。史記では、王翦がどこから趙に攻めこんだか書かれていませんが、ほぼ間違いなく上党郡と見て間違いありません。

 

 

 

キングダム595話ネタバレ雑学 王翦が落とした九城を特定してみる

 

これにより史実では王翦は南ではなく、邯鄲から見て西になる上党から攻め込んだと確定しました。

 

剣を持ち戦う楊端和

 

では王翦が桓騎や楊端和を率いて陥落させた九城とはどこになるのでしょうか?紀元前236年の状況では、秦は閼与(あつよ)から北の趙の領地を陥落させていないので北という事はありません。

 

すると、真っすぐ東の邯鄲を目指して進軍したと考えていいでしょう。そこで考えられる九城とは、中牟(ちゅうぼう)蕩陰(とういん)防陵(ぼうりょう)安陽(あんよう)伯陽(はくよう)朝歌(ちょうか)平陽(へいよう)黄城(こうじょう)繁陽(はんよう)辺りではないかと考えられます。

 

これらの九城は(ぎょう)周辺に展開していて、これらの城をしらみ潰しに落とす事で鄴を孤立させるのが王翦の作戦でしょう。その後、王翦は一人で閼与を攻める為に北上してこれを陥落させています。地形を見る限りは、鄴が難攻不落だからという理由ではなく完全に鄴を封じ背後を狙われる恐れがない事を見極めて、

 

ついでに閼与を落としたという感じではないかと思います。

 

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キングダム595話ネタバレ雑学 兵士選抜の理由は楽勝だったから

 

さて、閼与を陥落させた王翦は戻ってきて兵力を再編成し特に功労がない兵卒を返して精兵を集めて鄴を落としたとあります。

 

ここでいう精兵とは、恐らく真面目に動ける兵士の事で、それ以外はあまりやる気がない怠惰な兵だったのではないでしょうか?何が言いたいかと言うと、紀元前236年の鄴攻めは楽勝で秦兵は窮地に陥る事もないので士気がたるんでしまいやる気のない兵士が増えてしまったのではないかと思います。

 

陸遜の部下の兵士

 

そんなやる気のない兵士と精兵を混ぜて鄴を攻めれば、いらぬ損害が増えるだけなので、思い切ってやる気がなく手柄がない兵士は帰らせたというのが史実の鄴攻めの真実ではないでしょうか?実際の趙は漫画と違い李牧が出てくるまで半死半生の状態であったのです。

 

キングダム595話ネタバレ雑学 邯鄲を落としてから北を制圧

罠を仕掛ける王翦

 

鄴を落としてから王翦は、紀元前229年、趙の井陘(せいけい)を降します。

 

そこに李牧と司馬尚(しばしょう)が立ち塞がり戦線が膠着すると秦はかねて買収してあった趙の重臣郭開(かくかい)を使い、幽繆(ゆうぼくおう)に讒言して李牧を誅殺に追い込みます。そして、3か月では邯鄲を落とし、さらに北に逃げていた幽繆王を捕らえ、さらに辺境の代で即位した公子嘉をバックアップしている燕を攻めるべく中山に駐屯するのです。

 

これによって、北に長い趙はあらかた秦により征服されてしまいます。実際に地図を見ると、その顛末がよく分かります。

 

キングダム595話ネタバレ雑学 趙を滅ぼしてから統一まで早い

亡くなる李牧

 

史実において、秦が最初に滅ぼしたのは韓ですが、二番目は趙です。そして趙というのは、、魏に領地を接しています。

 

王賁

 

趙が落ちてしまったのは、他の五カ国にとって致命的な事であり、趙の次には王賁(おうほん)が魏の都の大梁を水攻めにして滅ぼし、次には楚をさらには燕を、最期には斉を滅ぼして天下統一になりますが、この4カ国は全て趙と国境を接しているのです。これを見ると秦の天下統一において、趙の滅亡が大きな転機になっているのは疑いないでしょう。

 

キングダム595話ネタバレ雑学 漫画では鄴攻めを難しくしている理由

ボロボロになりながらも戦う信

 

では、どうして漫画では鄴攻めをわざわざ咸陽を出て、黄河に沿いながら東に向かって進み、架空の国門、列尾を落としてから北上するという面倒な手順を取らせたのでしょうか?

 

それは、紀元前236年の時点では、もう秦は邯鄲を目と鼻の先である地点に捉えてしまっているからです。

 

史実通りに進むと、これを盛り上げるのは難しいでしょう。そうでなくても、それ以前に邯鄲は秦軍に包囲されているのです。

 

趙の旗

 

また、趙の滅亡はキングダムとしても大きなウェイトを占める話であり史実のように実は李牧出てきませんし、割と楽勝でした。

 

こんな風に終わらせてしまうわけにはいかないのです。それからキングダムでは邯鄲と鄴にはそれなりに距離がありますが、実際には目と鼻の先の距離でしかありません。

 

キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言

 

今回は実際の当時の地図を元に王翦が本当はどのルートを取ったのか?そこを考えてみました。

 

実際の王翦は咸陽から黄河沿いに長い距離を進み北上に転じたのではなく長平の戦いで得た東の拠点である上党郡を通ったのです。

九城を落とすなど、なかなか派手な戦いに見えますが内容を見てみると趙から大きな反撃もなく鄴もよく守っているものの防戦一方であり戦い自体は秦の楽勝であったと言えます。その後、雁門を守っていた李牧が登場してきた事で秦は桓騎が破れるなど一時、窮地に陥りますが再び王翦が登場して趙は滅亡を迎える事になります。

 

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