諸葛亮といえば天才軍師というイメージが定着していますが、それは三国演義がもとになっているものが多く、正史で語られる諸葛亮の活躍は異なります。
実際の諸葛亮はどちらかといえば政治家としての手腕が目立ちますが、軍事的な功績もいくつか認められている人物です。そこで今回はそんな諸葛亮の功績を軍事と政治に分けて紹介していきます。
この記事の目次
諸葛亮の軍事的な功績
正史における諸葛亮は軍事的な活躍は多くないので、軍事関連の能力は低かったと判断されがちです。しかし、時代の変遷とともに評価は変わっていて、唐代には太公望を祀る武廟の十哲に選ばれるなど兵法家、軍略家としての一面が強調されるようになっていきます。
その理由は、諸葛亮が考案した八陣の法(八陣図)と軍令が評価されるようになったためです。
唐の太宗である李世民と配下の李靖が問答する形で作られた兵法書「李衛公問対」でも、諸葛亮が用いた軍令と八陣図が度々取り上げられ、八陣図は李靖が考案した六花の陣の参考になったとも言われています。
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軍事技術に関する功績を残した孔明
諸葛亮はいくつかの顔を持っていますが、発明家という一面もあります。有名なものだと、益州の険しい山路における兵糧運搬を効率化するために、木牛と流馬と呼ばれる運搬道具を発明しました。
また、兵器の面でも元戎と呼ばれる連弩を作ったとされています。連弩自体は春秋戦国時代には発明されていましたが、諸葛亮はそれを改良して一度に10発の矢を放てるものを作りました。
連弩という兵器は日清戦争まで使用された実用性の高い武器なので、諸葛亮の改良も後世に大きな影響を与えたと言えるのではないでしょうか。
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食べ物に関する功績を残した諸葛亮
事実かは怪しい部分がありますが、出典があるものとしては饅頭とカブ(諸葛菜)も諸葛亮が発明、育てたとされています。
宋代に書かれた事物の由来を記した「事物紀原」という書物によれば、まんじゅうは南征に赴いた際に現地の悪しき習慣を止めるために、カブは食料不足解消のために育てたそうです。
事実だとすれば中国の一般的な点心の一つである饅頭を開発したことになるので、大きな功績と言えるでしょう。
また、現在中国では襄陽の特産品として孔明菜という名前の漬物が売られています。これは諸葛菜のエピソードを脚色して販売されていて、どことなくリアリティがある食品です。
諸葛菜とは直接関係ありませんが、食品業界における諸葛亮の功績は大きいと言えるでしょう。
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政治に関連する功績を残した諸葛亮
諸葛亮の真骨頂といえば政治ですが、中でも夷陵の敗戦で弱体化した国を立て直し、北伐が行えるまでに持っていった手腕は大きな功績です。
北伐実行までの流れの中に南征がありますが、南中を勢力下におさめて税収を得ることで北伐の軍費を軽減し、土着豪族の反対を抑えている点は見事としか言いようがありません。
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