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色仕掛けだって立派な兵法、連環の計発動!!

2015年1月28日


 

龐統 ゆるキャラ 三国志

 

三国志には、連環の計と称するものが、二度出てきます。

一つは、赤壁の戦いで天才軍師龐統が、計略を持って曹操に会い、

「兵士の船酔いを予防する為に、船を鎖で繋いではどうか?」

と進言するシーンです。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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曹操、歴史的大敗

裏切りは許さぬ 曹操

 

曹操軍は、陸地育ちの兵が多く船酔いに悩んでいたので曹操は

喜び、船同士を鎖で繋ぎ船酔いを減らしますが、これは罠でした。

やがて、東南の風が吹いた頃、呉軍から火をつけた船が

曹操の大水軍に突撃し船団は燃え上がり、曹操は歴史的大敗をします。

 

そしてもう一つが、後漢王朝の司徒王允(おういん)が、

独裁者菫卓を殺す為に、美女貂蝉(ちょうせん)を計略に使い

呂布と菫卓の二人を誘惑し、呂布に菫卓を殺させる計略です。

 

連環の計はよく間違われる

劉備勝ちまくり!仮想三国志

 

ちなみに赤壁で誤解されていますが、連環とは船の鎖を繋げる

という意味ではなく、異なった幾つもの計略を連動させて、

より大きな成果を上げるという意味です。

 

今風に言えば、格闘ゲームのコンボ技みたいなものですね。

 

女性を計略に用いる兵法三十六計

薹卓色仕掛け

 

また女性を計略に用いるのも兵法三十六計の三十一番目に

美人計として正式に記録されています。

 

自分より遥かに相手が強い場合は、正面からぶつかるのは得策ではない

贈り物をして相手の歓心を買いうのが良い。

美人を贈れば、敵は美女に夢中になり、愛に溺れ覇気も気力も萎える

これに乗じて、敵を討つ策を考えれば良い、、

 

この美人計を用いて、菫卓を討ったのが後漢王朝の忠臣である王允です。

 

王允は菫卓の横暴に表面は同調するフリをして菫卓の信任を得て

司徒という重職に就いていましたが、内心では常に菫卓を討つ

チャンスを窺っていました。

 

董卓の最強のボディーガード・呂布

董卓&呂布

 

菫卓自体は、贅沢な生活で肥満し、討つには難しくなさそうですが、

問題は、ドーベルマンのように菫卓に寄り添う用心棒呂布です。

これを何とかしないと菫卓に近寄る事さえ出来ません。

 

そこで王允は、養女である当時、16歳の貂蝉に

「天下万民の為にお前の命を儂に預けてくれ」と懇願します。

 

元々捨て子だった自分を拾い、養女として育ててくれた

王允の恩義に報いる為に、貂蝉は我が身を犠牲にする事を決意します。

 

王允と貂蝉の計略

連幹の計(リョフ&チョウセン)

 

王允は貂蝉を美しく飾り立てて、最初は呂布の下に送ります。

妖艶で初々しい貂蝉に呂布はたちまち夢中になりました。

 

その後、王允は貂蝉を菫卓にも合わせ、菫卓の侍女にしてしまうのです。

 

呂布は、王允を呼んで問い詰めました。

「どうして貂蝉が親父の所で侍女として仕えているんだ!!」

 

王允は、待ってましたとばかりに空涙を浮かべて弁解します。

 

「菫卓様が強引に貂蝉を欲しいと思し召されたのです。

私はお止めしたのですが、脅迫され止むなく、、」

 

この時、呂布には菫卓に対する殺意が芽生えました。

 

貂蝉は、菫卓の侍女になりながらも、隙を見ては呂布と密会します。

 

「私は菫卓のような横暴な男は大嫌い、早く呂布様の妻になりたい」

貂蝉は、さめざめと泣きながら呂布に訴えます。

 

「貂蝉、もう少し待っていてくれ、儂が菫卓の手元から、

必ず、儂の下に連れ戻してやる、、」

 

こうして義理の親子になる程に結束が固かった菫卓と呂布の

鉄壁の関係にヒビが入ります。

 

 

菫卓の軍師・李儒が董卓に助言をする

呂布 最強 曹操

 

しかし、二人の関係が険悪になるのを恐れた菫卓の軍師李儒(りじゅ)は、

菫卓に貂蝉を呂布に与えるように助言するのです。

 

「たかだか、小娘一人と天下の豪傑と、あなたはどちらが大切か?」

信頼する李儒にそう言われ、菫卓は思い直し貂蝉を呂布に与える決心をします。

 

 

董卓、貂蝉を手放す決心がついたが・・・

朝まで三国志 董卓

 

ところが、貂蝉は一枚上手でした、菫卓が自分を呂布に

与えようとしていると知ると、今度は菫卓に泣きついて嫌がります。

 

「私は呂布のような獣の所に行きたくありません、菫卓様、

どうかアナタの側に置いて下さいませ!!」

 

 

泣きつかれた菫卓は、やはり男でした、一度は決めた

ドライな決定を覆し、呂布には貂蝉は与えないと言ったのです。

 

李儒は、執拗に菫卓に喰い下がり、呂布と仲違いをする危険を説きますが、

貂蝉への愛情に狂った菫卓は聴こうとしません。

 

「何と言う事だ、、我等は小娘一人に滅ぼされるのか、、」

李儒は戦慄し、我が身の不幸を嘆きましたがどうにもなりません。

 

呂布と董卓の関係は最悪状態

董卓 呂布

 

呂布は、一度は貂蝉を自分に与えると言った菫卓が前言を翻した事に

激怒して、菫卓を殺す事を決意します。

 

王允と結託した呂布は宮廷に菫卓を呼び寄せて、方天画戟で

真っ二つに斬り殺しました。

 

 

王允は、菫卓に加担した人臣に対し、容赦せず、

菫卓の一族も尽く殺害し、李儒も車裂きの計という

残酷な刑罰で身体をバラバラに引き裂かれ殺されます。

 

貂蝉について

絶世美女 貂蝉

 

貂蝉は、その後、呂布の妾になっていますが、

子供には恵まれず、三国志演義では、その後の事は不詳です。

 

さて、正史三国志では、貂蝉という女性は登場しないので、

貂蝉自身が実在の人物ではありません。

ただ、呂布は、菫卓の侍女と密通して、その事を王允に相談した所、

菫卓にバレて殺される前に先に菫卓を暗殺してしまおうと持ちかけられ

暗殺計画に参加したという事実はあるようです。

 

三国志演義では、この侍女を絶世の美女貂蝉としてリメイクし

物語を面白く再構成したのですね。

 

関連記事:三国志でも有名な異母兄弟喧嘩・袁紹と袁術の遠交近攻の計

関係記事:『連環の計』って、どんな作戦?

 

この記事を書いた人:kawauso

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kawauso

自己紹介:

三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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