大人気春秋戦国時代漫画キングダム、現在、朱海平原で飛信隊vs趙峩龍の戦いが続いていますが、この戦いは史実により王翦が勝利する事が確定しています。
そして、趙は紀元前228年には王翦の軍門に屈し、李牧も趙の幽繆王に逆らい謀殺される事が確定しています。
しかし、王翦の智謀で勝利したかに見える戦い本当は、自然災害のせいで決着した可能性もあるのです。
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この記事の目次
キングダム597話ネタバレ雑学 李牧のリベンジが開始される
朱海平原の戦いで更迭される李牧の後には、扈輒という人物が大将軍になりますが、秦の攻勢にさらされて戦死してしまいます。
※あくまでもキングダムの話で史実の李牧はまだ中央に出てきていません。
そこで、渋々、李牧の再登板という形になりますが、ここから李牧のリベンジが開始されます。
紀元前233年秦、赤麗・宜安を攻む。
李牧、師を率いて與に肥下に戦い之を却く。牧を封じて武安君と為す。
紀元前232年秦、番吾を攻む。李牧之と戦い、之を却く。
このように李牧は連年攻めてくる秦の将軍を撃破、特に紀元前233年の秦の将軍は桓騎と推定されています。
赫々たる戦果により李牧は武安君に封じられます。この頃が李牧の人生の絶頂の時でした。
キングダム597話ネタバレ雑学 趙を大地震が襲う
ところが、李牧の戦勝による折角の優位は、人間の手ではどうにもならない自然災害で打ち砕かれます。それが、紀元前231年に起きた代の大地震でした。
趙の地には、太行山脈というのがありますが、そもそも山脈とは岩盤と岩盤がぶつかって土地が盛り上がる事で形成されるものです。
当然、山脈がある所では地震が起きるという事です。
この時の大地震は規模が大きく、被害は以下のように記録されています。
幽繆王五年、代の地、大いに動く。楽徐自り以西、北のかた平陰に至るまで、
台屋牆垣大半壊れ、地の東西に圻くること百三十歩。
史記 趙世家
平陰というのは邯鄲の近くで、これが首都直下型地震であった事を意味しています。
代は、かつて趙の都だった事もある土地であり被害は深刻でした。
地の東西に裂ける事、百三十歩とは、長さ1・7キロくらいの大地の裂け目が生じたという事です。
折角の戦勝ムードをぶち壊す降って湧いたような災難でした。
キングダム597話ネタバレ雑学 趙を大飢饉が襲う
大地震は、当然大地震だけでは終わりません。
家屋が崩壊し、人民が死傷し、田畑にも深刻な被害が発生しました。
人々は復旧作業に追われて野良仕事どころではありません。
そして、翌紀元前230年には案の定、趙を大飢饉が襲ったのです。
幽繆王六年、大いに飢ゆ。
民、譌言して曰く、趙は号を為し、秦は笑いを為す。
以て信ならずと為さば地の毛を生ずるを視よ
趙世家
大飢饉が発生した結果、人民は大いに飢えてしまい流言が乱れ飛びました。
「秦は笑い、趙は号泣する、それを信じられないというなら
地に草が生えて穀物が獲れない事を見よ」
そして、翌年、秦は大飢饉を見透かしたように趙に攻めこんだのです。
人民が飢饉で苦しんでいる時にきったねーという話ですが、これが乱世というものでしょう。
キングダム597話ネタバレ雑学 郭開は佞臣ではなかったかも?
これに対し、趙は李牧と司馬尚を出して王翦や羌瘣と対峙する事になります。
しかし、震災から立ち直っていない状況での戦争は困窮した人民をさらに搾り取ります。
史実では、ここで趙の重臣の郭開が李牧と司馬尚が謀反を企んでいると幽繆王に讒言し、それを信じた王が李牧を更迭しようとし
李牧はそれを拒否した結果、謀殺されたと言われています。
ですが、本当は趙は戦争どころではなく、どの道、秦の物量の前に敗れ去る運命であり、
郭開は「どうせ勝てないなら大負けする前に降伏するように」と幽繆王に進言したのかも知れません。
もしそうなら、郭開の進言も趙の人民にとっては悪くない選択であり、一概に佞臣と断じる事は出来ないかも知れません。
また、謀反を企んでいるという讒言は、つまり李牧と司馬尚が積極的に打って出ず守りに徹している事を意味するかも知れず
或いは王翦が兵糧不足を見越し、積極的な戦いを避けた可能性もあります。
戦争が長引けば、ただでさえ飢饉で苦しむ趙の人民がさらに苦しむ事になります。
そこで積極策に打って出よと幽繆王が指示したものの、李牧は頑固に守勢を変えずたまらなくなった王が李牧を逮捕して
強引に前線から引きづり降ろしたかも知れません。
これという証拠がないので、どこまでも推測でしかありませんが・・
キングダム597話ネタバレ雑学 王翦はラッキーマンだった
実際には敵国の蹂躙より、一度の大災害の方が敵国には打撃が大きいです。
敵は利益を求めて土地を攻め取るので、関係ない人民や都市は破壊しないものですが大地震や水害は、そんな遠慮なく全てを破壊してしまいます。
ナポレオンのモスクワ遠征の失敗も尋常ではない寒波の到来が理由ですし、チンギス・ハーンの統治していた頃のモンゴルは何年間も温暖湿潤な気候が続き人も馬も牛も羊も肥え太っていたそうです。
チンギス・ハーンは、この何百年に一度という僥倖を逃がさず、世界を征服しにいくという大事業に乗り出し成功を収めたのです。
いずれも人間にはどうする事も出来ない自然が歴史を動かしたケースです。
王翦にしても軍略というより、彼がたまたま趙の大地震に遭遇した時に将軍を任されたというラッキーによる影響が大きいのではないでしょうか?
名将には運もついているものですから、その意味でも王翦は名将であり李牧は残念ながら運が無かったと言えるかも知れません。
キングダム(春秋戦国代)ライターkawausoの独り言
李牧は頑張ったのですが、趙という土地の性質上避けられない大地震に運悪く遭遇してしまったのでしょう。
一方の秦も背後には秦嶺山脈があり、大地震とは無縁ではありませんが、この時代には大地震に遭遇する事はありませんでした。
あまりにもタイミングがよい趙を襲った大地震、それもこれも、秦が天下を統一する天の意志だったと解釈すると趙の大地震は、他の五カ国にも少なからぬ動揺を与えたのではないかと思います。
秦王政も彼の軍団も、自分達は中華を統一するように天から命じられていると密かに思ったのではないでしょうか?
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