こちらは2ページ目になります。1ページ目から読む場合は、以下の緑ボタンからお願いします。
この記事の目次
キングダム639話ネタバレ予想vol2「建は最強の趙を弱らせた功労者」
やがて、秦の白起は長平で趙括を撃破し、40万の将兵を穴埋めしついには邯鄲を包囲しました。一息に趙を滅ぼそうとした白起ですが、秦の宰相の范雎が白起の名声を恐れて、昭襄王に説いて趙に有利な条件で和睦したので、白起は不満を漏らし司令官を交代させられ、趙は滅亡を免れます。
それでも、一気に40万の将兵を失った趙の勢力は二度と戻らなかったのです。もし、斉王建が粟を融通していれば白起は趙は手強いとして、途中で退却し長平の戦いも無かったかも知れません。斉王建は趙攻略の陰の功労者なのです。
キングダム639話ネタバレ予想vol2「斉王建が秦王政と密約」
紀元前237年、斉王建は秦に向かい秦王政に臣下として挨拶しています。この時、秦王政は咸陽に酒を置いて大宴会を開きました。キングダムでは、この時の事が秦斉秘密同盟という事になっているのだと思います。一見フィクションに見えるアレは、本当にあった話を元にしているんですね。
但し、この時、斉王建と秦王政の間でどんな話し合いがもたれたか、史記にはなんの記載もありません。そればかりか、この記録があるのは田敬仲完世家だけで、秦始皇本紀には、記録されていないのです。
キングダム639話ネタバレ予想vol2「見事に何もしないを貫く斉王建」
しかし、会談の内容が不明でも、ある程度分かっている事もあります。それは、この紀元前237年から秦が斉を滅ぼす紀元前221年まで斉の歴史書、田敬仲完世家には斉が動いた記録がないのです。
紀元前230年、秦、韓を滅ぼす。
紀元前228年、秦、趙を滅ぼす。
紀元前227年、燕、荊軻をして秦王を刺さしむ。秦王、覚り、軻を殺す。
紀元前226年、秦、燕を破る。燕王、亡げて遼東に走る。
紀元前225年、秦、魏を滅ぼす。秦の兵、歴下に駐屯す。
紀元前223年、秦、楚を滅ぼす。
紀元前222年、代王嘉を虜にし、燕王喜を滅ぼす。
紀元前221年、秦の兵斉を打つ。斉王、相后勝の計に聴き戦わずして兵を以て秦に降る。
このように、中華が激動の歴史を繰り広げている頃でさえ、斉王建は秦にも味方しない代わり、五カ国についても冷淡な態度を取り続け、遂には自分まで宰相の后勝の計を聞き容れて秦に降伏したのです。ここから見ると、秦王政との会見の内容とは、建に中立を求める事だったかも知れません。
【次のページに続きます】