花和尚、と言えば魯智深。魯智深もまた、他の108星同様、数奇な運命を経て梁山泊入りする好漢の一人です。
しかし魯智深は不思議なことに、その最後の演出は正に僧として、つまり和尚として最高の境地に至っているということ。数奇な運命を経て、数奇な最期に終わった者たちの中でも、一風変わった最期を迎える魯智深。
今回はそんな魯智深の最期に注目してみたいと思います。
この記事の目次
人助けをして悪党を殺めてしまう魯智深
さてまずは魯智深が魯智深になるまでのお話を。
魯智深は嘗ては魯達と言い、とある町でお役人をしていました。そこで後に同じく梁山泊入りする史進と出会い、酒盛りをしていると泣いている金親子に出会います。
親子の不遇な身の上を聞き、同情した彼は路銀を渡した上で逃がしてやりますが、その際に追手の足止めをして相手をうっかり殺害してしまいます。ここでお尋ね者逃亡生活が始まります。
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逮捕されない為に出家してみる魯智深
逃亡した先で、金親子と再会します。親子は現在では裕福で穏やかに、幸せに暮らしており、嘗ての恩返しをしてくれます。この時にお尋ね者の追手から逃れるためにも、出家を進められます。
そうして入った山で師、智真師匠と出会い、気に入られた魯達は文字を一文字貰って、魯智深、と名前を改めました。花和尚、魯智深の誕生です。
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酒を飲んで大暴れし別寺に飛ばされる魯智深
しかし荒っぽい性格と酒好きな性格は治らず、二度も禁酒を破り、大暴れし、智真師匠も庇いきれず、別の寺に追放処分となります。
この際に智真師匠は最後に、魯智深へ
「夏に逢って擒にし 臘に遭って執う 潮を聴いて円し 信を見て寂す」
という「偈」を授けます。
これは僧が悟りの境地を韻文で述べたものであり、これからの魯智深の未来を見通したものでした。しかしそれが魯智深に分かるのは、かなり後になってのことです。
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敵の大将方臘を生け捕る手柄を立てる魯智深
さてさて魯智深はそれから、林冲と義兄弟になったり、山賊になったり、遂に梁山泊入りしたり、北に南に錫杖片手に大暴れ。
そして運命の江南の方臘討伐に参加。ここでも魯智深は敵将の「夏侯成」「方臘」を捕えて大功を挙げました。
その夜、泊まったお寺で夜に大きな音が。
敵襲かと騒ぐ魯智深に、寺の僧が答えます。
「あれは「潮信」と呼ばれるものです」
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