関羽の武力ばかりに目が行くが、他能力はどうだったの?関羽の能力を考察

2020年3月20日


 

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関羽の青銅像

 

関羽(かんう)と言えば誰もが認める勇将であり、義将であり、その人気のあまり神とまでなった武将ですね。そんな関羽は良く評価される一方で、ここがだめ、と欠点を挙げられてしまう人物でもあります。

強くなる関羽

 

それを踏まえて考えて見ると、関羽の武力以外の能力はどう評価されているのか、どう評価されるべきなのか。そこで今回は主に正史から、そして多方面から関羽という人物を見ていくとしましょう。

 

自称・皇帝
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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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関羽の武力は誰もが認める所

関羽

 

関羽と言えば正史でもその武勇はしっかりと記されています。その武勇の振るわれた瞬間と言えば、やはり袁紹(えんしょう)との戦いの中で顔良(がんりょう)を斬ったあの戦果。官渡の戦い(かんとのたたかい)曹操(そうそう)の客将として出撃した関羽は、猛将と言われていた顔良を討ち取りました。

顔良を討ち取る関羽

その討ち取り方と言えば、顔良を見つけるや否や馬に鞭打って突撃。そのまま首をゲット!というのですから色々規格外ですよね、関羽は。ともあれ豪胆な振る舞いであるこの顔良の討ち取りから、関羽の武勇は世に知られていたっと言っても過言ではないでしょう。

 

関羽の政治力や個人的な性格は?

敗れる関羽雲長

 

ただ関羽はその武勇は高く評価されても、政治力や個人的な性格が非難されることが良くあります。その際たるものが「呉との争い」……つまり荊州の争いの発端が関羽にあるという話ですね。

 

関羽に無視される孫権

 

確かに講和しようとした孫権(そんけん)を自分だけの判断で突っぱねたり、地位のある人間を嫌ったことで配下の将軍たちに裏切られて命を落とす結果になったりなど、関羽にはこの荊州の地を任されてからというものやや悪癖が目に付きます。

 

関羽

 

特に呉との駆け引きが大事な場面で、あちらからの提案を突っぱねるというのは正史においてだけでなく、三国志演義でもしっかりと描写されているので印象深く残りますね。三国志演義でもこの頃から関羽の欠点が目に付いてくるターニングポイントとも言えるでしょう。

 

関羽だけの責任ではない?

関羽、司馬懿、蒋済

しかし少しだけフォローをしますと、この時点での蜀の状況、荊州の状況というのは結構詰んでいる状態でもあります。まずこの頃には魏の勢力が強大すぎて蜀だけでは対抗できません。このため呉との協力が必要不可欠になります。ですがそうなると荊州を手放す、というか呉の要求通り返還しなければいけないでしょう。

五虎大将軍の関羽

 

つまり演義補正でも何でもなく、そして関羽のせいだけでもなく、この時点で蜀という国の構造に欠陥があるのです。なので関羽だけの責任とは言い難いと思います。とは言え関羽ももう少し交渉を上手くしてくれれば……と思った所で、あることに気付きました。

 

完ぺきではないからこそ、関羽

酔っ払う関羽

 

これらの点は、間違いなく関羽の欠点です。関羽という人物を見ていく上で、良く非難されている、関羽の欠点なのです。しかし、欠点というのは人ならば誰でもあることです。

 

顔良と関羽

 

正史を見ていっても、三国志演義を見ていっても関羽という人は決して完全無欠の超人ではありません。武勇に優れ、忠義に厚く、しかしその一方で政治的な駆け引きの点では粗が見られ、性格にはやや傲慢な処もある。それが関羽という人物なのではないでしょうか。

 

関羽の死

 

個人的に関羽を見ていくと、そういう欠点がある所も魅力なのでは、と思いました。完全のようで完全ではない、それが関羽の魅力です。そして完全無欠でないことを非難されているのは、それは読者が「知らず知らずのうちに関羽に完全無欠を期待している」ということではないでしょうか。関羽は完璧でなくてはいけない……そんな理想と現実。その見方一つで関羽の評価が変化する、と思うと、何だか面白いですね。

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

今回関羽に付いて書こうとした時に、昔、吉川三国志で「劉備も孔明も関羽に頼り過ぎている。限度がある」という言葉を見た時に何だか少し違和感を覚えたことを思い出しました。

 

関羽は神様

関羽に頼る、関羽は頼れるというのが何だか当然にように感じていたんですね。しかし色々と調べて行くと関羽といえど超人ではないのです。しかしそれを踏まえてなお、関羽には完ぺきに近い人物であって欲しいという理想を描き、そして完ぺきには少しだけ届かない、という所に魅力を感じました。

 

皆さんは関羽に付いて、その能力について、どう思いますか?

 

参考文献:蜀書関羽伝 呉歴 魏歴 魏書荀彧伝

 

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英雄の墓

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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