水滸伝の暴れ坊主魯智深は魔王なのに仏になって昇天するってホント?

2022年9月15日

編集体制の詳細を見る
kawauso編集長(石原 昌光)

編集責任者

kawauso編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務めるほか、紙媒体やWebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者・おとぼけ(田畑 雄貴)

コンテンツ制作責任者

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月に「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感していただけることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。

提供する掲載情報について

『はじめての三国志』は、複数の企業と提携し情報を提供しており、当メディアを経由して商品への申込みがあった場合には、各企業から支払いを受け取ることがあります。

ただし、当メディア内での商品評価に関して、提携の有無や支払いの有無が影響を及ぼすことはありません。また、当メディアで得た収益は、読者の皆様により役立つコンテンツ制作へ還元し、情報の正確性担保に努めています。

詳しくは 編集ポリシー をご覧ください。


はじめての三国志コメント機能バナー115-11_bnr1枠なし

魯智深

 

花和尚、と言えば魯智深(ろちしん)。魯智深もまた、他の108星同様、数奇な運命を経て梁山泊(りょうざんぱく)入りする好漢の一人です。

 

しかし魯智深は不思議なことに、その最後の演出は正に僧として、つまり和尚として最高の境地に至っているということ。数奇な運命を経て、数奇な最期に終わった者たちの中でも、一風変わった最期を迎える魯智深。

 

今回はそんな魯智深の最期に注目してみたいと思います。

 

 

人助けをして悪党を殺めてしまう魯智深

魯智深(水滸伝)

 

さてまずは魯智深が魯智深になるまでのお話を。

 

魯智深は嘗ては魯達(ろたつ)と言い、とある町でお役人をしていました。そこで後に同じく梁山泊入りする史進(ししん)と出会い、酒盛りをしていると泣いている金親子に出会います。

 

史進(水滸伝)

 

親子の不遇な身の上を聞き、同情した彼は路銀を渡した上で逃がしてやりますが、その際に追手の足止めをして相手をうっかり殺害してしまいます。ここでお尋ね者逃亡生活が始まります。

 

水滸伝の刺青はなんのため?

史進(水滸伝)
水滸伝の刺青は無法者の誇り!倶利迦羅紋紋のタトゥーを紹介!

続きを見る

 

【中国を代表する物語「水滸伝」を分かりやすく解説】

水滸伝入門ガイド

 

 

逮捕されない為に出家してみる魯智深

魯智深

 

逃亡した先で、金親子と再会します。親子は現在では裕福で穏やかに、幸せに暮らしており、嘗ての恩返しをしてくれます。この時にお尋ね者の追手から逃れるためにも、出家を進められます。

 

そうして入った山で師、智真師匠(ちしんししょう)と出会い、気に入られた魯達は文字を一文字貰って、魯智深、と名前を改めました。花和尚、魯智深の誕生です。

 

バイオレンス和尚魯智深物語

魯智深
人助けをしただけでお尋ね者に?水滸伝、花和尚・魯智深のお話(前編)

続きを見る

 

西遊記

 

 

酒を飲んで大暴れし別寺に飛ばされる魯智深

魯智深

 

しかし荒っぽい性格と酒好きな性格は治らず、二度も禁酒を破り、大暴れし、智真師匠も庇いきれず、別の寺に追放処分となります。

 

この際に智真師匠は最後に、魯智深へ

「夏に逢って擒にし (ろう)に遭って執う 潮を聴いて円し 信を見て寂す」

という「()」を授けます。

 

これは僧が悟りの境地を韻文(いんぶん)で述べたものであり、これからの魯智深の未来を見通したものでした。しかしそれが魯智深に分かるのは、かなり後になってのことです。

 

バイオレンス和尚魯智深物語

魯智深
坊主になって大暴れ!水滸伝武闘派和尚・魯智深のラストはとっても意外

続きを見る

 

北宋・南宋

 

 

敵の大将方臘を生け捕る手柄を立てる魯智深

方臘(水滸伝)

 

さてさて魯智深はそれから、林冲(りんちゅう)と義兄弟になったり、山賊になったり、遂に梁山泊入りしたり、北に南に錫杖(しゃくじょう)片手に大暴れ。

 

そして運命の江南の方臘(ほうろう)討伐に参加。ここでも魯智深は敵将の「侯成(かこうせい)」「方臘」を捕えて大功を挙げました。

 

 

その夜、泊まったお寺で夜に大きな音が。

敵襲かと騒ぐ魯智深に、寺の僧が答えます。

「あれは「潮信」と呼ばれるものです」

 

水滸伝の好漢を一挙紹介

宋江、史進、李逵、魯智深、林冲、武松、楊志(水滸伝)
【はじめての水滸伝】主役級を一挙公開、これが好漢だ!

続きを見る

 

北宋・南宋

智真師匠の言葉でニルヴァーナする魯智深

憤死する麋竺(モブ)

 

そこで魯智深は、智真師匠の()を思い出します。

 

「「夏」を捕らえた、「臘」も捕らえた、では「潮信」を見聞きしたなら「円寂(えんじゃく)」せねば。では円寂とは何か」

「それは僧が死ぬことです」

 

僧の答えに、魯智深はそれが自分の運命であり、最期を予言したものだと気付きました。事ここに至って、魯智深は運命から逃げることはありませんでした。魯智深は静かに瞑想し、そしてその魂は天へと召されたのでした。

 

宋江は二人いた?

水滸伝の宋江
史実の宋江はどんな人だった?水滸伝の主人公・宋江は2人存在していた?

続きを見る

 

はじ三Youtubeメンバーシップ

 

 

欲望が燃え尽きて悟りの境地に入った魯智深

鶴岡八幡宮 建物 モブ

 

魯智深は、花和尚と呼ばれたように和尚であり、お坊であり、僧です。しかし入山してから酒癖、荒っぽい気性は治らず、周囲に迷惑をかけ、大暴れの果てに山を追放されました。間違いなくこの時の魯智深は、破戒僧と言って差し支えなかったでしょう。

 

魯智深、林冲(水滸伝)

 

しかしその魯智深が、戦いの果てに師の言葉を思い出し、自分の死期を悟った。そしてそのまま悟りを開き、天へと上がったのです。何とも不思議で、初期の魯智深からは想像もしない終わり方だとは思いませんか。

 

梁山泊の悪質なスカウト

魯智深(水滸伝)
【水滸伝】可哀想すぎる強引な梁山泊のスカウトが悲劇を産む

続きを見る

 

北宋・南宋

 

 

魔王なのに仏になってしまった魯智深

宋江の夢(水滸伝の主人公)

 

108星は魔星の生まれ変わりです。だからか悪いこともするし、時にとんでもないことをしでかすし、大暴れもします。それでも魯智深は、最期の最期で悟りを開くのです。

 

更に言うならこの話、水滸伝の終焉の直前ですからね。あの報われない終わりの直前に、悟りを開いて天への昇れたのです。

 

水滸伝って何?15 九天玄女

 

そう考えると、魯智深は正しく己の使命を全うした上で、天に迎えられたというのでしょうか。逃亡からお尋ね者、入山して大暴れ……それを経て、最期は静かに悟った。魯智深は梁山泊の中でも、特に数奇な運命を経た人物だと思います。

 

好漢を陥れるにっくき悪党達を紹介

こいつらが悪役達だ!
【水滸伝】こいつらが憎っくき悪役達だ!!

続きを見る

 

塩と人類の歴史

 

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

魯智深、お山に入った後はそれはもう大暴れなので……お酒が大好きで飲みたくなるのは分かりますが、それでも周囲に迷惑をかけすぎでしょ!と思ったものです。

 

その魯智深が、最期は素直に受け入れるのですよ。最期は穏やかに、悟りを開いて終わるのです。個人的に、ちゃんと僧になれたんだなぁ……あの暴れん坊が立派になったなぁ、と驚嘆しましたね。そんな「智」を教えてくれる魯智深の最期……とても、深いですね。

 

センさんのとぷんver2

 

……ちゃぽーん。

 

参考文献:水滸伝

 

こちらもCHECK

李逵(水滸伝)
【水滸伝】なっとくできるか!本を捨てたくなるヒドイ結末

続きを見る

 

【社運をかけた挑戦 三国志マンガ始動】
はじめての三国志Youtube漫画

 

 

はじめての三国志を、もっと読みたい方へ
Google検索であなたの優先ソースに登録しておくと、はじ三の記事が上位に出やすくなります。
  • この記事を書いた人
  • 最新記事
セン

セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

-水滸伝
-,