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この記事の目次
キングダム裏話「李牧の死も賄賂によるもの」
戦国策には、秦の徹底した買収工作について、以下のようにあります。
すなわち万金を資し、東のかた韓・魏に游びその将相に入らしめ、北の方、燕、趙に游んで李牧を殺さしむ。(以下略)
最初に秦王に六国の買収を説いた尉繚ですが、その後、始皇帝が恐ろしくなり逃走します。
しかし、買収工作そのものは、李斯がそのまま受け継いで汚れ役を引き継ぎ、買収できる者は買収し、買収に従わない者は刺客を放って殺すというやり方で、敵対者を地道に潰していきました。
後味が悪い話ですが、李牧についても秦について趙を裏切れという誘いを李斯がかけて、それを拒否したから刺客を放ち殺した可能性もありますね。
キングダム裏話「最後の合従軍も賄賂で潰れる」
戦国策によると、紀元前233年、荊(楚)斉、燕、代の4国が合従軍を組織して秦に反抗しようとした事があるそうです。
それに対し、秦の宮廷では対策に追われましたが、姚賈という人物が出てきて、車を百乗、金千斤を工作資金として受け取ると、この4国に盛大に賄賂をばら撒いて、ついに合従軍がうやむやになりました。
秦というと圧倒的な暴力で六国を平定したようなイメージですが、同時に楚から手に入れた黄金で六国の要人を買収し、反秦感情が合従軍に結びつかないように気を使っていたのです。
キングダム裏話「賄賂で骨抜きになった斉」
紀元前235年から開始された尉繚、そして、李斯、姚賈による買収工作に一番汚染されたのが斉でした。斉では宰相の后勝が完全に秦に篭絡され、秦により五カ国が攻撃されても、一切支援する事無く、また秦に対する備えもさせなかったそうです。
漫画においては、秦王嬴政の中華統一の理念に理解を示し、秦との間に不可侵条約を結ぶ斉ですが、実際には賄賂まみれになっていたんですね。
キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言
漫画キングダムを読んでいても南郡という地名を目にする事はありません。
しかし、紀元前279年に白起が楚の南郡を落とした事が秦の中華統一に決定的に重要だったのです。それは咸陽よりもずっと重要なポイントでした。
論説:南郡の建設と秦の貨幣制度 稲葉一郎
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