キングダム886話ネタバレ考察|「殲滅」の報告。河了貂は死んだのか?

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「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務めるほか、紙媒体やWebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者・おとぼけ(田畑 雄貴)

コンテンツ制作責任者

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月に「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感していただけることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。

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キングダム886話

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この記事の目次

キングダム最新話:886話で一番のミソ|河了貂が「本当の囮」だと自分で認めた

 

今週いちばん重かったのは、河了貂が兵に謝ろうとした場面だ。小隊を逃がすほど、自分の周りが薄くなる。そのことを河了貂は隠さなかった。ここが本当の囮だ、と自分の口で言った。んで、兵の側が謝らせない。誇っていい、最後まで守る、と返す。しかもそのあとに、河了貂本人はいずれ別働隊に入れ、と付け足す。守るとは言うが、一緒に死ぬとは言っていない。兵のほうが、河了貂を生かす算段をしている。

 

ここは、参った。軍師が兵を守る話だと思って読んでいたら、兵が軍師を守る話に裏返っていた。

 

巻数で探せる!キングダム考察

 

 

キングダム考察|河了貂は死んだのか?「殲滅」の報告で確定していないこと

 

検索でここへ来た人がいちばん知りたいのは、この一点だと思う。最初に読んだときは、討ち取られたと思った。殲滅の報告があって、雨の中に横たわる河了貂がいる。そう読むのが普通だ。

 

んで、読み返すと違う気がしてくる。描かれたものを数える。趙忽軍が駐屯していること。「殲滅した」という言葉。雨の中の遺体。横たわる河了貂の全身。誌面の「合流は果たせなかった」という煽り。描かれていないものも数える。河了貂の顔。河了貂が斬られる場面。横たわっている場所が、殲滅の現場と同じだという確認。殲滅された部隊が、河了貂のいた中央部隊だという確認。

 

「殲滅した」という情報は、趙忽軍の最後尾の兵が言い、伝令が運び、カイネが聞いた。二段の伝聞だ。誰も、河了貂の顔を確かめていない。僕の予想は、河了貂は生きている、だ。趙忽軍が殲滅したのは中央部隊で、その中に河了貂はいない。河了貂は別の場所で気を失っている。最後の大ゴマは、殲滅の現場と同じ場所とは限らない。そう読んでいる。

 

理由はもう一つある。原泰久先生は、ここで河了貂を殺す作家ではないと思う。カイネとのつながりをこれだけ丁寧に描いた直後に、顔も見せずに終わらせるとは考えにくい。ただ、決め手はない。顔を描かない演出は、生かすときにも、殺すときにも使われる。悪いほうに転ぶなら、河了貂が趙軍の捕虜になる展開もあり得る。生きてはいるが、信のもとには戻れない。その形も残っている。

 

史実版の春秋戦国時代の年表

 

キングダム886話考察|なぜ最後に描かれたのがカイネだったのか

 

河了貂の安否を最初に受け取ったのが、信でも蒙恬でもなく、カイネだった。ここが今週の構成のミソだと思う。しかもカイネ本人が、なぜ自分が河了貂を気にするのかを説明できていない。まとまらない気持ちのまま現場へ急ぎ、殲滅の報告を聞く。その直前に、昔の「一緒に来い」という記憶を置いている。

 

原先生はここを狙ったのかもしれない。信が河了貂を見つける展開なら、カイネの記憶をここで掘り返す必要はない。カイネの心を先に動かしておいたのは、次に河了貂と向き合うのがカイネだからではないか。敵か味方かで言えば、敵だ。ただ、転校していった同級生が、よその学校の運動会で倒れているのを見かけたら、誰でも足が止まる。カイネの馬が止まらなかった理由は、たぶんそれに近い。

 

期待込みで言うと、河了貂を最初に見つけるのはカイネだと思っている。敵の軍師を見つけた趙の将校が、どう動くか。助けるのか、捕らえるのか、見なかったことにするのか。カイネの立場だと、どれを選んでも筋が通ってしまう。そこがこわい。

 

キングダム人物名図鑑

 

キングダム考察|885話で「自己犠牲というより人事だ」と書いた。訂正する

 

先週の885話の記事で、著者(おとぼけ)は河了貂が囮に残った判断を「自己犠牲というより、人事だ」と書いた。残す人材を選び、生き延びる手順を組み、いちばんごまかしの利かない持ち場を自分に割り振った、と。

 

886話を読んで、その見方は変わった。

 

人事なら、計算が合っているうちに自分も抜ける。河了貂は抜けなかった。兵から「あなたも別働隊へ」と言われてもなお、まだその時ではないと残った。これは人事の帳尻を、自分の身で払っている。自己犠牲だった。

 

「申し訳ございませんでした」と土下座して謝るおとぼけのイラスト

 

先週の言い方は軽かった。著者(おとぼけ)は、ここで謝っておく。ただ、趙備明の読みを逆手に取った作戦そのものは、やはり軍師の仕事だと思う。敵が正しく判断すればするほど、小隊が逃げやすくなる。敵の正しさを、そのまま使った。頭の使い方は885話のままだ。変わったのは、その代金を誰が払ったか、だった。

 

次回887話はどうなる?河了貂の安否とカイネの行方

パソコンを指さしながら深読み考察をする、おとぼけのイラスト

 

886話予想の記事では、河了貂の囮作戦が見破られるかどうかを問いにした。答えは、見破られなかった。趙備明は最後まで撹乱だと思い続け、河了貂の狙いどおりに小隊は逃げた。その代わりに中央が痩せて、殲滅の報告が届いた。予想の答え合わせとしては、当たった半分が、いちばん痛い半分だった。

 

887話で見たいのは二つある。

 

一つは、河了貂が目を覚ましたとき、誰がそこにいるかだ。カイネか。誰もいないか。誰もいなかった場合、河了貂は自分だけが生き延びてしまったことを知る。親衛隊を名乗った兵たちが、一人も残っていない場所で。それは死ぬより重いかもしれない。

 

 

キングダムライターおとぼけの独り言

はじめての三国志主宰 おとぼけ(田畑雄貴)

 

もう一つは、蒙恬が言った雨だ。合流の場面で、あの一言だけが浮いている。雨は現場の血を流し、足跡を消す。河了貂の居場所を隠す雨になるのか、探す側の目をふさぐ雨になるのか。信は待つと決めた。次に信のもとへ届くのが、河了貂本人なのか、別の報告なのか。原先生は、その答えをカイネに持たせたのかもしれない。それでは兄弟たちよ、また木曜にお会いしまっせ!

 

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おとぼけ(田畑雄貴)

おとぼけ(田畑雄貴)

数々のブレストと思いつきで場を散らかした後、権限委譲と言い放ち、kawauso編集長に丸投げし去っていく。インターネットの不特定多数無限大の可能性にロマンと情熱を捧げる「はじめての三国志」の創設者。創造的で自由な発想が称賛や批判を創発し、心をつかむコンテンツになると信じている。各メンバーのパーソナリティを尊重し、全員の得意分野を活かし、補完し合うチーム作りを目指している。

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