皆さんはなぜ『三国志』を好きになったのでしょうか?ゲームや漫画、小説などなど、そのきっかけは人それぞれだと思いますが、『三国志』への愛は皆どれも同じだと思います。
しかし、『三国志』についての知識となると、「自分はまだまだかも…」と自信を持てない人が多いのではないでしょうか?
もしもあなたが『三国志』についての知識を深めたいのであれば、三国時代について学ぶことはもちろん、他の時代についても勉強すべきです!今回は、『三国志』を深めるためになぜ他の時代について学ばなければならないのか、その理由を説明したいと思います。
『三国志』で活躍する英雄たちも皆歴史を勉強してる
三顧の礼のお話を皆さんはご存知でしょうか?
劉備が諸葛亮を迎え入れるために、劉備直々に諸葛亮の草廬を何度も訪れたという話です。『三国志演義』の中でも屈指の名場面ですよね。
劉備が諸葛亮の元を訪ねてみると言い出したとき、関羽も張飛も「えぇ~!?一回りも下の奴に何でそんなことすんの!?」とブー垂れます。
その際に劉備は2人に次のように語りました。「周の文王も太公望が釣りを終えるのを静かに待ったというではないか。賢者を迎えるとはそういうものなのだよ。」この言葉に渋々従う2人…。
彼らが劉備の言葉に素直に従うことができたのは、周の文王が後に軍師として活躍して殷の暴君・紂王を破る人物であるということを知っていたから、すなわち歴史を知っていたからです。
当然、劉備が2人を説得できたのも歴史を学んでいたから。三国時代の英雄たちも歴史を学ぶことによってコミュニケーションをより円滑なものにしていたというわけです。
この他、英雄たちが歴史的事実を例に挙げて人を説得したりより良い人間関係を築いている場面は数知れず。実は、彼らが歴史を学ぶことによって様々なことに役立てているように私たちも彼らと同じように歴史を学ぶことによって『三国志』をより楽しむことができるのです。
最低でも周~漢の時代は抑えておきたい
では、『三国志』をより面白く読むために私たちは中国のどの時代について学べば良いのでしょうか?それはやはり、三国志以前の歴史でしょう。
三国時代の英雄たちは過去の歴史を本当によく語ります。その内容を深く理解するためにもやっぱり『三国志』よりも古い時代の歴史は知っておきたいところ。
その中でも特に抑えておきたいのは、礼などの制度が整えられた周代、周王朝の凋落によって諸侯たちが群雄割拠した春秋・戦国時代、ようやく中華が統一された秦代。
項羽と争った高祖・劉邦が開いた前漢時代。
王莽によって倒されたものの再び劉氏が返り咲いた後漢時代です。
これらの時代の主な出来事や有名な故事などを一通りおさえることはもちろん、その時代の制度や王朝の政策などを学べば三国時代の英雄たちの言葉だけではなく、三国時代が他の時代と比べてどのように違うのかといったことまでもを鮮明に知ることができるでしょう。
『三国志』の後の時代を知ると『三国志』がもっと面白くなる!
『三国志』の英雄たちより遥か未来に生きる私たちは、三国時代の後に訪れる時代について知ることができますよね。そのため、『三国志』の英雄たちが後の世の人々にどのように語られたのか、後の世にどのような影響を与えたのかまで知ることができちゃいます。
『三国志』以前の時代だけではなく、『三国志』より後の時代について学ぶ価値も十二分にあるわけです。
三国をバッタバッタとなぎ倒していった司馬氏による晋王朝について学べば、魏を反面教師とした政治が見えてきますし、唐代に詠われた数々の詩を読めば三国時代の英雄たちに思いを馳せる人々の心が見えてきます。
陳寿の『三国志』は西晋時代でしたし、小説『三国志演義』が編まれたのは明代、そして陳寿の『三国志』にまつわる様々な論争は清代になっても続くほど延々と盛り上がっていましたから、どの時代を学んでも『三国志』を面白く読むための材料となり得るのです。
三国志ライターchopsticksの独り言
『三国志』と直接関わりのある物事は勿論、一見全く関係の無いような物事も実は『三国志』を楽しむための重要なエッセンスかもしれません。一見『三国志』に関係なさそうな歴史でも、ちょっと勉強してみれば『三国志』に新しい発見を見出すことができるかもしれませんよ。
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