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諸葛亮の扇はどこから生まれたの?なぜ孔明は羽扇を持っているの?


 

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孔明と姜維

 

諸葛亮(しょかつりょう)の武器といえばまずはその頭脳。そして多くの人が想像する諸葛亮の武器といえば、そう、羽扇ですね。一説にはこれでしゃっしゃっほぅ!と敵をなぎ倒しつつビームを撃つなどしているという話を聞きます。しかしそれはそれとして、この諸葛亮の羽扇という存在、どこから出てきたのでしょうか?更に今回は「どうして諸葛亮といえば羽扇を持っているのか」についても、考えていきたいと思います。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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孔明が良く持っているものは何?

孔明

 

さて、良く諸葛亮の持ち物とされていることが多い存在。そしてそれを手に持ち数々の奇策を発揮して敵をなぎ倒していくその存在。これは羽扇ですが、これは元は初学記(しょがくき)二十五巻に引く「語林」にて「羽扇を手に軍を指揮した」という描写があり、そこから三国志演義でよりイメージが確固となったものでもあります。なので、元から考えると諸葛亮の持っているものは羽扇で間違いないと言って良いでしょう。

 

 

羽扇ってどういうもの?意味や読み方は?

歳をとっても元気な孔明

 

では羽扇(うせん)とは何か、というと、うちわです。羽扇という名前の通り、鳥の羽を主に使用して作られたもので、基本的に仰ぐと壊れます。現代のうちわと呼ばれるものは、竹や木材、もしくはプラスチックなどを使用して、更には紙で作られており、強度も昔のものとは比べ物にならないものとなっているようです。因みに『うせん』、もしくは『はねおうぎ』、と読みます。羽扇子となると、『はねせんす』、という読み方をするようですね。

 

 

諸葛亮が何でうちわなんか持ってるの?暑がりさん?

悪い顔をしている諸葛亮孔明

 

それでここで諸葛亮。どうして諸葛亮が羽扇を持っているのか……実は暑がりだったからどこでも羽扇が手放せなかったのか……そうではありません。前述したように諸葛亮はイメージとして羽扇を持たされているところが大きいですが、これも前述したように昔の扇というのは自分でそれを手に持ち、仰いで涼しむための目的ではありませんでした。扇とは「はらう」もしくは「「かざす」ためのものであったのです。

 

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諸葛亮が団扇を持たされている意味

車に乗る諸葛亮(孔明)

 

ここで三国志演義(さんごくしえんぎ)の諸葛亮を思い浮かべてみてください。よく言われますが、三国志演義での諸葛亮はほぼ「仙人」のような存在です。奇策軍略にも優れていますが、赤壁の戦いとかはどちらかというと人外めいた能力を感じますね。そして扇子は元々は、儀式や祈願などによって用いられるものだったのです。このことから、諸葛亮が羽扇を持たされているのは、より「人より卓越した存在」であるイメージが大きいのではないかと考えられます。

 

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それじゃあ「軍扇」とは?どういう意味があるの?

徳川家康の馬印と徳川家康

 

ここいらで軍扇、軍配団扇の話をしましょう。軍配とも呼ばれるこの扇、戦国時代などを取り扱ったドラマなどで見たことはないでしょうか。これは嘗て、武将が戦の指揮に用いたと言われています。ではなぜ用いたかというと、基本的に当時の人々は吉兆を非常に気にするタイプだったということです。このためにゲン担ぎ、勝利祈願、吉兆占い……そう、扇と同じく、儀式や祈願のために軍扇は用いられたのです。

 

寿命が伸びる儀式を行う孔明

 

戦は命がけです。本人の命だけでなく、率いた人物の国、民、家族など、色々な命運がかかっていました。このため、諸葛亮が羽扇を携帯していた可能性も高く、そこから諸葛亮のイメージとして「祈祷」があることもあって、諸葛亮が羽扇を持っていることで周囲に「安心感」を与えていたとも考えられます。

 

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諸葛亮と羽扇のおもしろエピソード

扇からレーザー光線を放つ孔明

 

諸葛亮と羽扇の話ですが、面白い話をご紹介しましょう。諸葛亮の羽扇は、元は諸葛亮が退治した怪鳥の羽でできているというのです。この怪鳥を倒したことにより、諸葛亮は未来さえもを見通す力を授かりました。そしてその証として、羽扇を手に持つようになったというのです。

 

夜の五丈原で悲しそうにしている孔明

 

 

……これだと、ではどうして五丈原で……という話になってしまいますが。しかしそれならば「例え未来が分かっていたとしても」という諸葛亮の姿と見てみると、何だか熱いものがこみ上げてきますね。怪鳥のエピソードはあくまで伝承でしかありませんが、そういう意味で羽扇を持つ諸葛亮も良いと思いますね。

 

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扇で終わる四字熟語って何かある?

魏延と孔明

 

では、ちょっとここで豆知識を。扇で終わる四文字熟語(よじじゅくご)に、夏炉冬扇(かろとうせん)、という言葉があります。かろとうせん、と読みまして、読んでそのまま、夏の囲炉裏に冬の扇ですね。時季外れの無駄なもの、転じて、役に立たないものを意味します。

 

……もしも、諸葛亮の羽扇が本当に怪鳥のものであったとして。そしてその羽扇と未来を見通す力を持って、諸葛亮が最後の戦いに臨んでいたとしたら。もしやそれらは既に、諸葛亮からすれば何の意味もなかったものではないか。そんな益体もないことを考えてしまう筆者でした。

 

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三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

基本的に、軍を指揮する者たち、それなりの立場の者たちは羽扇のようなものを持っていたそうです。そもそも、羽扇のイメージは周瑜だった、とも言われてもいますね。それだけに、ゲンを担ぐというのは、当時は大事なことだったのです。

 

センさんが三国志沼にドボン a

 

 

個人的には、諸葛亮が運頼み祈祷頼みとは思わないので、周囲への配慮で会った方が「らしい」と思いますね。涼を得るのではなく、良を得るためのもの。そういう羽扇の持ち方をしていたらいいな、と感じました。どぼん。

 

参考:蜀書諸葛亮伝 三国志演義

 

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諸葛亮

 

 

 

 

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両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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