貂蝉のキャラクターは蝉と貂の2種類の生き物のイメージから誕生した?

2022年9月21日


 

はじめての三国志_ページネーション

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貂蝉の名前の由来

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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侍中とは何?

荀彧

 

侍中とは皇帝のお世話係で、年代を経て書類の取次ぎなどもやるようになる、重要な役職です。三国志(さんごくし)では荀彧(じゅんいく)などが努めました。

 

さてこの侍中が付けていたのが惠文冠であり、文面からすると金を添加した冠で、蝉の模様、貂の尾を飾りにしている冠……と、なります。金を添加した、というのはおそらく金を使用して作られていたか、表面材に金を使用していたものと思われます。

 

そして重要なのは、この冠が貂蝉と呼ばれていたということです。

 

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秦の恵文王が被っていた貂蝉冠

嬴政(始皇帝)

 

ちょっとここで恵文冠についてもお話しましょう。恵文冠とは秦の皇帝恵文(けいぶんおう)がかぶっていたことからその名を付けられたとも言われる冠です。

 

この恵文王は(しん)の26代君主であり、巴蜀(ばしょく)や漢中を併合したことで秦の勢いを益々盛んにした王として知られます。有名な皇帝、秦の始皇帝(しこうてい)のおじいちゃんのお父さんにあたる人……というとなんか逆にややこしいでしょうか。ともあれ、その恵文冠が、付けられた飾りから貂蝉冠とも呼ばれるようになりました。

 

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蝉は貧乏で気高いシンボル

 

その名前の意味する所、まずは(せみ)ですが、実はこの蝉、中国では高潔さの象徴であり、清貧の象徴とも言われています。なぜなら蝉と言う生き物は、高い木の上で水、つまりは樹液だけを飲んで生きていきます。

 

その姿を清く貧しく生きていく姿と重ね合わせ、その蝉の生き様に古代中国の人々は高潔さを見出し、冠の飾りとしたのでしょう。

 

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貂は世界中のセレブが求める希少な毛皮

 

もう一つ、貂蝉の「(てん)」について。貂の尾、と言われているように、貂とは動物のことです。イタチのような動物なのですが、この貂の毛皮は古代中国、そして日本でも大変な高級品でした。

 

そんな高級品を身に付けるというのは権力者の力の現れ、そこに高潔な蝉を合わせて、貂蝉冠が生まれたのですね。

 

もしかしたら貂蝉はこれに準え、美しく、それでいて董卓と呂布と言う二人の傑物を相手に勝利した貂蝉の姿に高潔さを見出し、貂蝉、と名付けたのかもしれませんね。

 

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さて最後に余談を。日本では人を化かす獣に狐や狸がいますが、地方ではそこに貂も加わり、

 

「狐七化け、狸八化け、貂九化け」と言うそうです。つまり貂は狐や狸よりも人を化かす生き物なのです。

 

四大美女にもなっている貂蝉ですが、作品によっては悪女、烈女、悲劇の女性と様々な姿を見せてくれます。そういう一面は、誠に貂である……なんて思いました。

 

センさんが三国志沼にドボン b

 

どぼん。

 

参考文献:魏書呂布伝 初学記

 

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両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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