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陰陽師はどんな仕事?公務員から呪術廻戦に転換!政治を操った奇妙な人々


 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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陰陽寮は賀茂家と安倍家の家職となる

 

摂関政治(せっかんせいじ)の全盛期10世紀後半には、天文道、陰陽道、暦道すべてに通じた陰陽師賀茂忠行(かものただゆき)保憲(やすのり)父子、そしてその弟子の安倍晴明が輩出します。賀茂保憲は従五位下止まりが普通の陰陽師技官出身として異例の従四位上(じゅしいのじょう)、安倍晴明も50歳を過ぎてから頭角を現し従四位下(じゅしいのげ)まで昇進しました。

 

これは当時の摂関政治を主導した実力者藤原氏の信頼を得た事から出来た事であり、賀茂家と安倍家はやがて陰陽寮の役職を一族で独占。

 

安倍家は天文道を賀茂家は暦道を受け継いで、それぞれ門外不出としたので陰陽師は両家の世襲となり、さらに上級の役職に就任して宗教的な呪術や祭祀の闇の力で時の権力に影響を及ぼす存在になります。

 

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安倍氏は土御門を名乗り千年存続

足利義満

 

その後、武士の時代が到来すると安倍家と賀茂家の勢力は停滞しますが、南北朝期には足利義満に仕えた安倍有世(あべのありよ)従二位(じゅにい)まで昇進して公卿となり隆盛を極め、没落した主筋の賀茂家を抑え込んで上位に立ちます。そして代々の当主が住んだ屋敷の場所に因んで土御門(つちみかど)の家名を名乗り、唯一正統な陰陽師となりました。

 

室町時代から戦国時代は、再び没落した土御門家ですが、江戸時代に入ると徳川家によって陰陽道宗家と認められ、江戸城下町の風水を担当したり、日光東照宮の建立などで呼び出され助言を求められるなど活躍しました。

 

明治維新を迎えると陰陽寮は解体され国家公務員としての土御門家は終焉を迎えますが、現在でも、民間で本来の暦作りに携わっている安倍晴明の子孫の方がいるそうです。

 

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日本史ライターkawausoのまとめ

朝まで三国志2017-77 kawauso

 

陰陽師は、占いマニア天武天皇のお陰で陰陽寮が整備されて誕生します。当初は風水的な占いや暦作成や時を把握する地味な仕事でしたが、桓武天皇が怨霊に怯えて平安京に遷都すると御霊信仰から怨霊ブームが到来。

 

密教、神道、宿曜、道教まで幅広い呪術的な知識を持つ陰陽師が天皇や皇族や公家のために、秘術を尽くして敵を攻撃する呪術廻戦な状況が生まれました。

 

やがて、陰陽師の中から賀茂忠行・保憲、安倍晴明という博識の天才が登場して摂関家に取り入り陰陽寮の役職を独占して、賀茂家、安倍家が陰陽師を家職にするようになり、時の権力者に秘術をもって仕え、政治を左右するカリスマ呪術者になったのです。

 

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大和朝廷

 

 

 

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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