キングダム639話ネタバレvol3「白起は中華統一を目指した悲劇の旧六大将軍だった」


 

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白起(春秋戦国時代)

 

大人気春秋戦国時代漫画キングダム、旧六大将軍で最強の評価を与えられているのは、将軍筆頭の白起(はくき)でしょう。しかし、この白起、目玉ギョロギョロの怪人物として描かれ、少なくとも、好感を持てるような風貌をしていません。

 

それは白起が悪名高い長平の戦いで40万人もの趙兵を生きたまま埋め殺したという逸話のせいで、目的の為には手段を択ばない人物として見られているからでしょう。

kawauso

 

でも、それは正しいのでしょうか?kawausoは白起こそ、秦の中華統一を目指し全ての泥をかぶった悲劇の名将だと思います。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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キングダム639話ネタバレvol3「六国を滅ぼす明確な意志を持つ白起」

キングダム 戦国七雄地図

 

キングダムには、六大将軍と称された、白起、司馬錯(しばさく)公孫胡傷(こうそんこしょう)、王騎、王龁(おうこつ)(きょう)がいますが、この中で明確に中華統一の意志を持っていた大将軍は白起だけでした。それは、この六人の中で唯一白起だけが、楚の都である(てい)を攻めたばかりか、そこにあった歴代楚王の墓、王陵(おうりょう)を焼き払ったという記述が、史記白起王翦列伝に登場するからです。

曹操のお墓(曹操高陵)

 

当時の中華では、先祖代々の墓を守り、お祀りを欠かさない事が家を維持する事でした。弱肉強食に見えても、そこは各国の将軍は遠慮し、敵国の王陵は焼かないというのが、暗黙のルールだったのです。

 

歴代皇帝の墓を暴こうとする韓遂の兵士

 

しかし、白起はそれを堂々と否定し、楚の祭祀を不可能にしました。これは「お前達は滅ぶのだから墓など必要ない」という滅亡を示唆する挑戦状でした。白起は秦という超大国だけが中華に残り、後は滅ぶべしという中華統一主義者だったのです。

 



キングダム639話ネタバレvol3「白起が敵兵を殺し続けた理由」

春秋戦国時代の白起、デビュー戦から大殺戮

 

キングダムの時代の将軍は、敵兵を容赦なく殺害する冷酷な人が多かったのですが、その中でも白起は群を抜き、殺しも殺したりで84万人を殺戮しています。

 

これだけ見ると、血に飢えた殺人鬼のようですが、白起が中華統一を最終目標にしていたという事を思い合わせると感想が違ってきます。

敗北し倒れている兵士達a(モブ)

 

六国を滅ぼすという意志を持った白起にとっては、敵兵は一人でも多く殺してしまえば、それだけ敵の抵抗が減り、中華統一へ結びつく近道でした。他の将軍は今後の友好を考えて助命したり捕虜にしても、白起がそうしないのは、自分の代で六国を滅ぼす堅い信念があったからだと言えます。

 

キングダムネタバレ考察

 

キングダム639話ネタバレvol3「悲劇の幕開け野王陥落」

炎上する城a(モブ)

 

ここからは長平の戦いの原因になった野王陥落(やおうかんらく)上党(じょうとう)の離反について書きます。少し、面倒くさいですが、ここを知らないと王翦が40万人の趙兵を穴埋めした経緯が不明になるのでガマンして下さい。兵糧を運ぶ兵士

紀元前263年、秦は野王を陥落させました。これにより、韓の王都、(てい)からの補給線が途絶えた上党という土地が出現しました。本来ならば秦に降るべき所ですが、上党の民は、秦の野蛮さを嫌っていました。

 

上党太守の馮亭(ふうてい)は、「秦に降るくらいなら趙に救援を求めよう、そうすれば韓と趙で同盟が結ばれ、きっと秦に対抗できる」と説き、民はこれに賛成します。

 

馮亭は趙に行き、自分達は秦の民になるより趙の民になりたいと帰順を要請。趙には、そんな事をすれば秦の怒りを買うので受けてはいけないと反対する家臣もいたものの、趙の孝成王は、欲に目がくらみ上党を趙に併合しました。

 

思った通り、秦は激怒して王龁に上党を攻めさせ陥落。上党の民は趙に向かって難民になり逃げていきます。趙もこれを見殺しに出来ず、長平まで軍を派遣して収用しました。

秦の旗を掲げる兵士

 

二重にコケにされる形になった秦は王龁(おうこつ)を長平に向かわせ、趙は名将廉頗(れんぱ)に防御を命じます。これが長平の戦いの原因なのです。

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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