尾張との同盟の話が持ち上がり、帰蝶の輿入れを巡り賛成・反対で揺れる美濃。そんな中、帰蝶に私の結婚相手を見てきて欲しいと頼まれた十兵衛は、また商人に扮装して尾張へ潜伏します。偶然再会した菊丸から、信長は最近漁にハマっていると聞いた十兵衛は、夜が明ける前に海岸で待っていると昇る朝日に照らされた浦島太郎のような姿の信長が登場します。バカか悧巧か?あまりにも謎な信長に十兵衛は縁組を勧めていいのか迷います。今回から本格登場の織田信長、一体、どんな男なのか?それでは行ってみよう麒麟がキターーーーーーー
前回記事:麒麟がくる第7話 感想あらすじ「帰蝶の願い」麒麟がきた
関連記事:麒麟がくる第6話 感想あらすじ「三好長慶暗殺計画」麒麟がきた
この記事の目次
麒麟がくる第8話感想あらすじ「漁民に慕われるブッダな信長」
熱田に上陸した信長は、大きな魚を何匹も抱えていました。そして、それらの魚をまな板の上で手際よくぶつ切りにすると一切れ一文で漁民に売り始めます。当時の一文は、150円程度なので破格の安さです。市場で売ればさらに儲かるでしょう。漁民は欠け茶碗に次々に銭を放り込み感謝の言葉を述べて切り身を買っていきます。
始終ニコニコしている信長はブッダのようです。しかし、帰蝶の結婚相手として見ている十兵衛としては微妙です。突っ立っている十兵衛に信長は、「お前も買うか?」と持ち掛けますが十兵衛は断ります。切り身はあっという間に売り切れ、信長もどこかに姿を消していきました。
麒麟がくる第8話感想あらすじ「母の教え」
美濃に帰った十兵衛ですが、屋敷に足が向きません。熱田の海岸で見た、あの浦ちゃんみたいな信長を帰蝶に勧める事に良心が咎めます。
十兵衛「浦ちゃんの嫁に行ってください」
帰蝶「はいauペイで!」
みたいな冗談で済むような話じゃないし、思い悩む十兵衛に母の牧が十兵衛の父、光綱の臨終の時の言葉を伝えます。
「人は消えてもあの山や畑は変わらずそににある。その事が大事である。何よりも大事なのは国ぞ」
つまり、人はいつか必ず死ぬ、、女もいくら美しくてもいつかBBAになるんだから美濃の平和の為に必要とされる間に嫁にいきなさい。白馬の王子とか戯言言ってんじゃないの、それが戦国のリアルよ。という意味ですね。
毎回思いますが、麒麟がくるで一番性格がキツイのは牧じゃないですかね?
意を決した十兵衛。帰蝶に、「尾張は海が美しい、尾張に行きましょうよ」と信長の浦ちゃんぶりは伏せて勧めます。帰蝶は内心慕う十兵衛に言われ、心が吹っ切れたのか、涙ぐみながら「十兵衛が言うのなら仕方ない」と輿入れを承知しました。
麒麟がくる第8話感想あらすじ「利政大喜び」
帰蝶を騙したようで内心嬉しくない十兵衛ですが、帰蝶が輿入れを承知したと聞いた斎藤利政は大喜び着物の袖を前後にヒラヒラするマムシ喜びの踊りを披露し、「でかした!」と言うや十兵衛の両肩をバンバン叩く有頂天ぶりです。
次に利政は「信長は評判通りのうつけであったか?」と十兵衛に聞きますが十兵衛は
「風変わりではありましたが、うつけとまでは判断しかねる」と答えます。
しかし利政は信長などどうでもいいようで、「信秀が信長に家督を譲ったのは健康に問題があるからで信秀が死ねば信長などどうとでもなる。海が二歩も三歩も近づいた」とご満悦でした。
麒麟がくる第8話感想あらすじ「頼芸激白 僕チン経済分らんのよ」
十兵衛が稲葉山城を下りると、今度は斎藤高政や稲葉良通の一団に囲まれます。
「裏切ったな十兵衛、大人しく土岐頼芸様の屋敷に来い、来なければ斬る」
こうして、十兵衛は土岐頼芸と面会します。
頼芸は十兵衛が幼い頃に父の光綱とここに来たと告げますが十兵衛の記憶にはありませんでした。ここで頼芸は、十兵衛の父の光綱を清和源氏の流れを汲む気骨ある武士だったと褒めたたえ、十兵衛に似ていると褒めます。同時に叔父の光安を利政に媚びる腰巾着と罵倒しました。
しかし、帰蝶を稲葉山に帰し尾張と同盟を結ぶというのはいただけないと頼芸は言います。内容は前回と同じですが、織田信秀は守護代のさらに下で家格が低く、尾張守護代を敵に回しているという事。さらに三河を巡り信秀は今川義元と敵対しており、同盟は今川をも敵に回すという内容です。高政も禿同し、今からでも同盟を潰してこいと迫ります。
十兵衛は毅然と頼芸に反論します。
「熱田の市場を見ましたか?海の幸と各地の物産で大変にぎわっている。尾張と同盟できれば、美濃の物産の紙や瀬戸物や、刃物等を売る事が出来戦をせずとも美濃が潤い豊かになります」
それは戯言だとムキになり突っかかる高政ですが、ここで頼芸は大あくびをします。
「もうよい、、今日は鷹狩りで疲れた、話は次にせよ」
頼芸は奥に引っ込みます。それに合わせ、高政に従ってきた国衆もぞろぞろ去っていきました。父と慕う頼芸の為に十兵衛を説き伏せようと意気込んだ高政はショックを受けます。実の所、美濃の国衆は高政ではなく、土岐頼芸についていただけだったのです。
不満たらたらで母の深芳野の下に向かった高政は、「銭の為に帰蝶を尾張に売った利政は父ではない。本当は土岐頼芸様が俺の父だろう?真実を教えてくれ」と深芳野に詰め寄るのでした。
麒麟がくる第8話感想あらすじ「帰蝶の輿入れ」
天文十八年(1549年)尾張と美濃で和睦が話し合われて僅か2カ月で帰蝶は信長の元に嫁いでいきました。十兵衛は、その輿入れの行列を遠くまで送る事なく、途中で引き返していきます。その頃、隣国駿河の今川義元は参謀、太原雪斎、三河の大名、松平広忠と尾張と美濃の和睦について作戦を練っています。これまで、美濃と連携して尾張を牽制していたのが、美濃が尾張につくのですから尾張の背後は盤石になります。態勢が整う前に、自分の傀儡にした松平広忠を先頭に尾張に侵攻しようというのです。
「広忠殿、わしが手を貸す織田と戦じゃ!」
同じ頃、尾張、那古野城では信長が新婚初夜をすっぽかし姿を晦ましていました。平手政秀は、帰蝶に信長が見つからない事を謝罪します。悲壮な決意で尾張に来た帰蝶は打ちひしがれたかと思いきや案外平気そうです。信長が婚姻の義理で初夜だけは、共に床に入るようなつまらない男ではないと直感したのでしょう。よく考えると、変わり者の十兵衛を好きになった帰蝶なので、同じく変人の信長を好きになる可能性もあるのです。人間の縁は不思議なものです、いつまでも未練をひきずる男性より女性の方が、この辺はサッパリしてますね。
今回のお駒さん
今回のお駒さんも辛い事が多い回でした。まず帰蝶とのガールズトークでお互いに十兵衛が好きだと分ってしまいます。気まずくなる駒ですが、帰蝶は
「私に遠慮するな、十兵衛は私に興味が無いのだ。だから、私の結婚相手を見に行けるのだ」と吹っ切れたように言います。
男らしく豪快で諦めが良い帰蝶に未練が残る駒は動揺します。自分も十兵衛が好きだけど、身分が違う、私は帰蝶様のように思い切れるのか・・そんな折、駒も京都に帰る事になり、餞別として牧から桔梗紋の入った扇子をもらいます。
京都に帰る途中は十兵衛が遠くまで見送ってくれました。駒も自分の気持ちに区切りをつける為に十兵衛に聞きます。
「本当は帰蝶様の輿入れの時に、遠くまで見送りたかったのではないですか?
でも、帰蝶様が大好きだから辛くて出来なかったのではないですか」
十兵衛は押し黙り、「かも知れぬ」と呟きました。
この言葉で駒も吹っ切る事にしました。(十兵衛様は帰蝶様が好き、帰蝶様も十兵衛様が好き、だから私の入る隙は無い)駒はここからは一人で行けますと十兵衛に別れの言葉を告げて旅立っていきました。そうだよね、思いが届かない相手にいつまでも親切にしてもらうのは辛いもんねえ
麒麟がきたライターkawausoの独り言
帰蝶と十兵衛、十兵衛と駒、利政と高政、政治と恋愛が絡む中で次回は織田と今川が先端を開くのか?でもそうなると、織田は同盟の見返りに美濃に援軍を請うのは確実です。追い詰められる利政が、また十兵衛に無茶ぶりする予感が半端ありません。
参考文献:NHK大河ドラマ麒麟がくる完全ガイドブック前編
関連記事:麒麟がくる第6話 感想あらすじ「三好長慶暗殺計画」麒麟がきた
関連記事:麒麟がくる第5話 感想あらすじ「伊平次をさがせ」麒麟がきた