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阪神ファンも真っ青!全身虎づくしの龔旺
さて最後にご紹介するのは席次は七十八位、龔旺彼の綽名は花項虎と言います。その綽名の意味する通り、首、つまり項部分に虎の頭の刺青をしていました。
因みに全身には虎のまだらの模様が刺青されていたので、ほぼ全身虎のようないで立ちですね。入山前は魯俊義ら相手に奮戦するのですが、入山してからの、特に最期はかなり……その壮絶な最期は、どうぞ本編でご覧下さいませ。
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おれたちゃタトゥーがユニフォーム!
と、色々とご紹介してきましたが、水滸伝には刺青を、特に全身にしているという人物が多く出てきます。現代では刺青を入れることをファッションの一部とする考えもありますが、古来では刺青は罪を犯した者たちへの刑罰、消えない証としての罰として扱われていました。
民族風習として刺青という文化もありましたが、どちらかというと水滸伝では刺青はそういう「アウトロー」「社会からのはみ出し者」としての刺青を意識してのものだと思います。
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刑罰だった刺青が反権力の象徴に
因みに刑罰としての刺青ですが、肉刑、と呼ばれる刑罰の一つであり、この肉刑の中では処罰として軽い部類だった模様です。その他では足の腱を切られるなど重く、前漢時代に訴えから文帝が禁止にしました。
ただしこの肉刑を禁止にしたことで鞭打ち刑が重くなったり、逆にそのまま死刑にされたりと別方面でも問題があり、三国志では陳羣がこの問題を指摘して肉刑の復活をするべきでは、と提案して論争が起こった、という記録もあります。と、刺青はあまり関係ない小話でした。
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三国志ライター センのひとりごと
因みに刺青で水滸伝と言えば、浮世絵師「歌川国芳」が有名です。かの作品はWikipediaでも拝見することができますが、どれも迫力があり、本当にカッコいいです。筆者の一押しは史進ですので、興味があるかたはぜひ見てみて下さい。
確かにこの時代、こんな迫力のある刺青を、しかも水滸伝の登場人物たちとして紹介されたとなれば、刺青がブームとなったのも分かりますね。自分の身体に、となると様々な問題もあり、じっくりと考える必要もあると思いますが、創作物の個性、特徴の一部として今回はご紹介させて頂きました。
参考文献:水滸伝
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