張飛「関羽の兄者よ」
関羽「おうどうした張飛」
張飛「聞いたか?後世の三国志ファンの中には、俺と兄者とが戦ったら結局どちらが強いのか、気にしている奴らがいるらしいぞ」
関羽「あっはっは。しょうもないことを考える未来人もいるものだな」
張飛「そこでだ兄者よ。蜀の国からそれぞれ独立して自分の軍を立ち上げ、どちらが立派な君主になれるか決着合戦をしないか?」
関羽「え?」
張飛「互いに独立宣言をして軍を編成して出発。俺は漢中を拠点に南下するから、兄者は荊州を拠点に北上してきてくれ。双方がぶつかる益州の戦場で一本勝負な?それじゃ(ガチャン)」
関羽「おい張飛!血迷ったのか!おい張飛!」
この記事の目次
突然に覇道を競い合うことになった関羽と張飛!関羽軍に馳せ参じたのは?
さあ、このようにして、突然始めさせていただきました(というか、もはや強引な設定でとにかく走り出せていただきました)、関羽と張飛による夢の対決という架空シナリオ!
「いやいや、あの二人が戦い合うことなんて絶対にありえないでしょ?」とか
「そんなことをしたら、曹操や孫権が喜んで介入してきて、たちまち蜀が滅ぶだけでしょ?」とか
「そもそも劉備がそんなことを許すわけないでしょ?」とかいった、当然すぎるツッコミを、
今回にかぎっては、どうかしばしの間、忘れていただきたい。
関羽と張飛が、それぞれ独立した群雄となって競い合ったら、リーダーとしての総合点を含めて、どちらがどれだけ強いのか、いったん、まぁ、やらせてみましょう!
関羽「やらせてみましょうって言っても。そもそも、劉備の兄者から離反して独立したところで、わしのところに馳せ参じてくれる部下なんかいるのかな・・・あ!そうか!わしには息子たちがいた!」
というわけで、関羽のところには、関興と関平と関索が合流しました。のみならず・・・
関羽「おお!お前たちが来てくれたか!周倉と廖化よ!もと黄巾賊くずれの奴らは義理堅いのお。・・・あれ?ちょっと待ってくれ!関興、関索、関平、周倉、廖化かぁ。軍師参謀系の人材が一人もいないのは心配だが、急ごしらえとしては意外にいいメンバーではないか?それにこのシナリオは張飛に勝てばいいんだろう?このメンバーならいけるかも。さて・・・問題は張飛のところには誰が馳せ参じたか、だ。ム?言っているそばから、張飛から着信だ」
いっぽうの張飛軍を支える強力な人材たちはがれだ!
張飛「おーい、兄者!軍団が揃ったか?」
関羽「おう!わしのほうはもう準備ができたぞ!お前のほうこそ、人材集めにぬかりはないかな?」
張飛「おうよ。まずは俺の頼もしい息子、張苞が駆けつけてきてくれた」
関羽「それは予想ついてた。他は?」
張飛「俺と過去によい勝負をした相手として、厳顔に声をかけたが、なんだかんだと言い訳をされて断られてなあ」
関羽「まぁそうなるだろうな」
張飛「そこで、昔からの酒飲み仲間、張達(ちょうたつ)と范彊(はんきょう)を、強引に脅迫して部下に引き入れたぞ」
関羽「え?ちょっと待て張飛・・・その二人は・・・史実で酔っぱらったお前を斬殺した二人組・・・」
張飛「張苞と張達と范彊、まぁ、三人も部下がいればじゅうぶんだ!こいつらを引き連れておれも軍を立ち上げるぞ!じゃあ、戦場で相まみえようぜ、手加減なんかするなよ兄者!(ガチャン)」
関羽「あ!張飛!待て!おい、待ってくれ!」
益州にて両軍ついに衝突!その結果は?
「どちらが強いか見たい三国志ファンのため」という曖昧な理由で軍を立ち上げ、そのままとうとう益州に入った関羽軍。山間の狭路に布陣し、超品群の南下を待ち伏せます。
そこへ、ようやく表れた張飛と張苞。
関羽「おう!お前ら親子、やっと現れたか!さあ、わしもこんな愚かな戦いは長引かせたくはない。後世の三国志ファンを満足させるためだけのシナリオだ。『関羽対張飛』イフシナリオ、さっさと決着をつけよう」
張飛「兄者!これは『関羽対張飛』じゃねえよ!カッコよく、『関羽ヴァーサス張飛』シナリオと呼んでくれ。下唇を噛んで、ヴァーサス、な?」
関羽「呼び方はなんでもよいわ。あれ?お前、兵士たちはどうした?それに親子そろって、なぜ、満身創痍なのだ?」
張飛「実は、酒を飲んだ勢いで張達と范彊に絡んだら、めちゃくちゃ恨まれてな。寝込みを襲われて危うく首を落とされるところだったが、張苞がいたおかげで、命からがら脱出できたんだ」
関羽「それじゃダメではないか!わしとお前とで独自の軍を編成してぶつかり合うシナリオが、お前、わずかの間も独立勢力を維持できなかったのか!」
まとめ:やはりこの二人の勝負は一騎打ちで決着してもらいたい!
張飛「いやあ、実はそういうわけだ兄者。まことに面目ない」
関羽「これでは夢の対決シナリオどころではないぞ!どうするつもりだ?」
張飛「やはり、兄者とおれの決着というなら・・・素直に一騎打ちで勝負をつけないか?」
関羽「えー?けっきょくそうなるのか。なんか、最初からそうなる気はしていたが」
張飛「いくぞ兄者」
関羽「おう!」
こうして、けっきょくは一騎打ち一本勝負となった、この二人。そういえば関羽と張飛、本気で一騎打ちをしたことは、当然ながら、一度もありません。
もっとも三国志演義では、曹操の元にいた時期の関羽が、「一騎打ちの武芸に関しては、私よりも、弟分の張飛が上です」と言っていたことがありますが、それは曹操がいる手前そう言っていたわけで、本心の意見かは未知数です。
関羽と張飛、一騎打ちしたら、どちらが勝つのか?
これは、まさに、三国志ファンの方それぞれで予想が違うと思うので、ずるいようですが、今回のシナリオはここまで。決着は皆さんそれぞれで考えてみてください!え?私はどう考えているのかって?
そりゃもちろん・・・関羽と張飛とが夢の一騎打ちをしたところで、「お前やるなあ」「兄者こそ」「あはは」「あっははは!」、三国志演義の設定に乗る限り、きっとそんな感じになり、結局なんだかんだ引き分けオチで終わると予測します。
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