この記事の目次
智真師匠の言葉でニルヴァーナする魯智深
そこで魯智深は、智真師匠の偈を思い出します。
「「夏」を捕らえた、「臘」も捕らえた、では「潮信」を見聞きしたなら「円寂」せねば。では円寂とは何か」
「それは僧が死ぬことです」
僧の答えに、魯智深はそれが自分の運命であり、最期を予言したものだと気付きました。事ここに至って、魯智深は運命から逃げることはありませんでした。魯智深は静かに瞑想し、そしてその魂は天へと召されたのでした。
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欲望が燃え尽きて悟りの境地に入った魯智深
魯智深は、花和尚と呼ばれたように和尚であり、お坊であり、僧です。しかし入山してから酒癖、荒っぽい気性は治らず、周囲に迷惑をかけ、大暴れの果てに山を追放されました。間違いなくこの時の魯智深は、破戒僧と言って差し支えなかったでしょう。
しかしその魯智深が、戦いの果てに師の言葉を思い出し、自分の死期を悟った。そしてそのまま悟りを開き、天へと上がったのです。何とも不思議で、初期の魯智深からは想像もしない終わり方だとは思いませんか。
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魔王なのに仏になってしまった魯智深
108星は魔星の生まれ変わりです。だからか悪いこともするし、時にとんでもないことをしでかすし、大暴れもします。それでも魯智深は、最期の最期で悟りを開くのです。
更に言うならこの話、水滸伝の終焉の直前ですからね。あの報われない終わりの直前に、悟りを開いて天への昇れたのです。
そう考えると、魯智深は正しく己の使命を全うした上で、天に迎えられたというのでしょうか。逃亡からお尋ね者、入山して大暴れ……それを経て、最期は静かに悟った。魯智深は梁山泊の中でも、特に数奇な運命を経た人物だと思います。
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三国志ライター センのひとりごと
魯智深、お山に入った後はそれはもう大暴れなので……お酒が大好きで飲みたくなるのは分かりますが、それでも周囲に迷惑をかけすぎでしょ!と思ったものです。
その魯智深が、最期は素直に受け入れるのですよ。最期は穏やかに、悟りを開いて終わるのです。個人的に、ちゃんと僧になれたんだなぁ……あの暴れん坊が立派になったなぁ、と驚嘆しましたね。そんな「智」を教えてくれる魯智深の最期……とても、深いですね。
……ちゃぽーん。
参考文献:水滸伝
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