キングダム625話のラスト2ページはキングダム史上に残る名シーンでした。
やっと立ち上がった信の背後に尾到、漂、王騎、麃公、輪虎、万極、成蟜のようなすでに亡くなった味方や敵が北斗神拳究極奥義無想転生のように佇んでいるのです。これは龐煖には衝撃的でした。たらこくちびるおばけ一人でも錯乱したのか思う程の雄たけびを上げていたのに、これだけ大勢の背後霊が見えるとなると、発狂するんじゃないでしょうか?
それはさておき、これで完全に形成逆転、ここから龐煖はどうするのでしょう。
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この記事の目次
龐煖が無想転生に怯える理由
しかし、どうして無双の武力をもつ武神龐煖が、信の無想転生に怯えているのでしょうか?
これはよくよく考えると龐煖が肉体は滅んでも霊魂は不滅という概念を信じてないからです。人は死んだら土くれと同じで死者の遺志を生者が継ぐのは自己満とうそぶいていた龐煖から見れば信の背後に、存在しないハズの自分が殺した連中が見えるのは怖いでしょう。
「武神、武神、言って調子乗ってたけど、俺祟り殺されるんちゃうん?」と思って震えがきたのかも知れません。龐煖なんて今まで巻き添えでどれだけの人を殺してきたか分かりません。あの世があるならただでは済まない、自分が無慈悲に殺してきた連中に襲い掛かられ復讐されるのではないかと恐怖したのかも知れません。
つーか、、万極、お前、一応趙の人間の癖に、何で龐煖の前に化けてでるんだ。
そうなれば龐煖の取る道は一つで何が何でも信を殺して生き延び、死者の復讐を少しでも先に延ばすしかありません。
龐煖は己を追い詰めて逆転を図る
ここまでの経緯を見るに、個として武を極めた龐煖は李牧のコメントが正しければ、19年前に武を極めてしまい、そこから強くなってはいないと考えられます。龐煖の武とは個人の武であり、それは19年前に打ち止めになっているのです。逆に李牧が、もう一つの人の代表とのたまわった信は、個人の武では龐煖に及ばないにしても、人の思いを繋げる事で、恐らくは無限に強くなると推測します。
それは相対的には蕞の戦いで龐煖と対峙した時より信の成長が龐煖を上回っているという意味になるでしょう。さらに625話では、龐煖は信の攻撃で膝をつく醜態を曝しており、このまま戦いを続けると、信に敗れる可能性もあります。
しかし、龐煖が今さら信を真似して、人の思いをエネルギーとして戦うのは不可能です。彼は己が殺した相手に何の友情も感じていなければ、死者の思いを継ぐなんて器用な事は考えた事もないからです。
では、どうするか?これはもう信の真逆しかありません。武神としての矜持をかなぐり捨て、殺されるかも知れないという恐怖で己を追い詰めて死にたくないという闘争心に火をつける事です。
己の目を潰し最強モードになる龐煖
龐煖にとって、今一番の雑音は信の背後に見える守護霊みたいな連中です。しかし、信と対峙する以上は、どうしてもこの連中を見てしまい心が乱れてしまいます。そこで龐煖は、己の心の甘えを完璧に遮断する為に、自分の両目を突いて潰してしまいます。
※あるいは北斗の拳のシュウのように、両目を指で引っ掻く形で潰す方法でも可です。
こうして暗闇の世界にあれば、龐煖は信の守護霊の幻に惑わされる事はありませんし、同時に視力以外の五感を研ぎ澄ます事で、己の力を100%振り絞れると思います。信は、他人の思いを繋ぐ事で強くなるのに対し、龐煖はどこまでも己の力のみを絞り出す事で個人の武を炸裂させる事になります。
すでに矛を振る力もなくし殴り合う二人
目を潰し総力を懸けて信に襲い掛かる龐煖、自らの目を潰してまで最強の武を示そうとする龐煖に信は理解はできないにしても、一種の感動を覚えます。それでも信も思いを託された以上は負けるわけにはいきません。全力で矛をぶつけ合う間に二人は疲労の極致に達し、すでに矛を振る力もなく、相手に縋るようにして殴り合いを開始します。
ぶざまです!武神龐煖ぶざまの極致、なんたるぶざま、天下万民を救済すると上から目線の男が膝をついたまま、技巧も何もなく、ひたすら殴り合うだけ、、しかし、殴り合いの中で龐煖は初めて戦いというものに心が躍動するのを感じます。
(そうか、、これがお前達の言う思いというものか・・)
光を失った龐煖が両目から涙を流します。それを見て、趙の人々がまるで漫画激烈バカのように、目と鼻から体液を流して感動します。それを見て飛信隊の面々も顔中から体液を噴出します。なんだこいつら!(爆
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