北方謙三『水滸伝』の続編は?ドラマは2027年、原作は『楊令伝』へ続く

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「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務めるほか、紙媒体やWebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

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おとぼけ(田畑 雄貴)

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水滸伝01 北方謙三 水滸伝 特集バナー 宋江

 

北方謙三先生の『水滸伝』の「続編」には、2つの意味がある。ドラマの続編は、2027年に放送・配信が予定されている。原作の続きは『楊令伝』全15巻、さらに『岳飛伝』全17巻へと続く。

 

「POINT」の文字を指さす、おとぼけのポイント解説イラスト

 

19巻を読み終えても、物語は終わらない。この記事では両方を順に見ていく。んで、最後に「19巻だけで終えてもいいのか」という話までする。

 

 

北方謙三『水滸伝』の続編は2つある

 

どちらの続編か 内容 時期
ドラマの続編 連続ドラマ『北方謙三 水滸伝』のシリーズ続編 2027年に放送・配信予定
原作の続き 『楊令伝』全15巻 →『岳飛伝』全17巻 すでに完結済み

 

原作のほうは、もう最後まで出ている。とっくに完結している。待たずに読める。

 

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ドラマの続編は2027年に放送・配信

 

連続ドラマ『北方謙三 水滸伝』は、2026年2月15日からWOWOWとLeminoで配信された全7話の作品だ。宋江を演じたのは織田裕二さん。続編の制作は、第1シリーズの最終回を待たずに発表された。2026年3月27日のことだ。

 

強引な梁山泊スカウト 安道全 医者

 

最終回より先に、続きを決めていた。よほど手応えがあったんだと思う。放送・配信は2027年の予定で、若松節朗監督が引き続き指揮を執る。現時点で公表されているのは「2027年」という年だけだ。月や具体的な日付は出ていない(2026年8月時点)。

 

梁山泊(水滸伝)

 

梁山泊の側にも青蓮寺の側にも、新しい人物が登場すると告知されている。青蓮寺は原典の『水滸伝』には存在しない、北方版のオリジナル組織だ。

 

 

原作の続きは『楊令伝』と『岳飛伝』

 

北方謙三先生の『水滸伝』は、『楊令伝』『岳飛伝』と合わせて「大水滸伝」と呼ばれる三部作の第一部だ。

 

作品 巻数 連載 受賞
水滸伝 全19巻 1999年〜2005年 第9回 司馬遼太郎賞
楊令伝 全15巻 2006年〜2010年 第65回 毎日出版文化賞特別賞
岳飛伝 全17巻 2011年〜2016年 第64回 菊池寛賞

 

合計51巻。いずれも集英社から出ていて、連載はすべて『小説すばる』だった。

 

 

※ここから先は『水滸伝』の結末に触れます

水滸伝 晁蓋

 

ドラマを追っている途中の方は、この見出しの下を飛ばして「大水滸伝を読む順番」まで進んでほしい。

 

 

『楊令伝』はどんな話なの?

 

『水滸伝』のあと、梁山泊を再び立ち上げる話だ。頭領となるのは楊令。ドラマで満島真之介さんが演じた楊志の子にあたる。舞台は遼の滅亡と金の勃興という激動期。生き残った百八星と、死んでいった者たちの遺児が、新しい国を作るために戦う。

 

北方謙三先生はこの2作の違いを、『水滸伝』は反権力を掲げた夢の話、『楊令伝』は新しい国を作る現実の話、という趣旨で語っている。権力を倒した側が、今度は権力になる。読んでいて重くなるのは、こちらだ。

 

 

『岳飛伝』はどんな話なの?

 

 

主人公が梁山泊から離れる。南宋の武将・岳飛が中心になり、金との戦いへ進む。舞台も広がる。中国大陸だけでなく、日本や西域、さらにメコン川の流域まで話が及ぶ。水滸伝の続きを追っていたはずが、メコン川まで連れて行かれる。この飛距離が大水滸伝だ。

 

岳飛(南宋の軍人)

 

岳飛は史実に実在した武将だ。金と戦い、宰相の秦檜によって獄死したと伝えられる。原典の『水滸伝』には登場しないが、宋代を扱う以上は避けて通れない人物だった。

 

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水滸伝入門ガイド

 

大水滸伝を読む順番

 

刊行順に読むのが、そのまま正解だ。

 

順番 作品 巻数 累計
1 水滸伝 19巻 19巻
2 楊令伝 15巻 34巻
3 岳飛伝 17巻 51巻

 

途中から入るのは勧めない。『楊令伝』は『水滸伝』で誰が生き残ったかを前提に始まるし、『岳飛伝』はさらにその上に乗っている。順番を飛ばして得をすることは、まずない気がする。

 

『水滸伝』には別巻として『替天行道 北方水滸伝読本』もある。対談や人物辞典が入った本で、19巻を読み終えたあとに手を出すのがちょうどいい。先に読むと結末に触れるおそれがある。

 

 

『水滸伝』の19巻だけで終えてもいいのか

 

いいと思う。『水滸伝』は19巻できちんと閉じる。続きを読まないと宙ぶらりんになる作りではない。

 

ただ、少し引っかかることがある。三部作という構想が明かされたのは『楊令伝』の連載終了後だった。『水滸伝』は、続編を前提に書かれた作品として世に出たわけではない。それでいて、続きが2作、合計32巻も生まれた。

 

19巻で閉じているのに、書き足りない何かが残った。それが物語の側の要請だったのか、書き手の側の未練だったのか。正直、ここは決め手がない。作者本人の言葉を追っても、そこまでは分からなかった。

 

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著者(おとぼけ)はいま『岳飛伝』の4巻、数えて38冊目を読んでいる。19巻で止めてもいいと書いておきながら、自分は止まれなかった。

 

ドラマの続編を待つ間に読む、というのも一つの手だ。2027年まで、まだ時間がある。

 

 

北方謙三『水滸伝』の続編についてよくある質問

 

ドラマの続編はいつ放送されますか?

 

2027年に放送・配信が予定されている。月や日付は2026年8月時点で公表されていない。

 

ドラマの続編は原作のどこを描きますか?

 

公表されていない。第1シリーズが原作全19巻のどこまでを描いたかによるが、続編の範囲についての発表はまだない。

 

『楊令伝』から読み始めても大丈夫ですか?

 

勧めない。『水滸伝』の登場人物のうち誰が生き残ったかを前提に始まるため、先に読むと『水滸伝』の結末が分かってしまう。

 

 

大水滸伝は全部で何巻ですか?

 

『水滸伝』19巻、『楊令伝』15巻、『岳飛伝』17巻の合計51巻。読本を含めるとさらに増える。

 

 

原典の『水滸伝』にも続編はありますか

 

 

『水滸後伝』という続書が存在する。生き残った好漢たちのその後を描いたもので、北方謙三先生も『岳飛伝』で梁山泊が南方へ進出する展開にこの要素を取り入れている。

 

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水滸伝入門ガイド

 

 

水滸伝ライターおとぼけの独り言

はじめての三国志主宰 おとぼけ(田畑雄貴)

 

51巻という数字は、字面だけ見るとまず引く。ただ、連載期間を並べてみると印象が変わる。1999年から2016年。17年だ。読者からすれば51巻の山だが、書いた側は17年かけて1冊ずつ積んだことになる。毎月あの分量を書き続けた人がいるという事実のほうが、こわい。読むほうは、38冊目まで来てもまだ終わりが見えない。17年書き続ける根気は、たぶん一生手に入らないと思う。

 

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おとぼけ(田畑雄貴)

数々のブレストと思いつきで場を散らかした後、権限委譲と言い放ち、kawauso編集長に丸投げし去っていく。インターネットの不特定多数無限大の可能性にロマンと情熱を捧げる「はじめての三国志」の創設者。創造的で自由な発想が称賛や批判を創発し、心をつかむコンテンツになると信じている。各メンバーのパーソナリティを尊重し、全員の得意分野を活かし、補完し合うチーム作りを目指している。

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