曹操の逸話と言えば、色々なものがあります。そんな中でも曹操と言われると「美人好き」が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか?
確かに曹操の美人好きは有名、それが災いして失敗してしまったこともあります。しかし曹操には美女と同じくらい好きなものがあったことをご存知ですか?
今回はそんな曹操の好きなものを逸話からご紹介したいと思います。
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美女に関する逸話が多い曹操
曹操の美人好き、が伝わってくる逸話と言えば、やはり宛城の戦いでの失敗からでしょう。
未亡人に手を出してしまったばかりに、大切な部下である典韋や、後継ぎである曹昂までもを失っています。
三国志演義ではこの美人未亡人に「鄒氏」という名前が付けられてキャラクター性を持たせるなどされていることから、この曹操の失態が更にクローズアップされていることが読み取れます。
もう一つ曹操の美女が好きなことが分かるのが、曹丕たちの母親である卞氏の存在です。卞氏は元は歌妓でしたが、曹操の妾となり、その後に皇后にまでなりました。言ってみればあまり良い身分でなかった女性ですが、それでも妻に求めたところから曹操の「美人」好きが見て取れますね。
さてそんな曹操ですが、美人、美女以外にも好きなものがあります。それが「詩」です。
乱世の奸雄はミュージックセンスに溢れていた!
曹操が美人と同じくらい好きだったもの、それは詩です。曹操は詩才に溢れていて、たくさんの詩を残しています。この詩の注目ポイントは、ただの詩ではなく音楽に合わせて読み上げる詩ばかりが残っているということ。
現存する曹操の詩は全て音楽に合わせて読むものばかリなのです。そしてそのどれもが評価の高い詩ばかりですね。つまり曹操は現代で言うなら、ミュージックセンスに溢れていたと言えないでしょうか?
宴の席などで余興に即興で詩を歌える……そう考えると曹操はただとても詩が好きなだけでなく、才能にも恵まれていたことが分かります。そしてそんな詩から読み取れるのが、もう一つの曹操の好きなものです。
曹操は意外とお酒好き?
曹操の好きなもの、それは意外ですが「お酒」です。
曹操の詩集である「短歌行」に「酒に対しては正に歌うべし。人生などどれ程の物だろうか。ただ、その楽しみは酒だけだ」と詠われているので、結構お酒が好き、酒宴が好きだったことが分かります。
詩が好きだったのも、そして詠んだ詩が音楽と合わせる詩なのも、もしかしたら酒宴の席をもっと楽しむために、もしくは宴の席でテンションが上がって詠んでいたのかもしれません。ただお酒が好きと言ってもお酒で暴力的になるような逸話は残っていないので、酔っ払っても酒癖が悪いということはなかったようですね。
そのためかこの曹操のお酒好きは、張飛や孫権ほど知られてはいない気がします。
逸話から読み取れる曹操の「多彩」さ
曹操は戦について、軍才について非常に才能に長けていた人物です。その他でも詩、音楽、そしてその一方でお酒をたしなんだりという一面もあり、正に多才、「多彩」と言っていいほどの彩りのような才能と魅力に溢れている人物だということが分かります。
それを見ると美人が好き、ということもまた曹操の魅力の一面であるとも思いました。曹操は人材発掘能力に優れていた、と言われますが、それもまた人を身分で判断しない曹操の能力の一つです。
卞氏のこともある意味で、身分に捕らわれない曹操の逸話とも言えますね。そしてそんな美人好きが災いして大失敗をしてしまう……それも曹操という人物の魅力だと思えてはこないでしょうか。
三国志ライター センのひとりごと
曹操の逸話を見ていると、とても多才な人物であることが良く分かります。
そしていくつもの才能に溢れているにも優れた人物にも拘らず、楽しそうに過ごしている時は本当に楽しそうに過ごしている、人生を楽しんでいるということが伝わってきます。三国志演義での悪役イメージが伝わっている曹操ですが、もっと曹操の身近な面にも触れてみて欲しいですね。
参考文献:魏歴 魏書·后妃傳 短歌行
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