キングダムの読者の多くが、やがて登場する事を知りながら、未だにその姿さえ見せていない謎めいた敵将、項燕大将軍。主人公である信が完膚無きまでに叩きのめされる運命にあるという事からも、そのキャラクターについて想像が膨らみますね。
そこで、今回のはじ三では、これまでの敵キャラを踏まえて、項燕がどんなキャラクターになるかを考えてみたいと思います。
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この記事の目次
廉頗クラスのジジイ
キングダムで僅かに知られる項燕の消息は、かつて趙に攻めて来た王齕に対して副将汗明を派遣して、これを撃退したという事実だけです。
こちらを実際の歴史で推定してみると、楚の春申君が趙の平原君を救援する為に邯鄲に援軍を出した紀元前258年であると考えられます。だとすると、キングダム時間の紀元前236年から考えると22年前という事になり、その時点ですでに大将軍だったという事になると、どう考えても50歳以上、下手をすると廉頗クラスのジジイだと思います。これらの事を総合すると、今後登場する項燕は、眼光鋭い巨体のジジイだと思います。北斗の拳のラオウに年を食わせ騎乗した姿とかだとインパクトがありそうです。
執念深く徹底した性格
史実の項燕は楚に攻めこんできた信と蒙恬の軍勢を楚の広大な領地の奥深くに誘い込み、三日三晩追撃して、これを撃破したと書かれています。大軍を率いて三日三晩休みなく追撃させるわけですから、並外れた統率力と執念深さを持っていると言えます。
さらには、この戦いで少なくとも信が率いた十万は壊滅し、将校は七名が戦死したとされているので、一度戦うとなれば、敵の降伏を許さず、最後の一兵に至るまでぶち殺そうとする徹底した性格であると考えられます。これは、これまで登場した楚人の激しい性格と合致しているので、なかなか相乗効果があっていいでしょう。さらには、本能型の将軍であり、危機についてはすぐに回避してしまう性格だとすれば、計略に掛ける事もできず、廉頗クラスの厄介な敵になるでしょう。
天下に興味がないローカル将軍
さて、項燕の特徴は虎の異名を持ちながら李牧のように、出しゃばって六国を纏めようとか考えていない事です。これを推測すると項燕は、中華に名を馳せようという功名心がないと考えていいと思います。
これについては、最近、後ろ姿だけが判明した趙の司馬尚についても同じで、自分の領地が侵略されそうになったから出てきただけで、そうでない限りは王の招聘にも応じない頑固な性分でした。李牧にしても秦王政の中華統一の野望を聞いたからこそ、趙を滅ぼさない為に、あれこれ画策しているのであって、そうでないなら雁門から出ないでしょう。
もう一つ、楚は領地が広大であり、自分達の一国を天下と見做している感じがあります。なので、広大な領地に安住して強いてまで外に撃って出る意識が弱く、項燕も虎と呼ばれつつも自ら積極的に国外に出ていく事がなく、王の命令に従って動く事しかしないのでしょう。
逆に言うと、信が楚に攻めこんだ時には楚が大混乱し、命令系統が崩れたので項燕という鎖に繋がれた虎が自らの意志で獲物に飛び掛かったみたいな展開になると盛り上がるのではないでしょうか?
案外李牧に託されるのか?
史実の項燕は、紀元前225年まで登場してきません。しかし、漫画でそれをやってしまうと、あまりにも唐突に項燕が登場する事になり、盛り上がりに欠けます。実際には李牧にしても史実の登場は紀元前233年ですから、かなりの前倒しで登場していますしね。
このパターンから考えると、李牧が幽繆王に誅殺される紀元前228年以前に、李牧が項燕を口説いて秦を打倒する為に力を貸してくれと要請するかも知れません。李牧は以前の合従軍で、参謀役をやっていたので五カ国の主要キャラと面識があるので、項燕と以前から面識があってもおかしくなく、ちょうどホウキの役割を果たして、反秦の勢力を糾合するような動きをするのではないかと思うのです。
その李牧は、主君に恵まれずに幽繆王に誅殺されるわけですが、自分が死んだ後には、項燕を中心に打倒秦に動くように遺言を託すというのも不思議はありません。
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