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元々はキリスト教と無縁だった騎士【西洋史ミニコラム】


監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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テンプル騎士団

 

騎士と言えばRPGではお馴染みの職業ですし、そのイメージは信仰心に厚く、正義感に燃え弱者に優しく女性に親切パーティーでも良識派として描かれる事が多いです。しかし、元々の騎士はキリスト教と関係もなく利己的なバーバリアンでした。

 

初代神聖ローマ皇帝・カール大帝

 

特にカロリング朝を開いたカール大帝のフランク王国の分裂後は各地の封建領主は家の次男坊、三男坊を騎士として戦場に出し、周辺の封建領主と領土の奪い合いを開始。首尾よく敵の騎士を捕らえて身代金をふんだくって開放するそんなビジネスをしていましたが、血の気の多い騎士たちは、しばしば憎しみや名誉欲から敵を徹底的に殺戮し騎士とは無関係な市民まで殺害する暴挙に出ました。

 

これに怒った市民は団結し騎士に対して、戦いに市民を巻き込まないように要求を突きつけて一時的に和平を実現したりします。また、当時のカトリックは、度々領内に侵攻してくるイスラム教徒に対抗すべくバーバリアンだが勇敢な騎士を懐柔し「キリストの為に戦って戦死すれば聖職者にならなくても騎士の身分のままで天国の門が開く」として内心では死後に怯えていた騎士を説得しキリストの騎士として取り込む事に成功します。

 

このようなムーブメントが最初に盛んになったのは第一回十字軍であり、多くの西ヨーロッパの騎士が天国へ行ける切符を求めて異教徒との戦いに赴く事になりました。もっとも、騎士が優しいのはキリスト教徒に対してだけで異教徒に対しては元のバーバリアンさながらの狂気の宗教戦士であり続けたのですが…

 

関連記事:カール大帝とはどんな人?西ヨーロッパの始皇帝の生涯

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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